2025年8月6日水曜日

Nike Air Jordan 12 ”Playoffs”はスニーカーヘッズの注目を集めること間違いなし

Air Jordanシリーズの中でも価格高騰が半端ないAJ12ですが、その中でも高価格帯に位置する”Playoffs”です。
ここまで価格が上がってしまうと、街中でも誰かと被る可能性は極めて低いですし、ふらっと立ち寄ったスニーカーショップでの注目度も非常に高いです。優越感もありますが、若干複雑な気分です。



1. リリース概要

  • モデル名:Air Jordan 12 Retro “Playoffs”

  • オリジナル登場:1997年。マイケル・ジョーダンがシカゴ・ブルズでNBAプレイオフを戦った際に着用し、「Playoffs」との通称が生まれました。

  • 復刻履歴:2004年、2012年、2017年ローカットが登場。その中でも2022年春に25周年を記念してハイカット仕様で約10年ぶりの本格復刻が実現しました。写真は22年復刻版です(かつて2004年復刻版も所有していましたが、見事に加水分解してしまい、廃棄処分となりました)。

  • 発売日

    • 日本・アジア・欧州:2022年2月19日(土)

    • 米国:2022年3月11日(金) 

  • 定価:米国では $200、国内では 税込24,200円で販売されました。


2. デザインと構成

カラーブロック

  • アッパーはブラックのタンブルレザーを主体にし、ミッド/アンダー部分はテクスチャードなホワイトのマッドガードでコントラストを演出。全体にシンプルながら強烈な存在感を持つ2色構成です 。このタンブルレザーは肉厚で相当高品質です。正直屋外での着用をはばかられるレベル。

  • ブルズのチームカラーである赤(Varsity Red)は、シュータンやヒールタブのジャンプマンロゴ、スパインのラベルや「23」の刺繍として控えめに配され、アクセントとなっています。

素材/ディテール

  • アッパーには質感豊かなタンブルレザーが用いられ、プレミアムな風合いと耐久性を両立。ホワイト部分には細かいリザード風のテクスチャで立体感をプラスしています 。個人的にはAJシリーズの中で最も手触りの良い質感のレザーかと思っています。ちょうどよい塩梅の凹凸感と硬軟両方感じられる革質は、他のモデルでは味わえません。

  • トップアイレットにはメタリックシルバーのフック式金具を配置。2022年復刻では原作と比較してややダークな仕上げが見られます 。

  • シュータンには “TWO 3” の刺繍、ヒールタブには “Jumpman” タグおよびエンボス加工された「23」の数字入りなど、細部までオリジナル再現が追求されています 。

テクノロジーとパフォーマンス

  • Zoom Airエアユニットを初めて搭載したモデルで、前足部から踵まで優れた反発性・クッション性を提供。ティンカー・ハットフィールドの設計による洗練された美と機能性の融合を象徴する一足です。

  • ミッドソール内部にはカーボンファイバー製シャンクプレートを内蔵し、安定感と剛性を確保した構造になっています。

  • アウトソールはヘリンボーンパターンのラバーを配置しており、コート上でのグリップ性能も高水準です 。






3. 歴史的背景とエピソード

  • 1997年NBAプレイオフジョーダンが実践で着用したことにより“Playoffs”という名称が定着。そのプレイオフランで多数の試合をAJ12で戦ったことが、ファンにとって象徴的な思い出になっています。実はこの”Playoffs”は、ファンの間でも根強い人気を誇るモデルである所以でしょう。

  • 初登場以降、ジョーダン12自体が「旭日旗」のような放射状ステッチデザインや、女性靴から着想されたラストに基づくシルエットなどで、高い評価を獲得してきました。


4. 履き心地と評価

  • WearTestersによるレビューでは「極端に派手ではないが歴史と意味を踏まえると価値が高い」とされ、「快適性、ノスタルジック感、スタイルの面でも満足度が高い」との評価です。

  • 多くのレビューで、サイズ感は標準的。しっかりしたホールド感とともに適度なゆとりもあり、長時間履いても快適との声が多く寄せられています。

  • 実際履いていてもホールド感の割には疲れをあまり感じない、言語化すると「見た目と履き心地のバランスが非常に良い」という言葉が当てはまる良作と感じています。


5. コーデ提案

  • カラーはほぼモノトーン+赤のアクセントのみなので、シンプルな黒・白・グレーのスタイリングと非常に相性が良い

  • ジーンズ+スウェットやカーゴパンツといったストリート系だけでなく、ダークトーンのスラックスやジャケットスタイルとのミックスでも馴染む万能モデルです。

  • 黒ベースのため、ファッションの主役としてまたは足元に締まりを出すアイテムとして活躍できます(黒ベースのアイテムは大体なんにでも合わせやすいですが...)。


6. 総合評価とまとめ

「Air Jordan 12 Playoffs」は、AJシリーズ中でもNBAプレイオフという歴史的瞬間に象徴されるモデルであり、ティンカー・ハットフィールドのデザインによって次世代のスニーカー文化にも影響を与えた一足です。
2022年の復刻版は当時の仕様を忠実に再現しつつ、素材感やディテールに現代的な品質が加味されています。
価格に対して見た目、履き心地、ストーリー性を兼ね備えたバランスの良い仕上がりで、Jordanヘッズやコレクターにも層広く支持されるモデルと言えるでしょう。


2025年8月4日月曜日

Nike Air Jordan 2 Pythonの重厚感はもはやスニーカーを超越

 職業柄「Python」と聞くと蛇ではなく、プログラミング言語を思い出してしまうのですが、こちらは蛇革をイメージしてデザインされたNike Air Jordan 2 Pythonです。手に取った瞬間にものすごい重厚感に圧倒されます。

1. リリース概要

  • モデル名:Air Jordan 2 Retro “Python”

  • 発売日:2024年1月20日

  • 価格:米国定価175ドル。

  • バリエーション:同シリーズでローカット“Low Python”(DV9956‑100)も2024年2月7日に発売予定。




2. デザインと素材・特徴

ヘビ柄(パイソン)オーバーレイ

  • アッパーのサイドパネルには、グレーの型押しパイソン柄レザー使用され、エキゾチックな印象を演出。これは1987年のNike「Air Python」へのオマージュです。

  • パネルの質感はスムースホワイトレザーとの対比が引き立ち、洗練された大人のアクセントとなっています。

カラーパレット

  • ホワイトレザーをベースに、ライナー・タン・ヒールタブにブラック、ロゴやスタビ部にレッド(Nike表記)、ミッドソールはベージュ寄りの**“Sail”トーン**、アウトソールはCement GreyNeutral Greyの組み合わせ。

  • ミッドソールの黄ばみ風仕上げが、レトロ感と味わいを加味しています。

ディテール

  • ヒールには控えめなNikeロゴをレッド刺繍。タンには同じく“Wings”ロゴが配置され、AJ2伝統のミニマルなブランディングを継承。

  • 靴紐アイレット部分はベージュがかった色味でヴィンテージ感を演出。

構造とテクノロジー

  • オリジナルと同様、滑らかで上質なレザーアッパーとパッド入りライナーにより快適性を追求。

  • ミッドソールは軽量なEVAベースで、当時のJordan設計思想を忠実に再現。ギャム時代のイタリア製オリジナル仕様の精神を継承しています。


3. 歴史と背景

  • 初代Air Jordan 2は1986年に登場。イタリア製で、洗練されたデザインと高品質な素材を特徴とする“ラグジュアリー志向”のシグネチャーでした。

  • 本作「Python」は、Nikeが1987年にリリースした“Air Python”への敬意を込めたカラーアレンジであり、AJ2とPythonシリーズとのクロスオーバー的展開です。

  • Air Jordan 2自体は長年“評価の低い兄弟モデル”とされてきましたが、近年はAblohとのコラボなどで再評価されつつあります。


4. 履き心地と反響・評価

フィット感と快適性

  • 多くのAJ2ファンからは「標準的なサイズ選びで問題なしとの意見。またしっかりと足を包む設計のため、安定感のある履き心地が期待できます。半面見た目の重厚感通り、若干の重さを感じる履き心地です。


5. スタイル提案・コーディネート

  • モノトーン基調の服装との相性が良く、ブラック・ホワイト・グレーのアーバンカジュアルスタイルに自然に溶け込みます。

  • アウトドアテイストよりは都会的・洗練されたコーデに適しており、ジーンズ、チノ、ブラックパンツなどと合わせると引き締まります。

  • パイソン柄のアクセントを活かして、あえて控えめなトップスと合わせるスタイルも効果的。


Low Pythonモデル(2024年2月7日発売)も展開されており、よりバリエーション豊かに選べるようになっています 。個人的には綿製のレースに若干違和感を感じますが、別の材質の尖ったレースを使うと、逆にやりすぎ感も出てくるのでこれはこれで有りかなと思います。

2025年8月1日金曜日

New Balance U998GRは安定の歩きやすさを提供してくれる最強ツール

996と1300~1400シリーズが大好物な私ですが、今回は996亜種の998のご紹介です。アウトソールの違いから、996とはまた一味違った履き心地を提供してくれる一足です。



1. リリース概要と背景

  • モデル名:New Balance U998GR、カラー「Grey/Silver」

  • 発売日:2023年5月12日(日本・北米共通)に一部直営・正規取扱店舗および公式サイトでローンチ。

  • 発売価格:米国では約 185 USD日本国内では税込37,400円

  • 1993年初登場の名作 “998” の誕生30周年モデルとして、Made in USA 工場で製造された特別復刻。


2. デザイン・素材・構造

カラースキームとルックス

  • クラシックなミディアムグレーとシルバーを基調にした、落ち着いたグレートーンの配色。



素材・アッパー

  • ピッグスキンスウェードとメッシュのコンビネーションを使用。高品質かつ通気性のある構造で、Made in USAならではのクラフトマンシップを感じさせる仕上がり。

  • 「N」ロゴやヒールタブにはリフレクティブ素材を配し、ディテール性と視認性をプラス。


ソールユニットとテクノロジー

  • Abzorb(アブゾーブ)クッショニングを初搭載したソールを備える998シリーズ。その優れた衝撃吸収性能と反発性によって、履き心地・性能ともに高水準。

  • スリムな SL‑1ラスト を採用し、洗練されたシルエットと高いフィット感を両立しています。個人的には996よりも遥かに細身でスタイリッシュに感じます。









3. 履き心地・評価

サイズ感・フィット

  • 足入れはスリムでややタイトめながら、柔らかくしっかりとフィットする印象。履きやすさとホールド感の両立がこのモデルの強み。

  • 初代998のファンやロングライトランナーなど、機能性を重視する層の支持も厚い印象です。

スタイル評価

  • 「998 Grey」カラーは定番としての完成度が高く、万能なスタイル適性を持つという声が広がっています。

  • カラートーンが抑えられている分、カジュアルからきれいめまで幅広いコーデにマッチする点が評価されているようです。

  • スニーカー投稿でも「998、576、996と並ぶ周年組が揃った」と話題に。実際の出品相場では定価近くで購入された例も多く、#スタイリング共有 などでも高評価の意見が目立ちます。


4. 歴史とエピソード

  • ニューバランスの起源は1906年、ボストンで足の矯正靴を手がけたメーカーとして創業。以来「New(新しい)Balance(バランス)」というブランド名に込められた理念を基に進化を続けてきました。

  • 998は1993年にリリースされた990シリーズの5代目シリーズで初めてAbzorbを搭載し、ランニングシューズとしての革新性を示したモデル。

  • 30周年の節目となる2023年に、“U998GR”はオリジナルカラーを忠実に再現しつつ、Made in USAの本格仕上げで復刻された、スニーカーヘッズにとって特別な一足。


5. コーデ提案・活用例

  • モノトーン〜ニュートラルトーンのアパレルと相性抜群グレーデニム、カーキパンツ、クリーム系チノなどに自然に溶け込むカラーリングです。

  • 素材感が高級なので、ジャケット+パンツのきれいめスタイルからカジュアルセットアップまで汎用性が高く、シーンを選ばず着用可能

  • シューレースはホワイトでクリーンな印象にまとめたいところですが、ブラックやグレー系で統一しても落ち着いた大人っぽさが演出できます。


6. 総合評価

U998GR(Grey/Silver)は、1993年に誕生した名機「998」の30周年を記念した、Made in USAによる忠実なOG復刻モデルです。
落ち着いたグレーとシルバーの配色は時代を選ばず通用する洗練された美しさを持ち、Abzorbクッション、SL‑1ラスト、ハイクオリティな素材によって、履き心地も機能性も妥協のない一足です。

単なるリバイバルにとどまらず、ブランドとモデルの歴史を体現するスニーカーとして、コレクション性、実用性、ストーリー性を兼ね備えた価値ある選択と言えるでしょう。



2025年7月31日木曜日

Nike Air Jordan 5 Orange BlazeはShattered Backboardとも呼ばれる銘品

 Nike Air Jordan 5 Orange Blazeは、通称名が”Orange Blaze”ですが、巷では”Shattered Backboard”(所謂『シャタバ』)とも呼ばれています。カラーにオレンジが使われていることから来ていると思われますが、本家のAir Jordan 1 Shattered Backboardと混同されやすく紛らわしいですね。



1. リリース概要

  • 正式モデル名:Air Jordan 5 Retro “Orange Blaze”

  • 発売日:米国では2021年10月2日、日本国内では2021年9月25日

  • 価格:米国では190ドル、日本国内では税込23,100円(当時はこんな低価格だった...)


2. デザインと特徴

カラーブロッキング

  • メインカラーはSail(オフホワイト)のアッパー。これにヴィヴィッドなOrange Blaze(鮮やかなオレンジ)をミッドソールやインナーに配し、アクセントを効かせている。

  • 「Shattered Backboard(シャッタード・バックボード)」と呼ばれる人気配色を彷彿とさせるカラー構成(オレンジ/白/黒/シルバー)になっていることから、非公式ながらそのニックネームで親しまれている。





素材・構造

  • アッパーはラムレザーとテキスタイルメッシュのコンビ。特にアンクル周りまでメッシュ素材を覆う設計が特徴的で、Air Jordan 5としては新機軸。

  • シュータンは再帰反射(リフレクティブ)素材を使用。フラッシュ撮影や夜間で光を反射し、視認性とデザイン性を兼備。

ミッドソール・アウトソール

  • オレンジブレイズのミッドソールには、シルバーの斑点模様付き「サメの歯(シャークティース)」を配し、戦闘機を思わせるノーズアート風の意匠に仕上げている。

  • アウトソールは半透明のラバー仕様で、ジャンプマンロゴや黒のアクセントカラーが際立つ構成。

その他ディテール

  • アイレット(シューレースホール)はブラック、レースロックは透明素材。

  • ヒールやシュータン、アウトソールにジャンプマンロゴを配置し、ブランド・アイデンティティを強調している。


3. 履き心地とユーザー評価

サイズ感・フィット

  • スニーカー系投稿では「小さめに感じる」という声が散見されますが、私も同意見です。圧迫感はありませんが狭く感じるのも事実です。

  • 素材構成はしっかりしているが、ホールド感はAJ5シリーズの中では比較的柔らかめ。


4. 歴史的背景・エピソード

Air Jordan 5の起源

  • 初登場は1990年デザイナーはNBAヒストリーに残るティンカー・ハットフィールド。第二次世界大戦時の戦闘機(P-51 Mustang)をインスピレーションに、ジャンプマンロゴのアウトソール配置など斬新なアイデアを盛り込んだ名作モデルとなった。

  • リリース当時、アメリカではAJ5人気で争奪戦や暴動も起こった伝説的モデルとして知られている。

シャッタード・バックボードとの関連

  • 初登場のAJ1 “Shattered Backboard”は、ジョーダンがイタリアで試合中にバックボードを粉砕したエピソードから発想された配色で、後にシリーズ化されるほどの人気。今回のAJ5 Orange Blazeはその配色イメージを受け継ぎつつ、AJ5の30周年記念イヤー(2021年)に合わせたアレンジモデルとされている。


5. 試着・コーデ提案

スタイルアドバイス

  • 白系ボトムス(デニム/チノ)との相性が抜群。アッパーのセイルカラーと馴染みやすく、オレンジアクセントが際立つため、秋冬に映えるスタイルになります。

  • シューレースは純正の白でクリーンにまとめてもよし、黒で引き締めるもしくはオレンジでアクセントを加えるもよし。ネット投稿でも多くのスニーカー愛好者が色替えを楽しんでいるようですが、個人的にはデフォルトの白のままが最適解かと思っています。

メッシュ素材の印象

  • 通常よりも足首まわりに広くメッシュ素材が使用されており、通気性と軽量感がある反面、賛否の分かれるポイントに。構造的にはAJ5をよりスポーティーにアップデートした印象。


6. 総評

Orange Blazeは、「AJ5らしい戦闘機モチーフと、シャッタード・バックボードのカラー感をモダンに融合させた一足」。

  • 視覚的なインパクトは非常に強く、夜間でのリフレクティブ効果、鮮やかなオレンジミッドソールがファンからも高評価。

  • 戦闘機風ノーズアート・メッシュ仕様・鮮烈なカラーリングといった要素が、AJ5ファンやスニーカーヘッズのコレクションにおいて強い存在感を放つモデルと言えるでしょう。






2025年7月30日水曜日

【Nike Air Jordan 5 Retro Pre-Grape 】やはり2015年製は若干加水分解が進んでいた

 2015年に発売されたNike Air Jordan 5 Retro "Pre-Grape"(型番136027-405)は、ジョーダンブランドの30周年記念として、1989-1990年シーズンにデザインされたオリジナルの空気感を現代によみがえらせた復刻モデルです。発売日は2015年5月2日で、日本国内はもちろん世界中で注目を集めました。発売時の定価は約20,520円(税込)でした。


この2015年モデルの最大の特徴は、元々は発売されなかった「
ネイビー×グレープ」カラーのサンプルをレザーアッパーに変更し、製品化した点です。オリジナルのAir Jordan 5の開発過程でティンカー・ハットフィールドによって制作された当時の試作品(サンプル)は、アッパーに「デュラバック」という合成素材が使われていましたが、今回の復刻ではより高級感・耐久性を狙い、レザー素材に変更されています。この素材の変更によって見た目がワンランク上がり、耐久性も向上しました





カラーリングはミッドナイトネイビー(濃紺)を基調とし、ターコイズブルーとグレープ(紫系)をアクセントカラーとして配しています。シュータンは3Mのリフレクティブ素材が用いられ、強い光に反射して視認性とデザイン性を両立。側面とシュータンには半透明のメッシュ素材が使われており、通気性と軽量感を演出しています。ヒールにはホワイトのジャンプマンロゴがさりげなく配置され、オリジナルの雰囲気を引き継ぎつつもクリーンな印象を持ちます

デザインのモチーフはマイケル・ジョーダンのプレースタイルと第二次世界大戦中の戦闘機「P-51 マスタング」のノーズアート(機首に描かれたサメの歯の模様)で、ミッドソールのギザギザ模様にそのデザインエッセンスが落とし込まれています。ミッドソールはミッドナイトネイビーで統一され、ターコイズブルーでサメの歯模様が際立つ仕様。アウトソールは透き通った「アイシーブルー」(半透明の青みがかったクリア仕様)で、グリップ力と足の動きをサポートする深めの切れ込みも備えていま

構造的には、当時画期的だったマックスエアユニットをかかと部分に搭載し、高いクッション性と衝撃吸収性を実現。さらにレースロック(シューレースストッパー)によるフィット調整が可能で、実際のバスケットボールプレーでも十分に機能する設計です。これがストリートファッションでも人気の理由となりました

ユニークな特徴として、このモデルのシュータンは裏返して履くことを想定したデザインで、タンの裏側には「AIR JORDAN」の文字が逆さまにプリントされています。これはオリジナルの仕様を忠実に踏襲した遊び心あるディテールで



注意点としては、素材の性質上、経年変化によりアウトソールに黄ばみのような変色が起こりやすいことがある点です。これは日焼けや展示によるものではなく、製造からの時間経過によるものです。使用状況によってはソールの破損リスクもあります。さすがに2015年製なので、加水分解が進んでいるであろうと懸念していましたが、案の定、変色とベタつきはそれなりにあります。実際の着用には問題なさそうですが、ベタつきが取れるまで少し時間がかかりそうです。




デザイン性、機能性、歴史的背景のすべてが絶妙に融合されたモデルであり、オリジナルの革新性を伝えつつも現代のスニーカーヘッズやバスケファン、ファッション愛好家に愛される一足として評価が高いです。


2025年1月19日日曜日

NIKE AIR HUMARA QS は復刻ながら新しさしか感じない銘品

 一定の周期で昔流行したアイテムが再び脚光を浴びて再び流行するのはファッション界で法則化していますが、再流行したもの全てが良いものとは限りません。そんな懸念を払拭してくれるのが、このNIKE AIR HUMARA QSです。
ちなみにQSはQuick Strikeの略語で、意味としては「数量(少数)限定」です。つまり、気になっている人は、見つけたら即買いしたほうが良いという意味です。私も「気になっている人」の一人なので、即買いしちゃいました。
AIR HUMARAの位置づけは、一応トレイル・ランニングシューズ。
つまり、ゴツゴツした岩場みたいな場所や森の中を走るときに最適化されたランニングシューズですが、まあ日本の都市部ではそういった用途で使うことは皆無でしょう。

今回はUS10.5サイズを購入しました。爪先の余った感が際立ってしまうモデルなので、ジャストサイズにしておきましたが、やはり正解。普段選択することが多いUS11も試着しましたが、10.5の方が寸詰まり感も無くちょうどいい感じでした。皆さんも購入時にはご注意ください。

・デザイン全体
デザインは、Peter Foggというデザイナーさんが、バイクの車輪(リムの部分)をヒントにしてデザインしたモデルですが、NIKEにしては珍しくメカニカルな印象を受けます。ちょっと他のアウトドアブランドのトレッキングシューズのデザインを彷彿とさせる感じで、減点ですね。まあ好みの問題ですが、私見としてはもっとNIKEっぽさを出しても良かったのかなと感じます。

・トゥ~アッパー
見た瞬間に感じる印象は「スウォッシュロゴの存在感が薄い」という点です。
普段AJやAFを履くことが多いので、そのように感じてしまうだけかもしれませんが、とにかく「NIKE感」を感じません。まさに車輪のリムですね。


・ヒール
ヒールには多少ロゴの主張がありますが、まあ抑えめと言える範囲です。

・ソール
実はこのモデルの特徴はアッパーもさることながらアウトソールにあると行っても過言ではありません。アウトソールは、前方がZOOM AIRで後方がAIRという変わった構成です。他のモデルでは見かけないパターンですが、前後で別々のAIR技術が投入されています。


前方と後方で違うAirロゴがあってよく見ると変な感じですね。
ブロックパターンも似せてレイアウトされているので、ロゴ記載が無ければ見た目では分かりませんが、NIKE公式でも謳っているので間違いなく別々のクッションです。

・着用感
NIKEのAIR技術を惜しみなく使用していますが、グニャグニャした低質な柔らかさは一切ありません。これがNIKEの技術力の凄いところ。地面をしっかりホールドしつつ、足を前に運ぶ補助にのみ注力されています。なので、走破する力+足裏への負担がバランスよく保たれいる印象です。まさに「トレイル・ランニングシューズ」の極みといったところです。デザイン面では他社アイテムに似ていると前述しましたが、機能的にはこのAIR HUMARAが一歩リードしていると感じます。
くれぐれもお気をつけいただきたい点として、所謂「柔らかさ」はありません。AJやAFなどのバスケットシューズにあるような膝保護のためのクッション性をこのスニーカーに求めてはいけません。あくまでも足裏で地面を掴むためのホールド感を追求したモデルです。


少し悪口も書きましたが、総合評価は◎の逸品と思っています。
冒頭にも書きましたが、街中はもちろんネットでもなかなか遭遇しないアイテムですので、
「カッコいい!」と感じた人は、見つけたら即買いをおススメできる銘品です。
但し、とにかく柔らかいソールが好き、という足裏保護派の人にはそこまでおススメしません。あくまでも、総合評価と他人との被りを気にする人向けのレアなアイテムですので、ご注意ください。

2024年5月3日金曜日

NIKE TERMINATOR HIGH PRM は定番ながらもPRMの名に恥じない名作と認定します

 NIKE TERMINATOR HIGH PRMをご紹介します。
と書き始めましたが、私が紹介するまでもなく定番中の定番ですね。
Air JordanとAir Force1とDUNK HIGHに続く定番商品です。
ありとあらゆる媒体に詳細な解説が公開されていますので、私は私なりの解説、つまりは完全なる私見を書いていきたいと思います。

全体的にぼてっとしているのですが、フロントビューはそれなりに立派。
見た目が相当レトロ感を感じさせる仕上がりですが、なぜか古めかしい感じがしません。
アッパーの空気穴を見ると、どうしても真贋チェック(偽物はダミーの穴で、完全には開いていないそうです、見たことないけど)してしまいます。
ちなみに今回はスニダンで購入したので、チェック以前に本物ですが。

ちなみにカラーリングは、Phantom Blackに併せてPale Vanillaです。
そう、ただのWhiteではなく、Pale Vanilla。
毎回感じますが、カラー名称もNIKEはカッコいいですよね。
写真では分かりづらいかもしれませんが、アッパーの白い部分は、確かに白ではありません。まさしくPale、つまり青白っぽさを感じます。
トップの白い部分と同系ながら全く違う印象のクリーム色のアウトソールも、良い配色バランスです。


横幅があるのでぼてっとした印象を受けますが、甲高は比較的抑えめでその分だけシューレースはゆったり絞める感じですね。結果として、トップのホールまでレースを通すと結べないくらいしかレースは余りません。

構造的に「このスニーカーは、紐は結ばずゆったり履いてください」と言われているような気がします。開口部が開ききるような構造になってますね。結んで更にキッチリ締めたい人は、ちょっと苦労するかもしれません。


インソックは至ってシンプル。
レトロ感さえ感じるNIKEロゴのみです。
このロゴはネット上では「すぐ剥がれてしまう」と悪評が目立ちますが、ゆったり履くことが多いこのモデルならではの現象なのかも知れません。












アウトソールのパターンは全く変哲のないパターン。
ただ地面のホールド感はそこまで悪くありません。ほどよく掴んでくれている感じ。
そもそもエアーが入っていないので、クッション性はNikeの中ではあまり良くないレベルに属するかと思います。
アウトソールがそれなりに厚みがあるのに、クッション性がそこまで高くないのはNikeとしては珍しいですが、adidasのSUPERSTARやStanSmithに比べれば、硬さは感じないので快適に履けます。











個人的にはバックのこの大きなロゴがイマイチなポイントです。
ご覧の通り若干大きすぎる...。
まあ余り見える部分でもないので気にはしていませんが、フロントではないにしても余りにも大きすぎる印象です。












シューレースを黒白どちらにするかは相当迷いました。
元々は黒が装着されていますが、白も悪くありません。
結論として「付け替えるのが面倒」という安直な理由で、黒のまま使うことにしました。
この辺は好みの問題だとおもいます。












定番であるがゆえに街中で遭遇する頻度が高いTerminator High。
ただ、他人と被っていることが気にならないくらいの定番デザインなので、逆に新鮮さを感じるレベルです。そしてエージングが進むにつれて貴方独自の育ち方をしてくれるアイテムです。
財布に余裕があって、迷っているならTerminatorをおススメします。
大成功はしないかもしれませんが、間違いなく失敗はしない安定感は保証します。