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2024年4月21日日曜日

オーダースーツSADAでスーツを作ってみた感想(忖度なし)

 廉価をセールスポイントにしているオーダースーツのお店はたくさんあります。
もちろん私のイチオシのビッグヴィジョンさんにように、実際安くて良いものを提供してくれるお店もたくさんあると思います。

そんなお店を開拓するために、ちょっと有名店でスーツを作ってみる実験的な試みをしてみました。
作ってみたのはオーダースーツSADA。お店も結構たくさんありますしHP上でも2万円を切る価格を謳っており、若者向けのお店だとは思うのですが、どこまでの実力なのかチェックしてみました。
最近メディアへの登場機会が多く、雑誌やテレビで目にする機会が増えた会社ですが、決して新興ではなく創業60年以上の老舗で、本社も千代田区岩本町(テーラーが多いエリア)です。お店の増え方を考えると決して斜陽企業ではなく、むしろライジングサンのように成長しています。つまり、商売がうまいか顧客を離さない魅力があるということ。後者あれば良いのですが、前者であれば2回目はないつもりで実験していきます。


前置きが長くなりましたが、今回のテーマは「夏でも暑くないシックなスーツを極める」ということで、生地はErmenegildo Zegna(ゼニア)のCOOL EFFECT(クールエフェクト)を選択しました。




























これがなかなかの優れもので、肌触りはサラッとしているのですが絶妙な柔らかさを維持しています。また、太陽光を反射するような特殊な加工がされているらしく、陽光眩しい季節に着用してもダーク系の生地でも色による帯熱を感じません。
さすがZegnaが「Cool」という言葉を使って清涼感を印象付けているだけのことはあります。

こちらが全体像です。
いつも通りシングル3つボタンで、色は黒に近いダークグレーです。
チャコールではなくダークグレー、ネイビーではなくグレー。うーん、不満です。
これはダーク系のCool Effectがこれしかなかったからなんですが、本来であればダーク系だけで2種類くらいは欲しいところでした。




























夏用に作ってますので当然ですがベスト無しの2ピース(ジャケット背抜き)で、諸般の事情でチェンジポケットや切羽も付けませんでした。「諸般の事情」については、最後に言及したいと思います。

パンツ裾はダブルで仕上げたのですが、裏地が若干波打っており、その分だけ着用時に開口部分が微妙に広がってしまう...。他のショップでも時折見られる現象なんですが、初めてオーダーするショップで発生すると印象は悪いです。
マシンメイドなのですが、機械を操作するのは人間なので技量が出てしまう分ではありますね。




























勿論、個体差(担当者の力量の個人差)なのかもしれませんが、こういう細かい部分はマシンメイドでも徹底して修正してほしい点です。また、裏地と表地のツラが揃っていない部分も多少見受けられ、縫製に関しては及第点には達しませんでした。

切羽ではありませんが、ジャケット袖口のボタンの縫い付けは良い感じに縫い付けられています。また、開口はしていませんがダミーのボタンホールもきれいな仕上がりで、このあたりは満足しています。




























それ以外のラペル周りの縫製もきれいに仕上げられており、芯地のスタンド具合は甘いですがマシンメイドにしては十分合格ラインを超える出来栄えと言えます。
手練れの職人の手縫いでなければスーツのラペル周りを立体的に仕上げるのは難しいので、パターンオーダーのショップで要求してはいけませんね(苦笑)。

接客について少し記載しておくと、比較的若い人が接客してくれたのですが、嫌な感じはしませんでした。
こちらがスーツに詳しいと気づくと、大抵の場合は①嫌な顔or困った顔をされる②卑屈な態度をとる の2択なんですが、そんなことは全くなく、明るい感じで「スーツお詳しいですね!」と接客してくれました。また、細かいリクエストにもなるべく無料で対応しようとしてくれたり、確認に時間がかかっても焦ることなく落ち着いた接客で安心して話せました。
おそらく初めてスーツを作る若者でも安心して任せられるでしょう。むしろ初心者は任せてしまえば楽かもしれません。


まとめとして書かせていただきます。
前半で書いた「諸般の事情」の答え合わせが、今回の実験の最終的な解答になっています。
思っていたより価格が高すぎる。
つまり、生地代やオプション代が高すぎて、最低価格以上のものに手が出ません。
生地はどうしても好みのものが欲しかったので(というか、それを我慢したらスーツを作る意味がなくなるので)その料金は我慢しましたが、オプション代に関してはいかんせん高価すぎて切羽でさえつけられませんでした。
HP上で大々的に価格を訴求しておきながら、生地のバリエーション(ブランドやモデル等)を載せておらず、詳しい人間が自分の要望をそのまま実現しようとすると、生地は相当高い&オプション代はもっと高い、結果として高額となってしまうでしょう(ビッグヴィジョンの2倍くらいの印象)。

20代前半の初心者サラリーマンが最低価格(約2万+税)でオーダースーツを作るのであれば選択肢としては最適解の一つになるとは思います(勿論、生地の選択の幅は狭いです)。ただ、エントリー層以外の人たち、例えばオーダースーツを数着持っていて、少しは生地やスタイルにこだわりを持っている(or持ちたいと考えている)人たちには不向きです。

なので、「オーダースーツSADAは価格に釣られて行くならいいが、賢く良質なスーツを買いたい人が行ってはいけない」というのが私の感想です(辛口)。

2024年3月27日水曜日

Big Vision(ビッグヴィジョン)でパターンオーダーしてみた感想(その3)

 スーツ好きあるあるですが、同じようなデザインで同じような色で同じような柄のスーツを作ってしまいがちです。
私もご多分に漏れず、「濃紺、細身、3ピース」のスーツが多数あり、バリエーションの少なさに困ることがあります(自業自得ですが)。

そこで今回は意図的に普段は選ばない色調で生地を選んでみました。
ビッグビジョンさんは価格の割には生地のラインナップが多く、モノによっては時期によってなかったりするものもあるので注意が必要ですが、価格と自分のイメージを伝えればいい感じのものを探してくれるので便利です。そして別店舗にも捜索の手を広げてくれるので親切すぎます!

写真では分かりづらいと思いますが、グレー基調でうっすらとバーズアイっぽいラインが入ったものを選びました。




























「バーズアイ」=bird’s eye つまり「鳥の目のように小さい格子状の柄」を意味しています。遠目には認識できないけれど、柄が入っているのは認識できるレベルのさりげない柄がトラディショナル感を醸成してくれます。
元々はイギリス貴族が狩りに行く際に着るハンティングジャケットに多用されていたらしいので、バーズアイ自体は定番と言えば定番で、単に私が持っていなかっただけで世の中的には結構流通している柄ですね。

色調と柄はいつもとは全く違うものにしたのですが、それ以外のスペックは自分なりの定番で「3ピース、丸台場、チェンジポケット付き、細身」に仕上げています。




























ご覧の通り丸台場のラインもきれいに仕上げられており、ビッグヴィジョンさんの縫製力の高さを感じます。
生地ラベルが写っているので少し生地に触れておきますが、CANONICO(キャノニコ)のSuper120'sです。ただ、体感では100-110程度です。おそらく生地自体が柄を出すための織り分だけ厚みがあり硬さが出ているためだと思いますが、単純に「硬い」わけではなく、印象としては「芯がしっかりした柔らかさ」といったイメージです。
裏地はブルーシルクで落ち着いた印象にまとめました。少し派手目な色にしようかとも思いましたが、エンジとか白系にすると礼服っぽくなりそうだったので、抑え気味にブルーを選択しました。




























いつもお世話になっているビッグヴィジョンさんですが、唯一の不満はベストの仕様を決める際に必ず身頃の高さ(ボタンが付いている部分の高さ)を注意される点です。
私は高め(つまり喉元にベストの前身頃が近づいてくるイメージ)が好きなので、それを伝えるのですが、毎回「ボタンの間隔が空いてしまいますけど、大丈夫ですか?」と聞かれます。ご覧の通りそこまでスカスカ感もなく、個人的に違和感もないので毎回同様のオーダーをするのですが、毎回「大丈夫?」と聞かれます。おそらく教科書通りの接客なんでしょうが、「いい加減に覚えてくれー」と思います(笑)。

パンツ裾もいつもとは違い、シングルにしてみました。
トラディショナル感を出すためにダブルにするか相当迷ったのですが、シングル仕上げのスーツがあまり無いので、バリエーション優先でシングルを選択。ちなみに「細身」という部分は譲れず、今回も裾幅は18cmにしてもらいました。




























結果としては、ビッグヴィジョンさんにしては珍しい縫製ミスがあり、ウラ当ての生地が少し見えているような仕上がりになってしまいました(写真で見ると分かりづらいですが、左側部分の線が二重になっているところがそれです)。
ダブルであれば防げたわけではないと思うので、単に縫製担当者の技量が低かっただけだと思うのですが、ここまでノーミスで毎回オーダーをこなしてくれたビッグヴィジョンさんとしては残念な結果です。
接客してくれたスタッフさんからは「無料で修繕します」と言われたのですが、そこまで目立つ部位でもないので、そのまま受け取ってきました。

袖口は本切羽ですが、ここは糸のほつれなどは無く、全く問題はありません。




























完成品を見てちょっと後悔したのは袖ボタン。勢いでいつも通りの水牛ボタンを選んだのですが、本当は黒ベースのものにしてもっと主張しても良かったかなと後悔しています。
生地と同系色になってしまい、完全に埋没しているので、次回からの課題として気を付けようと思いました。


数回着用した印象としては、CANONICOのSuper120'sは思った以上に皺がつきやすく気を遣う生地でした。特に膝裏は注意が必要で、プレスは不要ですが、時々霧吹きで水分補給をしてあげないと皺が残ってしまうので、こまめにケアしています。ガーメントケースに入れたり、新幹線や飛行機で長時間座ることが想定される出張には不向きな生地です。
グレー調なので、当然ブルー系のシャツはマッチしません。シャツは基本は白一択です。


毎回100点満点のビッグヴィジョンさんにしては珍しく縫製が粗い部分があって少し驚きましたが、トータルでは生地も縫製もシルエットも全て満足しています。
コロナも落ち着いて出社する機会も増えていると思います。
新しい季節に新しいスーツを!とお考えの方には、ビッグヴィジョンさんはおすすめのオーダースーツショップです。

2019年4月28日日曜日

Big Vision(ビッグヴィジョン)でパターンオーダーしてみた感想(その2)

Big Vision(ビッグヴィジョン)さんでスーツを作って、ハマってしまう人は結構いると考えています。 理由を分析すると、 ①他店に比べて価格が安め。 ②スタイルが豊富。 ③こちらの希望を聞いてくれる。 と言ったところです。 勿論、接客や計測してくれるスタッフさんの技術や対応力にもよりますが、こちらがある程度しっかりした希望や価格イメージを持っていれば、相当に使えるお店です。 以前ご紹介して比較的好評だったので、ビッグヴィジョンさんのパターンオーダーを再びご紹介します。 ちなみに今回採用した生地はErmenegildo ZegnaのTROFEOです。 TROFEOという生地はとにかくバランスに優れた良い生地です。 生地の強さや光沢、柔らかさなどいくつかの指標で生地を評価した場合は、各項目で1位ではなくても、総合力で言ったら間違いなくErmenegildo Zegnaの中でも最高レベルのものです。
TROFEOという名称も、「コンテストでトロフィーを獲得」という意味でTROFEO(トロフィー)と名付けられていますので、高品質もうなづけますね。 通常、パターンオーダーでも15万円くらいする生地ですが、ビッグヴィジョンさんではキャンペーン時には49,800円で販売されますので驚きです。 毎度のことながら、キャンペーン時には何回に分けて抽選で販売されるのですが、毎回応募すれば大体希望の色柄のものが入手可能です。 ただ、一番人気の濃紺(単色)は毎回そこそこの倍率なので、どうしてもTROFEOで作りたい人は別の色柄にした方が良いかもしれません。 私の場合は、既に濃紺のスーツを数着持っているため、今回は紺ベースのストライプにしました。
ストライプの間隔は若干広めですが、ストライプの間にシャドーストライプが入っているのでアクセントになっていて、ノーマルなものよりも個性が際立って良いかなと考えました。 ストライプのスーツには、ストライプのシャツが使いづらい分だけコーディネートの幅が狭まりますが、スーツとしての主張が高まるので存在感は増します。 加えて、ストライプの幅にもよりますが、全体的にシャープに見せる視覚効果もあります。 上手くローテーションしてあげるとワードローブの主役クラスにもなり得るツールです。 今回の仕上がりにも特に問題箇所はありませんでした。 いつも通りに襟付きのベストとオプションAセット(台場/フルスティッチ/水牛ボタン/など)に切羽等を追加して合計7万円台半ばです。
ベストに襟を付けると首回りにボリュームが出て重心が上の方に来るので、全体的な見た目がスタイリッシュな仕上がりになりますね。

ベストの第一ボタン位置を若干高めにする好みのカスタマイズも忘れずにお願いしました(ボタンの間隔が少し空きますが、無料です)。

左サイドには「これでもか」というくらいポケットが付きます。


パンツの裾の仕上がりも特に問題有りませんでした。


襟まわりも雑な印象は受けません。


今回ちょっと気になったのが、袖口の本切羽です。


雑というほどでは有りませんが、裏地が絡む縫製は生地の質が違う部分だけに技術を要するパーツなので、若干当たり外れがあるかなと思います。

ちなみにスティッチについては、等間隔にキレイに仕上がっています。


ビッグヴィジョンさんの仕事の中で唯一の欠点は、通常の計測ポイント以外のカスタマイズについては、毎回お願いしないといけないという点です。
私は、①ベストを作る時には第一ボタンの位置を高めにする②パンツの裾幅は17cm程度 というカスタマイズを施すようにしているのですが、毎回伝えなくてはならないのが面倒です。

TROFEOは非常に良い生地ですが、唯一の欠点は、柔らかさゆえかシワになりやすい点です。 なので、出張などの長距離移動には不向きです。
シワを避けたい場合は、Ermenegildo ZegnaであればTRAVELLERが有名ですが、TRAVELLERは他のメーカーの防シワ対策済みの生地に比べてそこまでシワ防止機能が高くないので、要注意です!

2018年11月23日金曜日

Global Styleでパターンオーダーしてみた感想(その2)ミケランジェロ編

スーツをオーダーで作る際に、サイズ感以外で気をつけているのはスタイルです。 と言うのも、仮縫い付きのフルオーダーで作らない限り、メーカーによってスタイルに違いがあるためです。 ひどい会社だと、とんでもないおじさんスーツに仕上がったりします。 なので、どんな感じに仕上がるのか、特徴を見極めた上でオーダーするようにしています。 以前、Global Styleさんでオーダーした際に「細身が流行なんだろうけど、そこまで細くなくて、でもスタイリッシュっていう都合が良いモデルがあったら欲しい」と無理な注文をつけたところ、「ウチだったら、ミケランジェロっていう良いのがありますよー」と勧められて、ずっと気になっていました。
正式名称は、『ミケランジェロ・サルトリア』。
16世紀イタリアの天才ミケランジェロが作ったダビデ像(理想の男性像)みたいな体型の人が着るスーツと言う意味でしょうか・・・昔フィレンツェで見て想像以上の大きさに圧倒されたダビデ像を思い出しながらネットで詳細をチェックすると、シルエットもさることながら構造で勝負している感じ。1着作ったら話のネタに良いなと考えて、オーダーしてみました。
■いざオーダー作業 なるべく混雑している店舗は避けようと考えて、休日午前中に神田中央通り店に行ってみました。
神田といえばビジネス街=休日に人はいない、という安直な考えから選んだんですが、予想通りお客さんは私以外に一人だけ。 手が空いていた女性スタッフさんに、ミケランジェロに興味がある旨を伝えると、モデルの詳細を丁寧に説明してくれました。 ただ、まだ若いスタッフさんで、こちらがネット上で入手している以上の情報は余り持っていない・・・。採寸するわけでは無いので大丈夫かと考えて、「以前購入したことがあるので、そのデータを使ってください」と伝えると、「ミケランジェロは少し複雑なので、通常では測らない場所も必要なんです。なので、再度測らせていただきたいんですが・・・」と困り顔。 思わず「あなた測れるの!?」と聞き返しそうになりましたが、グッとこらえて笑顔で「じゃあお願いします!」と営業スマイルを返していました。 すったもんだしながら計測が終了して、生地選び。 いろいろオプションを付けて、ベストまで作ることにしたので、結構なお値段になっているだろうなぁと考えながらバンチブックで生地を選んでいると、どうしても高価なものに目が行ってしまいます。廉価なものはダサい柄のものばかり(Global Styleの欠点の1つです)。 知り合いから聞いた話ですが、格安にオーダースーツを販売している会社の多くは、生地メーカーが大手の百貨店などに卸した後の売れ残りの生地を安く仕入れているケースが多いので、どうしても安っぽい柄のものが多くなるようです(念のため書いておきますが、全ての生地メーカーのものがそうではありません。一部の生地メーカーのものは時期によって価格が大きく変動するので、価格が下がるシーズン後半に買い付けると、自然と選択肢の幅が少なくなる、というだけです)。 いくつか候補を選んでいると、ANGELICO(アンジェリコ)の良い感じのストライプものを発見したので、それに決めました。 ANGELICOは比較的若いメーカーで、紡績から染色まで全て自社工場でこなせるスーパーミルメーカーです。青の発色が美しい生地をたくさん生み出していて、光沢はそれほどありませんがSuper表示に関係なく手触りが良く使い勝手が良いイメージです。
ちなみに選んだ生地のsuper表示は100'sでした。












































約1ヶ月待って仕上がってきたのがこちらのスーツです。



デザイン的に結構大きなポイントがベストの肩から腋にかけてのカッティングです。
この状態で見ると、「ランニングシャツか!」と突っ込みたくなるのですが、立体的なデザインが施されているので、実際に着用すると、丸く抉られているラインがなぜかほぼ真っ直ぐに見えます。
パンツについても、極端なテーパード感はありませんが、履いてみると不思議と美脚なシルエットになります。
ちなみに裾は、18cmまで絞って貰いました。
■縫製には問題なし 国内の職人さんが一部機械を使って一部は手縫いで縫われているとのことで、縫製は非常に丁寧に仕上げられています。 見えない部分であるポケットの中やラペルの裏側、パンツ裾の折り返し部分などを中心に確認しましたが、粗雑な仕上がりは見受けられませんでした。
まずは裾周り、まあまあな感じの仕上がりです。少なくとも解れてしまうことはなさそう。
次にラペルスティッチですが、こちらも比較的キレイに仕上がっています。
そこまで彫りが深く見えないのは生地の問題ですね。ちなみにラペルに関しては手縫いで仕上げているそうです。


ジャケットのポケット周りもキレイに仕上がっています。

D管留め等は、オプションではありません。


切羽のボタンホールはキレイに仕上がっているのですが、裏地の縫い付けが若干雑な感じ。


襟裏の縫製も糸の飛び出しが数カ所あって若干雑に感じました。


■デザイナーさん渾身のスタイル はっきり言って絶妙なスタイルです。 全体のイメージについては、バランス的に上部に重心が置かれているため、本人の体型に関わらず美しい逆三角形が完成します(実際に痩せっぽちの私でも綺麗に肩幅を作れています)。 ジャケットは身幅に吸い付くように立体的な構造が完成しており、ベストについても、意図的に取られた脇下の余裕スペースによって腕周りの可動性を担保しつつスタイルを崩していません。 パンツの股上が浅すぎでは?とちょっと気になりましたが、下半身全体的に逆三角形の一部に取り込むためのデザインだと考えると、納得感があります(履きやすさを重視する方は1cm程度深めにしても良いかも)。

いつもパンツ裾を17.5〜18cm程度に絞るんですが、それも功を奏して程よいテーパード感が生まれています。 デザインもさることながら、構造的にも完成されていて、毛芯によってラペルの立ち上がりが良く、ラペル裾の立体的な広がり方も上品に仕上がっています。


トップループ方式のベルトループもオシャレです。

細身のスーツの場合、腰回りの可動域を確保するために必要な仕掛けです。


唯一の不満点としては、(私のオーダーミスなんですが)ブリティッシュなイメージを残すために、ベストの最上段ボタンの位置が若干低めに設定されている点です。

※特別に低いわけではなく、私の希望よりは低いという意味です。
あと1cmくらい高くても良かった。

ボタンの間隔が多少広くなっても、5cmくらい高い位置までベストが見えていた方が、ジャケットの前ボタンを閉めた際に、よりスタイリッシュに締まって見えたかも知れません。 ちなみにどこのオーダーショップでも、私のこの(ベストの最上段ボタンの位置を高くすると言う)オーダーには否定的です。
単純にボタンの数が決まっているので、前たてを長くする分だけボタンの感覚が空いてしまうことが否定的な理由なんですが、ボタンを1個足してでもなるべく前立てを長くした方が他の人との差別化が出来て良いんですけどね。

ブランドタグもグローバル・スタイルの他の商品とは違う特別なものが縫い付けられています。
■課題は価格か グローバルスタイルのHPでチェックする限り、5万円以下で作れると書いてありますが、ベスト(30%UP)を追加したり最低限のオプション(本切羽+台場+水牛ボタンなど)をつけると、結果として相当な価格になってしまいます。 ANEGELICO(ミドルクラスのイタリアンメーカー)でも総額で8万円(税込)を超えました。 もし、ゼニアやロロピアーナであれば12万くらいになってしまうと思われます。 フルオーダーであれば選択した生地に関わらず15万は超えるので、それに比べれば安価ですし、デザイン料や身体へのフィット感を考えると決して法外な価格ではありませんが、ちょっと勇気が必要な価格ですね。
パターンオーダー流行りなので、各社共に他社との差別化を図ろうと躍起になっています。
そんな中でこう言った形で自社特有のパターンと付随サービスを打ち出してセールスポイントにするのは、正攻法として十分成立しているなぁと感心します。
最終的な満足度は80点くらいです。

2018年11月16日金曜日

Big Vision(ビッグヴィジョン)でパターンオーダーしてみた感想

1年に1−2着のスーツを新調するんですが、最近ビッグヴィジョンさんのパターンオーダーにはまっています。
廉価で高品質なスーツを提供してくれる店には足が向いてしまいます。 ここから少し悪口です。
親会社のヨ◯ムラでも2回ほど作ったことがあるんですが、不思議とヨ◯ムラで作って、うまくいった試しがありません。 自分なりにその原因を分析すると、 ①パターン(スタイル)を選ぶ権利が無い(少なくとも聞かれない)。 ②熟練のスタッフさんが自信満々に自分の価値観を押し付ける。 ③客層が高年齢化しているため、流行のデザインに対する受容性が無い。 といったところです。つまり生地ではなく、全てスタイルに関する問題。 特に①については、一瞥して「このお客は、体型的に◯◯(スタイル名称)があってるな」と決めたら、客には相談しません。私の場合、肩幅はそこそこあるけれど。痩せ型なので、ブリティッシュスタイルは似合いません。なのに、肩幅と身長だけで勝手にブリティッシュスタイルを指定したりします。
最初に作った時は、仕上がった段階で相当パンツ裾が相当短く仕上がってしまい(通常、股下は88−90cmなんですが、この時は79cmでした)、直しを依頼しにお店に行ったら「今はこのくらいで穿く人が多いです」と言われて怒り心頭でした。 店員さんと話していても何となく「長年の経験を積んだ俺様が言うことが全て正しい」みたいな感じがします。 なので、ヨ◯ムラでスーツを作ることはオススメしません。 ※如何なる高圧的なアドバイスもはねのけて、自我を押し通すことができる方は、是非チャレンジしてください。 話をビッグヴィジョンに戻します。 もともとネット上ではあまり良い評判を聞かないビッグヴィジョンですが、イタリアの高級生地でも、そこそこの安さでパターンオーダーができる点や、シルエットのバリエーションが多彩な点に惹かれて興味がありました。 一度試して見ようと考えて作ってみたところ、縫製や採寸の正確性、スタイリングなど、他社と遜色ないレベルの仕上がりだったので、非常に満足しています。 最初に作ったスーツを元に簡単にレポートしたいと思います。 ちなみにこちらが完成品です。






■キャンペーン利用で安価に高級生地のスーツを作る 私が最初に作ったのは、Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)の生地を抽選で安く販売していたのがきっかけでした。価格は、シングルスーツ縫製込みで何と¥49,800。他にもいくつか生地の候補はあったんですが、生地代が安いので価格差があまりついておらず、どうせ作るのであれば良い生地で作ろうと考えてゼニアを選択しました。
抽選して2回目で当選しました。
この抽選方式がなかなかドキドキするんですが1回目で落選した時には「やはり安いから沢山応募があるんだろうな」と感じました。
※実際にお店のスタッフさんに聞いたんですが、1回目は応募数が多いけど2回目からは減るので当選確率が上がる、とのことです。「もしお目当の生地が抽選販売で出てきたら、諦めず何度も応募して欲しい」と言われました(但し、1回の抽選で応募できるのは1回だけ)。
生地の種類は、ELECTA(エレクタ)の濃紺です。Electaは耐久性が高くてシワになりにくく、微妙に光沢をあるので、高級感を醸し出すには最適です。

ELECTAについて不満はないんですが、ご注意いただきたいのが色調です。
間違いなく濃紺(ダークネイビー)なんですが、相当ブラックに近いです。
ブラックと並べると違いは歴然ですが、単品で見ると(もしくは他のメーカーのダークネイビーと比較すると)明らかにブラックに見えます。
写真で見るとチャコールグレイにも見えますが、ディープダークネイビーとお考えください。

■スタイルは選ぶのに困るほど豊富 店頭で悩むのが嫌いなので、ビッグヴィジョンのHPで選べてシルエットをチェックしておきました。 余り選ばれないであろうトリッキーなものを含めて、数種類あります。もちろん、仮縫い付きフルオーダーも可能ですが、おそらくヨ◯ムラに回されるでしょうし、バリエーションが豊富なのでそこからも十分選べます。モダンブリティッシュ系が人気とのことですが、私は少しオシャレに見えるようにV5モデル(コンケーブド・ショルダータイトモデル)を選択しました。
身頃はタイトに絞りながら肩口を盛り上がらせてボリュームを出すというフレンチスタイルです。
■オプションはセットが絶対的にオススメ 一般的なパターンオーダーのお店同様にオプションは豊富です。 ただ、ビッグヴィジョンの良いのところは、いくつかのオプションをセットにすると安価に追加できる点です。
正確に記載すると、カスタムAとカスタムBの2種類のオプションセットが存在します。
今回はカスタムAを追加しました。
セット内容は、丸台場(本台場)、本水牛釦、キュプラ裏地、ピックスティッチで、11,000円→6,000円というものです。台場は絶対入れたいと考えていました。

カスタムBだと、バルカポケットなど多くのオプションが含まれていて、17,000円→10,000円になるんですが、不要なものも含まれているので、カスタムAを選びました。ちなみに、キュプラの裏地については選択肢が相当豊富ですが、本水牛のボタンは光沢有無と柄で数種類しか選択肢がありませんのでご注意ください。
カスタムAには含まれていないんですが、本切羽も追加しました。
仮縫い付きのフルオーダーまでは行かなくても、自分なりにこだわったスーツを作りたい人はカスタムBがおすすめです。台場がついてくるだけでなく、ボタンホールの糸の色まで変えられるので、究極のカスタマイズを楽しめます。


またビッグヴィジョンの良いところは、ベストの追加料金が安価である点です。

他店では「生地代の30%」という設定が多いんですが、10,000円or12,000円という安価で、ベストかスペアパンツを追加できます。
今回のELECTAだと他店で15,000円くらいのものが10,000円で出来るので、お得度は高いです。 ■生地は高級なものに限る 今回は決まった生地の抽選なので、最初からELECTAに決まっていますが、生地の在庫はそこそこ多くて選択肢は豊富です。 最低価格は¥23,000なんですが、それでも7−8種類ありました。
しかも、Global Styleとは違い、安価なラインナップでも紺/ブラック/グレーの他に一般的なストライプと普段使い出来る生地が多いです REDAから始まる海外製生地(いわゆる舶来もの)に限ってみても、一般的な価格帯の中で選んだとして数十種類はあるので、予算内で好みの生地が見つからないということは無いでしょう。 私の場合は、キャンペーンで生地が決まっていましたが、バンチブックを見せてくれと頼んだら、大量の生地メーカーのものを見せてくれました。 ただ、10万円以上する高級な生地については余り動きが無いらしく、「キャンペーンで価格を下げた時に出るくらい」とスタッフさんは言っていました。 また、一般的な生地メーカーと高級メーカーで余り価格差が無いので、少し高価くても高級なものを選んだ方が、コストパフォーマンスは高いです。
バンチブックで確認した感じでは、ゼニア、ロロ・ピアーナ、ダンヒルあたりが高級ラインでは種類が豊富にありましたので、特別な仕入れルートを持っているのかもしれません。
■採寸の正確性 採寸してくれた若いスタッフさんは、若干慣れない手つきで採寸してくれました。正確に測ってくれているかどうかちょっと怖いなぁと考えていると、その気持ちを察したのか「万が一、採寸間違いで出来上がりが合わなかった場合、半年以内で3cm程度であれば無料で修正します」と言ってくれました。結果として採寸に問題はなかったんですが、縫製の段階で失敗するケースもあると思うので、「無料で修正」というのはありがたいポイントです。
結果としては気になる点は特に無くて、どの部位についてもほぼ完璧な採寸でした。
■縫製も評判よりはるかに上出来 最も気になったのが縫製だったので、細かくチェックしてみました。 1箇所だけ余り糸が飛び出している部分がありましたが、それ以外はほぼ完璧に仕上がっています。工場の場所を聞いたら、時期や生地によって海外(中国)と国内を併用しているとのことです。 運針間隔も比較的に正確ですし、オプションに含まれているラペルのスティッチも綺麗に仕上がっていました。
ネット上では相当に悪い書き込みが多かったですが、この辺は百聞は一見に如かずと言ったところです。 裾仕上げが若干雑かなぁと感じた以外はほぼ完璧でした。

靴擦れ防止の補強布がELECTAではない!
見えない部分なので全く問題ありませんが、コスト削減の一貫なのか、感心させられます。 作った後に採寸したデータをコピーしてくれ、とお願いしたら、笑顔で「良いですよ」と渡してくれました。 ビッグビジョンの他の店舗でも作ったことがあるんですが、作ったお店さえ覚えておけば、他の店舗でも電話1本で採寸データを取り寄せてくれるので便利です。 もし、スーツをオーダーしたいけど、価格で悩んでいる人がいたら、ビッグヴィジョンは間違いなくオススメのお店です。2−3カ月に1回くらいのペースでキャンペーンをやっているので、ビッグヴィジョンのHPをこまめにチェックしてみてください。

もしよろしければ、「Big Vision(ビッグヴィジョン)でパターンオーダーしてみた感想(その2)」もお読みください。


2015年7月8日水曜日

Global Styleでパターンオーダーしてみた感想

スーツは基本的に既製品は買いません。
極端な痩せ形長身に加えて腕が長いので既製品のサイズが合わず、以前は既製品購入後、袖を左右とも15-20mm出したり、ウエストを20-30mm詰めたりしていましたが、結局商品価格に5,000円くらい上乗せすることになっていたので、数年前からパターンオーダーのみに変更しました。
実際、最近安価なお店が増えたので、同じような生地レベルで価格もほとんど変わらない(下手したらオーダー店のほうが安かったり)で購入できています。

今回は、全国的に店舗展開するGlobal Style(グローバルスタイル)でパターンオーダーをお願いした感想を記載します(時期は1年近く前ですが)。

接客
たくさん店舗がありますが、私は神田店でオーダーしました。
ネット上では、良い噂と悪い噂の両方が飛び交ってますが、接客はそれほど悪くなかったです。
場所柄年齢がお高めのお客さんが多いからか、言葉遣いも非常に丁寧でラインナップや価格の説明にも嘘偽りが無く、生地を選んでいる最中も嫌な顔一つせずにじっくり付き合ってくれて、非常に好感が持てました。


店内の様子と品揃え
神田店は、それほど広くありません。間口が狭く店内は奥に細長くなっていて、両サイドに商品(スーツ生地/シャツ生地/バンチブック/小物類など)を陳列していて、中央部にも所狭しと生地が置いてあるので有効スペースは狭いです。
購入前提のお客さんが2-3組くると、それだけで次のお客さんは長時間待たされるハメになります(私は飛び込みだったのですが、平日昼間だったのでお客さんは1組だけでした)。

スーツについては2-3万円台の低価格のものはそれほど品揃えも多く有りません。多くは、5-7万円の中級レベルか10万円以上の高価格帯の商品です。

イタリアの所謂「高級」とされるZegnaやLoro Pianaも割とたくさん置いていて値引きも結構されていますが、値引きされているものはキワモノ系の柄だったり、昨年以前のもの(型落ち)だったりするようです。
低価格のものは国産生地で化繊混紡(一部ウール100%)、2着で47,000円(税抜き)→1着23,500円からあります。
次が国産ウール100%(一部化繊混紡)で1着3万台半ばくらいです。
但し上記2種類の価格帯だと、選べる生地は暗め(黒or紺)と明るめ(グレー系)であわせて10種類しかありません。その中でもビジネスで使えそうなものは6-7種類ですね(最低価格帯だと更に半分に絞られます)。
良かったのが、違う価格帯からでも2着買えば両方とも半額処理される点です。
結論、最低価格のもので濃紺(ストライプ)1着と次の価格帯のグレーで計2着仕立てました。

仕上がり
2着仕立てたうちの片方だけ写真をupしますが、正直なところ可も無く不可も無くといったところです。
いくつかあるスタイルの中で、モダンブリティッシュというスタイルを選びました。
英国調を現代風にアレンジしたスタイルで、ジャケット裾のカッタウェイが特徴です。

私のオーダーの仕方が悪かったのかもしれませんが、以下が気に食わない点です。
①ジャケットのウエストが思ったほど絞れなかった(出したかった細身感が出ていない)
②パンツの裾が激しくもたつく(テーパード感があまりありません)
※受取時にレインブーツを履いていたので、2クッションくらいに見えますが、実際にはハーフ〜1クッションくらいです。
他の人に見てもらってもなかなか伝わらないポイントですが、上記2点については不満が大きいです。

以前オーダーして2度と利用しないと決めたヨ○○ラほどではないですが、店員さんの「××は、これくらいにしておいたほうが無難ですよ」という言葉に従った部分が気にいらないというのは寂しいかぎりです。
従った自分が悪いのですが、そもそも無難な既製スーツでは合わないからオーダーしに来ているので、もうちょっとこっちの温度感をくみとって欲しかったです。
※ちなみにヨ○○ラでは、かなり強く要望したのに至る所にお店の意向を反映させられて、全く自分の趣味ではないオヤジスーツを作らされた苦い思い出があります。

総括
接客:◎ 採寸:○ 価格:△ 品揃え:× スタイル:△ 縫製:△ 
総合で70点(合格ライン:80点)くらいですかね。
ネット上で噂されている「縫製の悪さ」は、それほど感じませんでした(実際1シーズン着用しましたが、ほつれ等は特に見られません→特別に丁寧でもありませんが)。
いくつかのオプション(本切羽等)代込みで2着で税込み支払額が70,000円を少し超えるくらいでしたので、合格点はあげられないです。
オーダー初心者のかたには良いかもしれませんが、ある程度オーダー歴があってこだわりをもっているかたには不向きかもしれませんし、その場合は自分の希望はキッチリ伝えたほうが良いでしょう。
オプション代が結構高くて、少し驚きました。

編集後記
このスーツを作ったあと、実はグローバルスタイルで再チャレンジしています。同社イチ押しのミケランジェロというスタイルでも1着仕立てたので、またご紹介します。