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2022年2月9日水曜日

Just Cavalli(ジャストカヴァリ)のレザージャケットは気品があるデザインと優しい素材で勝負服になる革ジャン

Just Cavalliは、Robert Cavalliのコンテンポラリーラインとして2000年に創設され、2003年からコレクションを発表しています。

Robert Cavalliは、トスカーナマッキア派の高名な画家ジュゼッペロッシを祖父に持ち、両親とも美術関連の職に就くという芸術一家に生まれ、自身の名を冠したブランドであるRobert Cavalliを斬新なデザイン性により世界的な人気ブランドに押し上げた推しも推されぬ名デザイナー。

「コンテンポラリーライン」というと「母体となるブランドよりは格安で、格としては数段落ちる」と感じる人は少なくないでしょう。私は若干意見が違います。ブランドによっては、チーフデザイナーではない別の社内デザイナーが適当に終わらせているケースもあります。ただ、それもブランドごとに傾向がちがっていて、また母体ブランド自体の格にもよります。

Just Cavalliの場合は、母体同様のレベルで仕上げられており、計算/構築されたデザイン的な特徴はRobert Cavalliファンを納得させる完成度になっています。


そんな優秀なブランドであるJust Cavalliのレザージャケットをご紹介します。

羊革で柔軟性に富んだ仕上がりになっており、イタリアンブランドらしく細身のシルエットかと思いきや・・・身幅は53cmくらいあり、そこまで脇を絞った感はありません。柔軟性の分だけフィット感が増していますので、そこまで寸胴な感じはしませんが、イタリア人の攻めた細さが感じられないのは若干肩透かしです。










 








首周りは襟なしですが、硬さが全くと言っていいほど無いので「スタンドカラー」とは言えないレベルの立ち上がりです。ストール等をインナーに仕込んで、少し立ち上がるようにしてあげたほうが良いかもしれません。








 










続いて裾周りですが、この辺はJust Cavalliの勝負どころです。
裾にレザー編み上げの手の込んだ意匠を取り込んでおり、武骨さの中に繊細なデザイン性を混在させて、希少性を高めています。
まあ確かにこれのおかげで他の人とソックリ、みたいなことには絶対ならないでしょうし、「どこのブランドだろう」と一瞬考えさせる効果は期待できます。
ちょっと残念なのが、編み込み部分が幅広にとられているので、その分だけ着丈が伸びてしまっている点です。計測してみると65cmくらいあるのですが、あと3cmくらいは絞って欲しかったところです(もちろんプロのデザイナーが計算してやっているわけですが・・・)。









肩部分にあしらわれたショルダーパッチ的な当て布は個人的には好きなデザインです。
首から肩と袖先を結ぶキッチリしたショルダーラインよりも、肩のラインをぼやかした方が優しい雰囲気が醸し出され、ブランドが持つフェミニンなイメージを踏襲していることに成功しています。同時にカフェレーサーっぽさも出ていて良い感じですね。










 









ファスナーのフック部分には当然ブランドネームがあしらわれていますが、単純にネームを入れるだけでなく、ロゴにしているあたりは手が込んでいます。ファスナーの滑りは新品時は若干硬めですが、使っていくうちにこなれてきて欲しいです。

袖口は若干フレア気味ですので、窮屈さは全く感じません。このフレア加減が絶妙で、決して広がりすぎずまとまりすぎずの程良いフレア感です。ファスナーを完全に閉じてしまった状態でもフレアは維持されますので、基本は閉じて使うものだと思います。























内ポケットの収納力はそこまで高くありません。薄めの財布やスマホが入って終了ですね。全体的にそこまで細さを強調しているわけではないので、内ポケットに何か入れたらシルエットが崩れるということはありませんのでご安心ください。









 









裾の編み込み部分を背中まで完全に通さなかったのは、デザイナーの力量の現れですね。 これによって、ハードな印象が相当薄らいでいますし、柔軟性も担保されることになっているので、グッドデザインと感じています。



外から見えるという位置には、背中に別レザーをかぶせる形でエンボスロゴをあしらっています。この辺のさり気なさが上品で素晴らしいと感じています。







 







良いことしか書いていませんが、それくらい完成度の高いレザージャケットです。そこまで好きなブランドではなかった Jsut Cavaliですが、今後は他のアイテムにも注目してみていきたいと思います(メンズのラインナップが少なめなのが寂しいところです)。

2020年6月5日金曜日

Mackintoshのステンカラーコート(GM-006F)はスーツとの相性が抜群

Mackintoshのコートと言えば、所謂『ゴム引き』が有名ですが、最近ではロロ・ピアーナの『ストーム・システム』の方が人気のようです。 私自身もゴム引きコートを最近廃棄してストームシステムのコートに乗り換えました。 それが、このステンカラーのコート(Model:GM-006F)です。
膝丈のコートは1着持っていると使い回しがしやすくて、非常に便利です。

最初からけなしているようで嫌なんですが、防寒性はそれほど高くありません。 ただ、カジュアルではなく、オンスタイルでスーツの上から着用することを前提にデザインされているので、そこまで防寒性能は必要ないと言う判断なのかもしれません。 また、『ストーム・システム』と言うだけあって風対策はキッチリしており、高気密に織られたウール生地はほとんど風を通しません。 そのため、ダウンのような保温性は皆無ですが、一応ビジネスコートとしての最低限の防寒はできています。 スタイルとしては上から下まで細身にまとまっており、フレア感もありません。 私は身長183cmでサイズは40を着ているんですが、体格によっては42とか44が良いかもしれません。 スーツの上から羽織ることを想定してデザインされていることを考えると、ジャケットの分だけ膨らむわけですから、英国製のデザインアイテムとしてはちょっと珍しいくらいのスタイルだと思います。 ※イタリアンファッションでは普通のことですが・・・。
このコートの唯一の問題点は内ポケットが無いことです。
購入時にチェックし忘れて後から気づいたんですが、内ポケットが無いと一部のアイテムをのぞいてスーツに収納することなりますので、結構使いづらいです。
スーツでなくて、ジャケットも来ていないと、トータルの収納力は相当落ちますので、注意が必要です。

首周りはステンカラーと言うこともあって、大分スッキリしています。



ボタンには相変わらずブランドネームの刻印があり、しっかり主張しています。
水牛とかではないかもしれませんが、それなりの高級感はあります。
できればもう少し色の濃淡があったら良かったかなと感じます。


袖周りはベルトで抑えられており、実際にボタンで調整することはありませんが、アクセントとしては正統派英国ブランドらしい演出です。


ベルトのバックルは、おそらく木製かプラスチックのベースを周囲を革でカバーリングする形式を採用しています。細身でシンプルですが、地味ながらも質実剛健な英国紳士の雰囲気を醸し出しています。



最近の高級ダウンの大流行で、影が薄くなってきているMackintoshですが、ロロ・ピアーナの『ストーム・システム』を採用したことで、ゴム引きから新境地を開きつつあります。
今後も伝統を守りつつ、大胆な挑戦を続けて欲しいと思います。


2019年4月19日金曜日

Burberry BLACK LABEL のマリンコート

スーツの上から着用するコートって、なかなか個性が出しづらいです。 一般的なチェスターコートやダブルトレンチは持っているんですが、一般的な形であればあるほどオシャレ感は出なくなります。ただ、突飛なコートになると周囲から白眼視される始末。 そんな時に大活躍してくれるのが、こちらのBurberry BLACK LABEL のマリンコートです。

■マリンコートの定義 簡単に言ってしまうと「船員や海軍の士官が着用するコート」となります。兵卒ではなく士官なので、作業したりはしません。なので丈が長くて動きづらくても問題ありません。また、冬の海=周囲に建物が無いので風が直撃して体感温度が極端に低い、という図式から防風性能を高めています。但し、ダウンだと水に濡れると惨憺たる状況になってしまうため、生地の厚みで勝負しています。よって、保温性はそこまで高く無いので、インナーにニットなどが必要です。
これが一般的なマリンコートの定義ですが、Burberryのマリンコートも、ほぼそのまま定義を踏襲しています。
生地自体は相当厚めのメルトンなので、防風性能は非常に高いです(SchottのPコートを思い出します)。
■全体的なスタイル シルエットは一般的な細身のコートです。 縦型のポケットは手を突っ込みやすく使い勝手は良いですが、間口が広めで内貼りに起毛性は無いので防寒としては適していません。まあ通常冬の海ではグローブ着用が基本なので当たり前ですが。
このポケットの長所は性能よりも秀逸なデザイン性にあります。
ご覧の通り、入口部分で緩やかにカーブを描いており、たかがポケットにもこだわったBurberryの意思が感じられます。

ラペルが無くステンカラー仕立てになっていますので、スーツの上から着用してもソリッド感があって、オヤジ感が全くありません。しかも、丈もそこそこあるため変なモード系コートにも見えないので、大事な商談に着て行っても違和感はありません。

■目立ちポイント 襟元のチンベルトと腕のBurberryロゴが、まず目に入ります。 チンベルトは通常は使いませんが、アイテムとして目立つのでワンポイントで目を引く効果があります。

もう1点目立つのが、左腕に刺繍されたBurberryのロゴです。
お馴染みのペガサスロゴが綺麗に刺繍されていて、しかも主張しているのはこの部分だけなので、シンプルで好感が持てますね。
ボタンは全てシルバーで、ボタンホールの糸もシルバーに近い白なので非常に目立ちます。
ちなみに、ボタンには全てペガサスがあしらわれており、粗野な中にもエレガンスさが際立ちます。


袖口にも5つのボタンが配されており、全て外せる本切羽仕様です。
私は一番袖口に近い1個だけ外していますが、あまり外しすぎると袖口が広がってダサい感じになりますので、要注意です。




一般的なコートはON/OFFで着回しが効きづらいアイテムですが、このBurberry BLACK LABEL のマリンコートはビジネスで使ってもカジュアルで使っても、比較的シーンを選ばないスグレモノです。

2018年12月20日木曜日

MoorerのMorrisは気品溢れる存在

イタリアのVeronaで生まれたMoorerは、ダウンアウター業界に旋風を巻き起こし、欧米や日本で瞬く間にプレゼンスを向上させました。
個人的には、10年くらい前からイタリアを初めヨーロッパを旅行した際には必ず現物をチェックしてチョコチョコ集めていましたが、今年になって銀座に直営店がオープンしたり急に日本でも注目され始めました。 Moorerの中でも、なぜか日本ではあまり注目されないMorrisをご紹介します。



Moorerの商品名には、モデル名の後に外側の素材を表した文字が入ります。 KM:ポリエステル LL:ウール&カシミア みたいな感じです。 こちらのMorrisは、「L」と一文字ですが、ウール&カシミアです。 ご存知の方も多いと思いますが、このウール%カシミアは、かのLoro Piana社謹製の生地で風雨に強い高密度なものに仕上がっています(いわゆるStorm Systemですね)。
色はBlu(ダークネイビー)で、Nero(ブラック)とどちらにするか相当迷ったのですが、結局Bluにして良かったと感じています。 日本ではSIROが人気のようですが、SIROの丈を長くしたのがこちらのMorrisです。 前述の通りSIROに比べれば注目度が低いMorrisですが、ヨーロッパ(特にイタリアとロシア)では断然Morrisの方が人気が高いそうです。 価格差は(若干Morrisの方が高いですが)それほどありません。 Webに掲載されていたMoorerのexecutiveの話では、気温差と気品に対する考え方の違いの2点を日本とヨーロッパの売れ筋の違いの理由と分析していました。 つまり、(北海道を除く)日本より気温が低いヨーロッパでは丈が長い方が好まれ、丈が短いSIROはコートというよりジャケットなので、防寒用として着用するにはフォーマル意識の高い欧州人にはフィットしない、という話でした。 一理ある気もしますが、私はもっと簡単に、Morrisの存在があまり知られていない、ということでは?と考えています。 デザインや機能的には完成された感のあるアイテムですが、いくつか特徴をあげてみたいと思います。
■縦長のキルティングで細身アレンジ シルエットは全体的に細身に仕上がっています。他にもいくつかMoorer製品を持っていますが、どれも基本的に細身です。 ただ、ダウンの移動を防ぐためのキルティングが縦長に施されているため、余計にスリムな出来映えになっています。


■首回りのラビットファーは貴族の出で立ちを演出 首回りのファーはスナップベルトを締めると防寒性を著しく高めてくれます。

ラビットなので、そこまで高級感がある訳ではなありませんが、色が濃いめなので、そこはかとない気品を感じます(欧州人にはきっと受けるポイントだと思います)。 前立ての胸位置には折り返す見えるようにMoorerのロゴが配置れており、ブランドの主張も忘れてはいません。
■収納力には隙が全くありません 私がMoorerのアウターを好きな理由の一つがどのアイテムにも共有して言える収納力の高さです。 Morrisに限って言えば、前面にジッパー付きハンドウォーマーとフラップ付きポケットが合計4つ。内ポケットは向きを変える形で両サイドに1つづつと右裾にはボタン付きポケットの計3室。また左腕にもジッパー付きポケット(実用性は乏しいですが)があり、収納について困ることはありません。
裏地の素材はナイロンとポリアミドですが、ゴールドの色合いが非常に綺麗です。

胸のハンドウォーマーにジッパーがついているのですが、これが個人的にはお気に入りです。

前立てのジッパーとボタンを締めると内ポケットから物は出せないので、ここに財布とかを入れておくと誤落もないですし、非常に便利です。
インナーにジャケットを着るとそこにも収納が生まれますので、全て使用する訳ではないのですが、これだけ豊富に収納スペースがあると利便性は格段に上がります。
■防寒性能は日本では十分な高さ 左裾内側にMoorerお約束のダウンの品質保証表示と気温対応表が配されています。

いつもこれを見て思うのですが、数多くあるアウターブランドの中で、防寒性能に関するMoorerのポジションはそこまで高くありません。
これは、防寒性能を上げるためにダウンの量を増やしてスタイルを崩すことを嫌った結果だと思いますが、少なくとも日本国内(特に東京)では何の問題もありません。
北海道の極寒エリアではさすがに辛いかもしれませんが、国内在住の多くのMoorerファンは防寒性能について特に不満を持ってはいないでしょう。

対応している気温は、対応表を信じるのであればおそらく−20℃ですが、さすがにその気温であればこの量のダウンでは心もとない感じだと思います。
ちなみに中綿は、ギリギリまでダウンを増やしたダウン95%+フェザー5%という構成ですので、総量に対する保温性は相当に高いです。


付属品として、説明小冊子とスペアボタンが付いています。


この小冊子は英語やイタリア語以外に日本語での記載もあります。
Moorerとして、日本のマーケットを重視してくれているのはちょっと嬉しいですね(直営店があるくらいなので、当たり前と言えば当たり前ですが)。

東京でも最低気温が氷点下に落ちることがありますので、12月から2月まで大活躍してくれるアウターの4番打者間違いなしのアイテムです。

2018年12月7日金曜日

Y-3のジャケットはハッカーファッションの基本中の基本

『MR.ROBOT』というハッカーを主人公に据えた海外ドラマにはまっています。神経衰弱ハッカーが周囲を巻き込みながら、自分も大事件に巻き込まれていくという話です。 はまっている理由は至って簡単で、技術的な考証がかなりハイレベルだからです。ちらっと映るGUIやコマンドラインとかも全て実際のものを忠実に再現している点に感動しているためです。主人公が使っているOSがLinuxというのも、芸が細かいところですね。
シーズン4で終了してしまうようで非常に残念ですが、長々意味もなく続いてしまうよりもスパッとシーズン4くらいで終了してくれる方が気持ちいですね。 ハッカーのファッションというとモード系のものが多く、手持ちのワードローブの中にはあまり無いのですが、唯一「ハッカーっぽいかな」と感じるのは、Y-3です。
アディダスと山本耀司のコラボレーションによって生まれたブランドであるY-3(ワイスリー)。2018年で15周年を迎えるんですが、そんな長期間やっている感じは全くしなくて、常に最先端を走り続けているところが、スゴイです。 余談ですが、DCブランドが流行った頃に、Y's for Menの服だけは高校生の私には高価すぎて手が出ませんでした。大人になって少し経済的な余裕ができたことをきっかけに、Y’s(通称:ワイズ)とCOMME des GARCONS(通称:ギャルソン)の服を大人買いした経験があります。 言わば、山本耀司さんや川久保玲さんは憧れの人だったんですが、その山本さんがスポーツブランドとの異色コラボしているY-3が、ここまで長続きするとは思ってもいませんでした。 しかも、変にコラボ先であるアディダスに媚を売るようなことはしていません。Y-3はY's for Menをスポーティーにデフォルメしているだけで、あくまでも山本ワールドを保持しています。 Y-3については特別肩入れして購入している訳では無いので、それほど持っていませんが、衝動買いしたジャケットがこちらです。



このジャケットのお気に入りの点は、身幅が狭く腕丈が長い、そしてストレッチの効いた素材感です。 体にジャストフィットしていて動きやすく、淡色のボトムス&濃色(黒とか)のインナーと合わせると、相当にスタイリッシュな出で立ちが完成します。 勿論スリムなデニムと合わせても全然OKで、意外に幅広なコーディネートが可能です。

また、トップ以外の前立てボタンが比翼仕立てになっているのも芸が細かいですね。









































内ポケットが無いのと、腕の微妙な位置にY-3ロゴが入っているのが気になりますが、内ポケットが無いのはシルエットを崩さないためでしょうし、腕のこの位置だからジャケットにこのサイズでロゴが入っていてもそれほど気にならないのかなと考えると、まあ許容範囲かなと思います。
胸ポケットや右側のチェンジポケットはジッパー仕様になっていますが、あまりスペースが無いので装飾的な意味が強いと思います。




若干着丈が長いのもY-3の特徴で、シルエットを綺麗にまとめるためのデザインですね。
ジッパー仕様の袖も、ジャケットとしては他ではあまり見かけないデザインです。
ややedgeが効きすぎている感はありますが、レザージャケットっぽく仕上がっています。













































商品としてはスニーカーやバックパックが人気なようで、街でY-3のジャケットを着ている人に出会ったことは今のところありません。 他人との被りを気にする方には、うってつけのアイテムだと思います。

2018年11月18日日曜日

Garrettのスェードレザージャケットは衝撃の手触り

イタリアのフィレンツェに本拠を置くGarrett(ギャレット)は、元々は様々なブランド(主にPRADAやD&G)にレザー製品(特にジャケット)をOEM供給していた老舗メーカーです。
元々はMARCELLO PAMPALONIという社名だったのですが、自社ブランドを世に出すようになってからGarrettに変更しました。

最近では日本のセレクトショップでもチラホラ目にする機会が増えてきたGarrettですが、今回は
スェードレザーのジャケットをご紹介したいと思います。




昔、フィレンツェを旅行した際の感動を思い出して、「あんな素敵な街並みにある会社だったら、さぞかし古式ゆかしい店構え何だろうなぁ」と考えて、住所を調べてストリートビューで社屋を確認すると、何とこんな感じ。

フィレンツェと言っても完全に郊外で、中心地から約30kmくらい離れています。しかもコンシューマー向け店舗のいくつかと雑居した平屋ビルの一区画を借りているようです。イメージしていた社屋とは全く違っていて驚きました。

■防寒性とスタイルを見事に両立
レザージャケットはタイトな身頃をセールスポイントにしている商品が多いので、中綿入りのものが少ないです。そしてその分だけ防寒性が低いのが欠点です。
ただ、このジャケットは適量の中綿をキルティングで縫いこむことによって、防寒性を高めています。

もちろん、最近の高級ブランドのダウンジャケットは、フィルパワー800以上の高品質なダウンを惜しげも無く仕込んだものが多いので、本当に防寒性/保温性を追求しようと考えたら完敗です。
ただ、11月から12月初旬や3月(の10℃前後の気温)であれば、全く問題ありません。
しかも中綿の量の調整が絶妙で、スリムなスタイルを全く崩していません!
この辺はイタリア人ぽいこだわりだなぁと感心させられます。

■スタイル
Garrettのジャケットは比較的細身な作りです。と言うか、イタリアの最先端ファッション(PITTI UOMOとかに出展するブランドのもの)は細身のものがほとんどです。
私の中ではSchottなどに比べるとVANSONも細身の部類に入るのですが、VANSONに比べると全ての部位が細身になっているので、体型によっては他のブランドに比べると若干窮屈に感じる部分もあるかもしれません。
米国産のものは良くも悪くも二の腕部分が太めに作ってあるケースが多いです(おそらくアメリカ人の体型の影響)。
Garrettのこのジャケットの場合は、二の腕も肘から先も全て細いので、シャツを着てニットを着ると二の腕の動きが制限されるくらいに窮屈に感じます。なので、インナーは相当制限を受けます。
私も通常は、シャツかカットソーくらいしか中には着ないようにしています。
腕の途中に縫い目を入れて立体的な動きに対応しているところは芸が細かいですね。

■触ったことない革質
スェードの生命線は触感(手触り、肌触り)と考えています。その点では、Garrettスェードは最高級です。柔らかく滑らかで、(ちょっと昔のCMのようですが)シルクのような手触りです。
今まで私が触ったことがあるスェードは、全て毛羽立った表面が特徴的で決して手触りの良いものではありませんでした。しかし、Garrettのものは全く違います。
最初は「革が薄いのか?」と思ったんですが、確認すると革の厚みは十分あります。と言うより、廉価な某隣国製品と比べれば、逆に厚いくらいで、VANSONと比べても全く見劣りしません。
世界中のスェードを触ったことがあるわけではないのですが、間違いなく最高級品のレベルです!

品質を高めている理由の1つは間違いなく鞣し工程にあります。
ご覧の通り、イタリア植物タンニンなめし革協会のお墨付きである『VERA PELLE』の称号を獲得しています。

同協会はイタリアのトスカーナ州にあるタンナー23社で構成された由緒正しき団体で、常に工法の開発と品質認証を行なっています。
鞣しや染色など一貫して自社で行なっているGarrettも当然加盟しています。
ベジタブルタンニン鞣しにもいろいろ違いがあるとは思いますが、レザー加工の本場であるイタリアの業界団体が認めた品質だからこそ、この柔らかさや温もり、手触りが実現できているのかもしれません、

ただ、若干難点もあります。余りにも柔らかすぎて、変な形で形状記憶してしまうことが多々あります。
特に以下の写真のように襟部分が反り返ってしまい、元に戻すのに大きめのクリップで数日抑える必要があったりします。
なので、保管時にはちょっと気を遣ってあげる必要がありますね。

■機能的にも手を抜かないイタリア人のレザーアイテムに対する半端ないこだわり
ポケットは両胸に1つづつ、あとは腰位置の両サイドにハンドウォーマーがあり、内ポケットは形状違いで両サイドにあります。
胸ポケットは若干小さめなので、小銭入れくらいしか入りませんが、ホックで入口が止められるのは割と安心です。


内ポケットは形状を変えて2つ備えてあるので、収納力は相当高めです。



しかも左の内ポケットはジッパー付きですから、財布とか重要なアイテムの収納には最適です。

また、袖はジッパー方式で絞れるようになっていて、前立てと同じような中型スライドフック付きです。

結構豪華なフックなので、揺れた際の音がしっかりしていて存在感を示しています。
前立てのジッパーはダブルなので、閉めたまま座る際などは非常に便利です。


両サイドのハンドウォーマーの端にリベットを打ってるところは、堅牢性を高めるという機能美よりもGジャン感を出したかったのかもしれませんね。



天神ワークスのJS02とかVANSONはどうしても重厚感がありすぎて困る時があります。
ウールやコットンのパンツに合わせづらいと言うか、デニム優先になる傾向があります。
その点、同じレザージャケットでもGarrettのスウェードジャケットは、スウェードの温かいイメージとレザー特有のハードなイメージを共存させているので、コーデの幅が広いです。
しかも手触り最高で柔らかい仕上がりになっているので、カジュアルウェアとしては気温が許す限り、着用頻度を上げたい逸品になっています。