2020年2月24日月曜日

脇腹のえぐり方が半端ないSHETLANDFOX KensingtonⅡ

今回ご紹介するのは、SHETLANDFOXのフラッグシップモデルであるKensingtonの後継モデルあるKensingtonⅡ。
価格的には国内ドレスシューズとしては最高レベルの6万円超え(アッパー素材やモデルによって差異あり)ですが、その価値はあります。


実はこの靴は相当な曲者で、一般的なシューツリーを受け付けません。
履いてみると分かるのですが相当内側に傾いており、それ故に履きやすいのですが専用のシューツリーでないと形が崩れてしまうためです。
検討し始めてから購入するまで時間がかかったのですが、それもシューツリーが欠品していたためです。
数カ月待ってから自分のサイズのシューツリーが納品されるのを待って、やっと購入に至りました。


上記の写真を見ると、シューツリーの向きと靴先の向きが若干食い違っています(シューツリーのほうが内向きに寄っています)。
これが履きやすいながらも、相当な内向き感を感じる理由です。



アッパーの素材は光沢があり肌理も細かい上質なカーフ。
以前のモデルはアノネイ社のものを用いていたので、「現在も?」とスタッフさんに聞いてみたんですが、現在は別のタンナーの材料を利用しているとのことです。
ブラックも検討しましたが、革質は悪くないのでブラウンのほうが上質感は感じられます。


前述のシューツリーですが、特殊な形状をしているので極端に出し入れしづらいです。
ただ、ビスポークのような感覚が味わえるのはたまらない醍醐味です。


脇腹(土踏まず)部分のえぐり方も通常はありえない攻め方をしています。
内側をきれいにカバーするために使用する革の量が増えてしまいますが、製法として土踏まず部分はグッドイヤーウェルテッドではなく、マッケイを採用しています。
グッドイヤー+マッケイという混合製法は、他ではなかなかお目にかからないです。





























インソールにはブランドネームと共に’MADE IN JAPAN’の記載があります。
内張りは、踵とつま先のみで、個人的には滑りにくいので好みのタイプです。






























アウトソールは高級靴の代名詞である半カラス。
ヒールはハーフラバーですが、もしオールソールとなったら一般の修理店では無理かもしれません。
店舗に持っていってREGALの工場でやってもらうしかないのでしょうか。
長く履こうと思うと、そこそこお財布に負担がかかる可能性があります。

いろいろ書きましたが、唯一の課題は価格ですね。
5万円台くらいに抑えて貰えると嬉しかったです。
ただ、素材や構造を考えると満足度は非常に高い逸品です。