2019年2月25日月曜日

デカ厚だけではないBreitling for Bentley GMTの魅力

長期間(数年単位)で欲しいと思いながら、なかなか手に入らない時計がありました。 欲しいという想いが強まると他の物を欲しくなって、そちらに予算を振り分けてしまったり、逆に経済的に余裕がある時には欲求が落ちていて、結局購入せずに数年経ってしまうという悪循環でした。 しかし、経済的に余裕があって他にも特に欲しい物が無いという絶妙なタイミングで、知り合いの販売会社社長から「入荷したから見に来れば?」と誘われて、試着からそのまま購入。 それが、Breitling for Bentley GMTです。 一度別の店で試着だけしたことはあったのですが、その際にはRolexを買ってしまったので、購入には至りませんでした。 ただ、49mmという大径でもギリギリセーフという着用感は覚えていたので、店に入ってから僅か15分でのスピード購入でした。 ちょっと曰く付きの個体で、何でも香港の富豪が予約したらしいのですが、結局購入を取りやめたものが日本に流れて来たらしいです。 最近(と言っても2016年とか)になってBreitlingが発表した一部内部機構が見えるようになっている『オープンワークス(Open Works)』という仕様になっている点が、他ではあまり見かけないレアな感じを醸し出しています。 ■なぜ欲しかったのか 購入の候補に挙がった直接の理由は、そのサイズ感です。 控え目に言っても悪目立ちするギリギリの49mmという大径は、他ではなかなかお目にかかりません。 Breitling自体が、AvengerⅡを最後に大径から中型に路線変更しつつあり、いわゆる『デカ厚系』の最後期モデルと言っても過言ではありません。 私自身、特に手が大きいわけではありませんが、体が大きいのでやはり大径の時計の方が映える部分もあり、このサイズ感に惹かれました。
大径の時計を購入する際に最も気になるのは、シャツ袖口への影響です。
袖口に収まりきらなかったり変に引っかかったりすると見っともないので、必ず長袖のシャツを着て行って試着するようにしています。
Breitling for Bentley GMTは、直径が大きい割に厚みがそこまでなくて袖口の引っかかりもありません。結論合格ラインをクリアしていました。
※意外に厚さはそれほどでもありません。

ちなみにバックルはBreitlingによくあるダブルロック方式ですが、最初にロックはほとんど効いていません。
どちらかと言うと、2つ目のロックでしっかり抑える感じなので、2つ目のロックを忘れていると誤脱の危険がありますので要注意。


■今回購入を決めた直接のトリガーは サイズが大きいのも理由の一つですが、購入に踏み切った直接の理由はオープンワークスです。
写真ではわかりづらいですが、文字盤の内径部分が網目状に抜けていて、内部機構が見える仕様になっています。 元々のBentley GMTのデザインに惹かれていたこともあるのですが、わずかに見え隠れする内部機構には何とも言えない色気を感じます。 できれば裏蓋もスケルトンにして欲しかったんですが、残念ながら裏蓋は通常仕様です。


そもそもBreitling for Bentley GMT自体がレアなので、更にオープンワークスとなると、国内に何本も入ってきていない可能性もあります(他のショップでもなかなかお目にかかりません)。
他の人と被らないレア度の高さは間違いなく購入の要因の一つです。
ちなみにムーブメントは、ブライトリング47Bです。
47Bの特徴は、クロノグラフの秒針が1周30秒である点です。
普段はほとんどストップウォッチを使用しませんが、たまに他の人と一緒に時間を測ったりすると、大抵驚かれます。その辺も自慢ポイントですね。

■大きいだけではない魅力
GMTの時計はそれだけでも多機能感があるのですが、更にクロノグラフが付いているとメカニカルな見た目が男心をくすぐります。
普段の生活でストップウォッチやGMT機能を使用することはまずありません。
ただ、文字盤スッキリの三針も好きなのですが、様々な機能が有機的に連携した外観はある種の芸術的な美しさを備えていると言っても過言ではありません。

ビジネスシーンでは若干敬遠されるかもしれませんが、多機能時計が人気があるのは男性の蒐集欲求が満たされるからなのかもしれません(美術品なんかは蒐集欲求の表れですからね)。

2019年2月18日月曜日

履きやすさ選手権があったら上位に食い込むであろうCrocektt&JonesのAUDLEY

普段からスニーカーに慣れ親しんでいると革靴が結構ツライと思います。
仕事柄出勤の半分くらいはスーツなので革靴には慣れているんですが、それでも数日スニーカーで出勤した後に革靴を履くと、やはりツラさを感じる時があります。
そんな話を同僚としていて、「最も履きやすい革靴は?」と聞かれたことがありました。即答レベルで答えたのはCrocektt&JonesのAUDLEY (オードリー)です。

■全てにおいて平均的なビジネス用本格革靴 AUDLEY (オードリー)は全てにおいて平均的です。バランスが良い分だけ特徴には欠けます。 スタイルもご覧の通りで、ShetlandfoxのアバディーンとChurch'sのBalmoral(ラスト73で旧型Consulとほぼ同型)の2足と比較すると、「中庸って素晴らしい」と感じいってしまいます。 イタリアっぽいスタイルを追求したアバディーンと英国紳士を体現したバルモラルのちょうど中間的なスタイルです。

※左からAberdeen、AUDLEY、Balmoralの順です。ちなみにAberdeenのみUK8.5で、他の2足はUK8ですが、ShetlandfoxはUK8.5=JPN26.5の設定なので、ほぼ同サイズのはず。幅は各メーカー設定のミドルを購入しています。全長の違いはデザイン上の捨て寸の違いです。

ずんぐりむっくりなChurch's Balmoralよりもスタイリッシュですが、Aberdeenほどではない。
アウトサイドのまとめ方も、スタイリッシュにしたつもりのAberdeenと比較すると、相当に計算されており秀逸です。
幅も全長も非常にバランスが良く、英国製紳士靴の良さが非常に際立った逸品と言えるでしょう。
■歩きやすさの基本はアッパーの柔らかさとコルクの量 歩くときにポイントになるのは、足の指の付け根が曲がった時のアッパーの曲がり具合と足裏が地面に着地する際のクッション性能だと思います。
前者について言えば、アウトソールとアッパーがどれくらい折れ曲がるか、つまりはアウトソールとアッパーの皮革がどれだけ柔らかいかによります。この点について、革質や鞣し工程においてCrocektt&Jonesは相当に気を遣っています。
以前雑誌で現在のCEOが語っている「柔らかい革へのこだわり」について読んだことがあるんですが、「オールソールされた靴でも、履き心地が変わらないようにしたい」と言われていました。つまりアッパーの革だけでも十分な柔らかさを担保できるくらいのレベルを追求しているということになります。

※シワの入り方も汚さがないので気に入っています。

後者(クッション性能)については、おそらくコルク量が他社よりも多く仕込まれているのではと感じています。以前とある百貨店で展示されていた、AUDLEY (オードリー)の実物断面のコルク量を見て、その量に圧倒された覚えがあるからです。
もしかしたら、コルクの材質も違うのかもしれませんが、他社のものに比べると明らかに履き心地が違います。
■何度もオールソールしたくなる本格派 前出のCEOが「お気に入りのモデルは3回くらいオールソールしている」と自慢気に語っていました。
私が現在も履いている靴は、オールソールはどれも1回まで(それかヒールのみ修復してオールソールしていないか)。
過去に同じ靴で2回まではしたことがありますが、アッパーに破れが発生して3回目までは到達しませんでした。
AUDLEYのアッパーは、どこのタンナーの革を使っているのかは不明ですが、非常にシワがつきにくいです。
他の革靴に比べて柔軟性が高いのか足の指の付け根部分に付き易いシワがありません。
シワが付きにくい=丈夫、ではありませんが、高級なアッパーを使っているのは間違いありません。
それがゆえに何度もオールソールを施して長期間履き続けられるのですね。

■履きやすさ故の注意事項
非常に履きやすい分だけ登板回数が増えがちになります。
Church'sなんかは履き始めてから慣れるまでにそこそこ回数を要するので、購入後しばらくは無理してでも回数を履くようにしていますが、AUDLEY については逆に意識的に登板回数を減らすようにしないと、ついつい使いすぎになる傾向がありますので要注意です。


履きやすさでいうと、Aldenのコードヴァン製のものも非常に性能が高いです。

ただ、コードヴァンは水に弱い分だけ着用に若干気を遣います。
普段使いできるCrocektt&JonesのAUDLEYは日々のケアさえキッチリ行っていれば、相当使えるアイテムです。
ちなみに、私は有楽町マルイのクインクラシコさんで購入したんですが、一緒にシューツリーを購入しました。

Colionilのdiplomat cedar European(サイズは42)です。
ほのかにシダーが香っていて、形状維持だけでなく消臭&防虫効果も高く、有能なアイテムです。
シューツリーにお悩みの方にはオススメです!