2019年3月14日木曜日

多機能かつ頑丈。MUDMASTER(GWG-1000-1AJF)はG-SHOCKの王道を歩む!

業績不振が伝えられるカシオですが、G-SHOCKだけは別で快進撃が続いています。 アイスホッケーの選手がパック代わりにスティックで打っても壊れないCMが話題を呼んで、アメリカで人気に火がついたG-SHOCKですが、日々進化を続けており、最近では電波ソーラー系のモデルが人気です。 以前の記事でGW-M5610BC-1JFをご紹介しましたが、今回はGWG-1000-1AJFをご紹介します。


通称、MUDMASTER(マッドマスター)と呼ばれるモデルで、MASTER of G(マスターシリーズ)の一角をなしています。 他に、GRAVITYMASTER(パイロット用)やFROGMAN(ダイバー用)、RANGEMAN(登山家用)などがあり、それぞれ用途が明確化されているんですが、MUDMASTERについてはイマイチ不明確。 ちなみにメーカーHPでは、「陸上において、瓦礫や土砂が山積・散乱するような極限の状況下での使用を想定した」とか「新しい防塵・防泥構造」と謳われているんですが、要は「地上で活動する様々な人のためのモデル」と理解しています。 私の場合、パイロットでもダイバーでも登山家でもないので、結論MUDMASTERが最適かなと考えて購入に至りました。 昔、FROGMANを使っていた経緯があって、最初は少し検討したんですが、アナログのG-SHOCKを使ったことが無かったので、それも購入の要因になっています。

■正確に時を刻むマルチバンド6 今回は楽天のセールで購入しているので通販です。事前に時計店で着用感などはチェック済みなので安心ですが、ちゃんとした物が届くのか若干心配。 某有名量販店からの購入なので、実際には厳重に梱包されて届いたんですが、開けてみて少し驚いたんですが、自宅の他の電波時計と比べると3秒程度進んでいる...。 そんなことあり得るんだなぁと思いながら、一晩寝かせてみると、さすがマルチバンド6、きっちり正確な時刻(他の電波時計と同じ時刻)に補正されていました。

■ほぼ全人口をカバーするバンド 腕が太すぎて尾錠の爪を入れる穴が足りない(そもそもバンド自体が短い)というケースは時折耳にしますが、私の場合は逆に腕回りが細すぎて余ってしまう、つまりは穴が短い方向に足りないというケースがあります。しかし、このMUDMASTERの場合(というかMASTER of Gは全て)最短で12cmくらいの腕回りにも対応しているので、便利です。

※爪をはめる穴が本体の近くまで配置してあるので、腕が細い私でも緩むことなく締められます。

長い方でいうと、プロレスラーや相撲取りでも大丈夫なくらい長くできるんで、ほぼ日本の全人口をカバーしていると言えるでしょう(もちろん、成長途中の未成年は除きますが)。

■時刻補正が超然簡単 従来の電波受信機能を備えたG-SHOCKのモデルは、海外旅行の際などに現地の時刻に合わせるのが非常に煩雑でした。このMUDMASTERは、現在地の設定が非常に簡単です。 まず、右側の大型竜頭を回して引き上げる。

そうすると針が6時の位置にあるTYO(東京)を指します。あとは、ボタンを押して都市を決めるだけで勝手に再受信して時刻を補正してくれます。 ちなみに、その都市に居ないのに勝手に設定しても(例えば東京に居ながらアメリカの都市を選んでも)電波を受信しないので、当然時刻は元のまま。つまり海外旅行とか行くときは前日とかに設定してもOKです。 ※ただ、現地についてもすぐに電波を受信するわけではないので、到着後に設定することをオススメしますが。

■多機能すぎてほとんど使わない機能もあります 時刻が分かれば90%満足なんですが、MUDMASTERは、時刻以外に気圧と温度、高度、方位なども測れます。 日常生活では使わない機能ですが、遊び半分でものすごく暑い日に気温を測ったり、山登りとかした時には高度を測ることもあるかもしれません。 まあ純粋に興味本位ですね。

高度計測方位計測気圧/温度計測


※どの機能も日常生活では必要ありません。
■最も大きな問題であるサイズ感 ご覧の通りサイズは相当大きいです。60mm近い径は最早時計ではなくて置物レベルです。しかも厚みもあるのでシャツの内側には収まりません。


致し方ない問題ですが、ケースの裏面はスレンレスです。特に浮きも無いので、金属アレルギーの人には少し厳しいです。


結論、総合的に考えると相当高品質な時計です。
壊れにくく正確な時刻を刻み続け、しかも電池切れの心配が無い(年単位で稼働し続ける)。
高級な機械式時計にはない良さを備えたアイテムです。

2019年3月5日火曜日

SHETLANDFOXのAberdeen(アバディーン)はバランス感覚に優れた銘品

以前から書いていますが、英国の正統な革靴が好きです。 革底をオールソールで全交換して長年履ける点や、質実剛健ながらもエレガントさを忘れないデザインを気に入っています。 しかし、革靴本来の性能を比較した場合、和製のものも決して負けていません。 セメント工法で靴底を取り付けているものは除いて考えた場合、最も肌にあっているブランドは(リーガルの高級ライン)です。
1982年に誕生して一旦撤退した後に、2009年に再デビューを果たしました。
リーガルの高級ラインと言うよりは、SHETLANDFOXとしての独自の道を歩んでいる印象が強いです。
特徴ある構造(グッドイヤーウェルテッド製法とマッケイ製法の融合など)から、専用のシューツリーしか受け付けないモデルを作ってみたり、フランスのアノネイ社の素材(結構高価です)を長く使用していたり、職人さんの拘りを感じる姿勢には好感が持てます。
SHETLANDFOXのフラッグシップモデルはKensington(ケンジントン)というモデルですが、個人的にはイチオシのAberdeen(アバディーン)をご紹介します。

ちなみに、ご覧の通り中敷のロゴはSHETLANDとFOXの間に何か記号らしきものが入っていますが、実際にはSHETLANDFOXと1ワードでブランド名称を表記しています。

正統派英国紳士が履く靴の多くは、トゥの部分がぽってりと丸みを帯びていて、スリム感はあまり感じません。 その代わりと言ってはなんですが、全体的にバランスが整っており、古武士のように無駄のないエレガンスを醸し出します。 イタリアやフランスの高級革靴については英国のものと対局をなしており、トゥに向かって細っそりとスリムに仕上げて、スタイリッシュな出で立ちを構成しています。 このAberdeenに関して言えば、両方の良さを併せ持ったイイトコ取りのデザインになっています。 ご覧の通りトゥはチゼルまでは行かなくても、先端のトップ部分を削り取って横から見るとスポーツカーのような形状になっています(英国靴を車に例えると、普通のセダンですかね)。 幅についても同様にスリムに仕上がっており、土踏まずを大きく抉って、ヒールカップ自体も割と小振りです。 ただ、SHETLANDFOXの靴はほとんど全て英国の都市名がモデル名になっている事からもわかる通り、ブランドとしては「国産の正統派英国紳士靴」を標榜しており、このAberdeenも英国風なテイストを残しています。 例えば、ヒール部分ですが、ピッチドヒールみたいなゴリゴリのイタリアンテイストは用いず、一般的な円筒形を使っています。 これによって安定性が増して、非常に歩きやすくなっています。 コバのせり出しはそこまで大きくありませんが、グッドイヤーウェルテッド製法ならではの頑丈な見た目は確立しています。やはりマッケイよりもソールの厚みはありますが、トゥ部分の突起感を薄める効果も果たしてくれていますので、見た目的にNGでなければ許容範囲かなと考えています。

履いた感想を率直に記載すると、アッパーの皮革にはそこまで柔軟性は感じません。
ただ、「硬くて足が痛い」という状態は最初の2−3回で、その後はある程度の硬さは残しながらも通常使用には何の違和感も感じないレベルまで柔軟性が出てきました。
写真では分かりづらいですが、アッパーの色調は漆黒に近いブラックで、あまり茶系やネイビー系の色は混じっていません。

Saphir Noirのブラックで磨くと非常に気品のある輝きを放ってくれます。

価格帯としてはコードヴァンのものを除くと、2−5万くらいのものがボリュームゾーンになっていますので、海外のものに比べると比較的購入しやすく、品質は決して見劣りしないShetlandfoxは非常にオススメです。
また、有楽町のお店では毎年正月にB級品のセール(ほぼ半額)を行っているのも見逃せません。
B級品と言っても、相当目を凝らして見ないとわからないレベルの微細な傷やインナーの不具合なので、通常使用には支障ないものばかりです。
ご興味がある方は是非立ち寄ってみてください。