2015年7月8日水曜日

Global Styleでパターンオーダーしてみた感想

スーツは基本的に既製品は買いません。
極端な痩せ形長身に加えて腕が長いので既製品のサイズが合わず、以前は既製品購入後、袖を左右とも15-20mm出したり、ウエストを20-30mm詰めたりしていましたが、結局商品価格に5,000円くらい上乗せすることになっていたので、数年前からパターンオーダーのみに変更しました。
実際、最近安価なお店が増えたので、同じような生地レベルで価格もほとんど変わらない(下手したらオーダー店のほうが安かったり)で購入できています。

今回は、全国的に店舗展開するGlobal Style(グローバルスタイル)でパターンオーダーをお願いした感想を記載します(時期は1年近く前ですが)。

接客
たくさん店舗がありますが、私は神田店でオーダーしました。
ネット上では、良い噂と悪い噂の両方が飛び交ってますが、接客はそれほど悪くなかったです。
場所柄年齢がお高めのお客さんが多いからか、言葉遣いも非常に丁寧でラインナップや価格の説明にも嘘偽りが無く、生地を選んでいる最中も嫌な顔一つせずにじっくり付き合ってくれて、非常に好感が持てました。


店内の様子と品揃え
神田店は、それほど広くありません。間口が狭く店内は奥に細長くなっていて、両サイドに商品(スーツ生地/シャツ生地/バンチブック/小物類など)を陳列していて、中央部にも所狭しと生地が置いてあるので有効スペースは狭いです。
購入前提のお客さんが2-3組くると、それだけで次のお客さんは長時間待たされるハメになります(私は飛び込みだったのですが、平日昼間だったのでお客さんは1組だけでした)。

スーツについては2-3万円台の低価格のものはそれほど品揃えも多く有りません。多くは、5-7万円の中級レベルか10万円以上の高価格帯の商品です。

イタリアの所謂「高級」とされるZegnaやLoro Pianaも割とたくさん置いていて値引きも結構されていますが、値引きされているものはキワモノ系の柄だったり、昨年以前のもの(型落ち)だったりするようです。
低価格のものは国産生地で化繊混紡(一部ウール100%)、2着で47,000円(税抜き)→1着23,500円からあります。
次が国産ウール100%(一部化繊混紡)で1着3万台半ばくらいです。
但し上記2種類の価格帯だと、選べる生地は暗め(黒or紺)と明るめ(グレー系)であわせて10種類しかありません。その中でもビジネスで使えそうなものは6-7種類ですね(最低価格帯だと更に半分に絞られます)。
良かったのが、違う価格帯からでも2着買えば両方とも半額処理される点です。
結論、最低価格のもので濃紺(ストライプ)1着と次の価格帯のグレーで計2着仕立てました。

仕上がり
2着仕立てたうちの片方だけ写真をupしますが、正直なところ可も無く不可も無くといったところです。
いくつかあるスタイルの中で、モダンブリティッシュというスタイルを選びました。
英国調を現代風にアレンジしたスタイルで、ジャケット裾のカッタウェイが特徴です。

私のオーダーの仕方が悪かったのかもしれませんが、以下が気に食わない点です。
①ジャケットのウエストが思ったほど絞れなかった(出したかった細身感が出ていない)
②パンツの裾が激しくもたつく(テーパード感があまりありません)
※受取時にレインブーツを履いていたので、2クッションくらいに見えますが、実際にはハーフ〜1クッションくらいです。
他の人に見てもらってもなかなか伝わらないポイントですが、上記2点については不満が大きいです。

以前オーダーして2度と利用しないと決めたヨ○○ラほどではないですが、店員さんの「××は、これくらいにしておいたほうが無難ですよ」という言葉に従った部分が気にいらないというのは寂しいかぎりです。
従った自分が悪いのですが、そもそも無難な既製スーツでは合わないからオーダーしに来ているので、もうちょっとこっちの温度感をくみとって欲しかったです。
※ちなみにヨ○○ラでは、かなり強く要望したのに至る所にお店の意向を反映させられて、全く自分の趣味ではないオヤジスーツを作らされた苦い思い出があります。

総括
接客:◎ 採寸:○ 価格:△ 品揃え:× スタイル:△ 縫製:△ 
総合で70点(合格ライン:80点)くらいですかね。
ネット上で噂されている「縫製の悪さ」は、それほど感じませんでした(実際1シーズン着用しましたが、ほつれ等は特に見られません→特別に丁寧でもありませんが)。
いくつかのオプション(本切羽等)代込みで2着で税込み支払額が70,000円を少し超えるくらいでしたので、合格点はあげられないです。
オーダー初心者のかたには良いかもしれませんが、ある程度オーダー歴があってこだわりをもっているかたには不向きかもしれませんし、その場合は自分の希望はキッチリ伝えたほうが良いでしょう。
オプション代が結構高くて、少し驚きました。

編集後記
このスーツを作ったあと、実はグローバルスタイルで再チャレンジしています。同社イチ押しのミケランジェロというスタイルでも1着仕立てたので、またご紹介します。

2015年3月22日日曜日

Engineered Garments の Andover Jacket

Engineered Garments の Andover Jacketをご紹介します。


日本が世界に誇る名デザイナー鈴木大器氏が率いるエンジニアード・ガーメンツ。
大人が着崩し感を醸し出すには「イイ感じ」の洋服が多いです。
B2B Jacketが有名ですが、今回はAndover Jacketをご紹介します。


サイズ/全体感
サイズはLですが、日本人のLではなく、完全に外国人向けのLサイズです。
なので、特に袖と着丈が長く、インナーを選びます。
あまりピタッとしたモノでも、ユルユルなモノでもダメ・・・うーん以外に着こなしが難しいです。





















最も特徴的なのは、胸ポケットのフラップですね。合計すると身頃に4つのフラップ付きポケットがあります。



主張



















左胸の内ポケットの下に「Made in New York」のタグが付いたロゴ表示があります。
おそらく鈴木氏のこだわりの1つなのでしょう。
米国でも最先端のファッションを着こなす人が多いNew Yorkで勝負するという意気込みが感じられます。



編集後記
価格的に子供を寄せ付けないエンジニアード・ガーメンツのジャケットですが、やはり着こなすのが難しいです。
ただ、色違いで2-3着持っていると、一生ジャケットを買う必要がないくらいのある種の「存在感」を感じる服ですね。

2015年2月21日土曜日

Crocektt&JonesのMonkton(シングルモンクストラップ)

Crocektt&Jonesのシングルモンク Monktonをご紹介します。


従来のOEM路線から独自ブランドの推進に方針転換し、日本で大ブレイク中のCrockett&Jonesですが、成功の要因はUAやSHIPSなど有名セレクトショップとの積極的なコラボ戦略の展開にあると思います。


外観
ラスト348は300番台の中では比較的甲高ですが、プレーントゥということもあって一般的なロングノーズに見えます。
コバは普通に張り出していて、それほど攻めた印象は受けません。



















所謂レギュラーラインなので靴底はチャネル仕上げですが、丁寧な仕上げで雑な印象は受けません。
HDDからハンドグレードのAudley購入時に撮影しておいた写真を探して比べてみたのですが、さすがにオークバーグの優美さには勝てませんが、レギュラーラインも負けていないと感じました。




ちょっと気になったのは、ちょうど同じ時期に下ろしたShetlandFoxのアバディーンと比べると、底の減り方が若干早い・・・。ちなみに下ろす前に塗布したオイルは両方ともタピールですので、環境差によるものではありません。
そもそもアバディーンは半カラスで縫い目は伏せてありますので、比較する事自体がナンセンスなんですが・・・。









つま先は、ゆるやかな立ち上がりのチゼルトゥです。















革質
原則タンナーを公表しないcrokett&Jonesですが、見た感じはキメも比較的細かく良質なカーフに見えます。
クリームの飲み込みもワックスの載りも悪くありませんので、たまに見かけるキップに近いカーフではないと思います。















履き心地
初回から長時間履いてもボールジョイントや甲に痛みをほとんど感じない・・・やっぱりクロケは良いなぁ~と感じ入っていると・・・踵の立ち上がりに痛みが!一般的な英国靴に比べると、ヒールカップが若干小振りです。パリラスト同様348も日本人向けなのかもしれませんが、337よりもほんの少しだけヒールカップが小さいイメージです(実際Audleyを下ろした時には踵に痛みは感じませんでした)。
ただ、革質が良いのか何度か履いている内に慣れてきました。
そして10回目くらいからは、クロケ特有の包み込む感じを堪能できます。



編集後記
同価格帯の国産靴と比べると、縫い目の間隔や底の仕上げが雑な個体が時々見受けられる英国靴ですが、crokett&Jonesは会社が大きくなってもモノ作りの伝統を守り続けている良い会社だと思います。ラストが私の足にあっているというのもありますが、個人的には高評価。これからも大事に履き続けたいと思います。

2015年2月14日土曜日

Union Imperial U1522(ユニオン・インペリアルのローファー)

ユニオン・インペリアルのローファーをご紹介します。


世界長ユニオンが展開するいくつかのブランドの中で、所謂『九分仕立て』をウリにする『ユニオン・インペリアル』ですが、同社は他にもSofice&SolidやMila Schonなどいくつか特徴のあるブランドを抱えています。


外観
一応3Eという表記になっていますが、それほど幅広なイメージはありません。おそらく、ボールジョイント部分以外を絞って、太めのイメージを払拭することに成功していると思います。
※もちろん全体的に太ければ履き口が笑ってしまって仕方ないと思いますが・・・。
最近よく見かける超ロングノーズに比べると、それほど長くはありませんが、程良くシャープな印象を持てるノーズになっています。





















ちなみにインソールとアウトソールの両方に「これでもか!」といわんばかりに、Handsawn Weltedの文字が刻印されています。













※アウトソールの写真は購入時にとりわすれたので、割愛します。


革質
アノネイ社の革のようですが、「当社独自の染料で」という訳の分からない説明付きのCalfです。
それって、もはやアノネイではないのでは?と思ってしまいますが、世界長のバイヤーさんも素人ではないのだろうから、一応信じています。
ブラッシングする前の写真なので、若干ホコリが浮いていますが、見た目はそこそこキメの細かい良い感じの革です。

















履き心地
九分仕立てということで、大した沈み込みは期待できないと考えていましたが、履いているうちに多少は沈むようです。勿論、練りコルクを中物に使用した英国製の高級靴に比べれば大したことはありませんが、試着の際に余裕があるサイジングで選ぶと、後で緩くなってしまう可能性もありますので、お気を付け下さい(スリップオンの基本か・・・)。
しかし、最近の国産靴のご多分にもれず、このローファーも甲が低いです・・・。甲高の私にとっては結構長くツラい期間が続きました(トホホ)。



編集後記
阪急メンズ館など、百貨店でも取り扱いが増えているユニオン・インペリアルですが、一部の機械作業(一部のラインの製造?)を中国で行ってコストを抑えているという話を某店店員さんから聞いたことがあります。
ただ、このローファーもそうですが、Premiumというラインの商品は全てアノネイ社Box Calfを謳っていますし、履いた印象も雑な感じは受けませんでした。
総合的には合格ラインをクリアした国産名靴だと思います!

2015年2月11日水曜日

メーカーズシャツ鎌倉のシャツ

メーカーズシャツ鎌倉のシャツをご紹介します。

既成のシャツメーカーとしては珍しく直営店舗をいくつか運営されていて、都内にも数カ所お店がありますので、非常に購入しやすいです。

店舗
今回は会社の近くということで東京駅前の丸ビルB1Fのお店に行きました。
詳しくはHPをご確認いただければ最新情報が分かりますので、どこにお店があるかの詳述は避けますが、都内各所にありますので東京在住であれば選択肢は十分です。

接客
以前新橋にお店があったときに一度伺ったことがあるのですが、その際の接客はお世辞にも丁寧とは言えませんでした。
「シャツを探してるので計って欲しいのですが」
「お客さん手が長いですねー、うちでは合うのが無いかも」(終了)
こんな感じで、全く好印象は無かったのですが、丸ビル店の女性スタッフのかたは非常に丁寧な接客で、一生懸命シャツを探してくれました。
今回は細番手の指名買いだったのですが、イヤな顔一つ見せず、300番手から200番手、110番手と徐々に太さを上げて親切に商品を裏から持ってきて、見せてくれました。

200番手のシャツ
今回購入したのはこちらの200番手のセミワイドブルー(シルエットはタイトフィット)です。





















さすがに200番手の双糸(但し撚りあわせた2本の糸を更に撚りあわせた所謂4PLY)だけあって、光沢感はまばゆいばかりです。
また、生地の良さだけでなく、このシャツには随所にメーカーさんの工夫が盛り込まれています。





















その一つを紹介すると、こちらの第1ボタンです。
頻繁に着脱する第1ボタンなので、他のボタンと比べて若干小さめなものが付いています。
※ちなみにボタンは白蝶貝です。

残念なのは、こちらの200番手はまだラインナップがキッチリ揃っていないようで、襟/柄/織り方/フィットの違いで14種類しかないところですが、今後に期待です。

110番手のシャツ
ついでと言っては失礼ですが、もう1枚110番手のシャツも一緒に購入しました。
















こちらは私の好きなボタンダウンにしてみました。
200番手同様にヘビロテアイテムになりそうです。



編集後記
メーカーズシャツ鎌倉では、シャツの袖口と襟を修理してくれるサービスがあるそうです。
詳しくはHPでご確認ください。身頃に目立った損傷が無くて、愛着があるシャツであれば、利用してみては如何でしょうか?