2018年11月27日火曜日

VANSON Model Bは定番を超えて、もはや革ジャンの原点

昔バイクに乗っていたこともあって革ジャンが好きで、ちょっとコレクター化しています。 さすがに会社に着ていくのは避けているので、着るとしたら週末のみです。時期的には10月下旬から3月下旬くらいの約5ヶ月間にしか着られないし、毎週レザージャケットと言う訳でもないので、数着ある革ジャンは1シーズンで5−6回しか着ない物もあります。 そんな中でも着用頻度が比較的高いのが、こちらのVANSON Model Bです。









































■定番ならではの安定したスタイル
スタンドカラーで無駄な装飾が無いModel Bは、スタイルとしては革ジャンの定番です。
バイカーたちが長年かけて培ってきたスタイルを形にしたものなので、目が慣れていると言うこともあり、街中で悪目立ちすることはありません。 最近では、デニムのみならずチノパンと合わせるコーディネートも一般化してきたので、着回しの幅も広がってきています。 特にVANSONの場合、バイカーの本場である米国の消費者に受け入れられているので流通量も多く、ENF同様に何度かのモデルチェンジを経て現在のスタイルを完成させている為、悪く言えば「平均的」、良く言えば「革ジャンの代名詞」的な位置付けになりつつあります。
■やはり肉厚なレザー VANSONのレザージャケットの特徴の1つですが、革が相当に肉厚です(そして硬い)。

若干シボを出しているのは堅牢性を高めるためでしょうか。 他のブランドでも時々ありますが、VANSONのジャケットは新品購入時には必ず立ちます。勿論、その硬さは徐々に無くなってきますが、革の厚みは無くならないので、着用時に若干の窮屈さは比較的長い期間感じることになります。ただ、その「窮屈感」を乗り越えて柔らかくなる頃には完全に自分のものになっていると言うのが、VANSONのレザージャケットの醍醐味でもあります。
部材としての革について言及すると1点だけ不満があります。背中に縦に入った接合部です。









立体的なシルエットを再現するために必要な裁断だったのかも知れませんが、縫製部分は少なければ少ないほど全体的に頑丈に仕上げるので、ちょっと不満です。

■スタンドカラーでジッパー多用の温故知新なデザイン
最近は襟付きのENFの方が人気があるようですが、スタンドカラーのModel Bもカッコイイです。
襟元に糸のほつれが発生していますが、通常使用によるものなので、「味」と言えなくもないですし。

 また起毛インナーでは潰されてしまう内ポケットも備えています。
この内ポケットは入り口がレザーで縁取りされていて見た目もカッコイイですが、結構深めなので使い勝手も良いです。

■実は微妙な部分もあります
ここまで、長所ばかり挙げてきましたが、なぜこんな仕様にしたのか?と疑問を感じるポイントがいくつか有ります。

まず、ジッパーのフックについている小さい輪っかがよく意味が分かりません。
 引っ張るには小さ過ぎるし(取れてしまいそうで怖い)、何かを通してkeepしておくような場所でもサイズでもありません。もうちょっと大きめのフックにして欲しいところです。


また、内側の縁に沿ってホックの受け穴がついているんですが、中綿に加えて起毛インナーも装着できるようにしてくれているのでしょうか。試したことはありませんが、もしインナーを装着したら当然ゴワゴワして着られない状態になります。この部分も改善の余地ありですね。
■防寒性能も比較的高め 前述の通り、他のモデル同様にModel Bも何度かモデルチェンジしているのですが、私が所有しているのは中綿入りのバージョンです(他のバージョンは起毛インナー(着脱可能)付きだったり、裏地のみだったりします)。
起毛インナーも悪くはないんですが、個人的には中綿入りの方が好みです。 防寒性の部分では起毛インナーか中綿か意見が別れると思いますが、ジャケット下に着るものを選ばないと言う点で中綿入りを選択したいところです。 寒さ対策のために、長袖シャツではないもっと厚めの何か(例えばパーカーとか)を着ようと思ったら、起毛インナーは毛とパーカー表面が引っかかって結構着づらいです。 中綿であれば引っかかりも無く、内側に着るものを選ばないので便利です。 中綿+内側に厚めのアイテムを着られる=防寒性能が高い、と言う理屈です。

ちなみに、中綿は袖口までカバーしています(起毛インナーは身頃部分のみ)。


































これで、レザーグローブを装着すれば、寒さ対策は万全に近いですね。


ハードなイメージが付いて回る黒の革ジャンですが、ボトムスにレザーパンツでも穿かない限りは、そこまでいかつい感じにはなりません。
インナーに着用するアイテムの柄や色合いによっては、むしろ柔らかいテイストも出せます。
ただ、レザートートバッグだけは革×革になってしまうからなのか、個人的には違和感があるため、避けるようにしています(完全に主観ですが・・・)。
秋冬には使い回しがしやすいので、何かと重宝しています。



2018年11月23日金曜日

Global Styleでパターンオーダーしてみた感想(その2)ミケランジェロ編

スーツをオーダーで作る際に、サイズ感以外で気をつけているのはスタイルです。 と言うのも、仮縫い付きのフルオーダーで作らない限り、メーカーによってスタイルに違いがあるためです。 ひどい会社だと、とんでもないおじさんスーツに仕上がったりします。 なので、どんな感じに仕上がるのか、特徴を見極めた上でオーダーするようにしています。 以前、Global Styleさんでオーダーした際に「細身が流行なんだろうけど、そこまで細くなくて、でもスタイリッシュっていう都合が良いモデルがあったら欲しい」と無理な注文をつけたところ、「ウチだったら、ミケランジェロっていう良いのがありますよー」と勧められて、ずっと気になっていました。
正式名称は、『ミケランジェロ・サルトリア』。
16世紀イタリアの天才ミケランジェロが作ったダビデ像(理想の男性像)みたいな体型の人が着るスーツと言う意味でしょうか・・・昔フィレンツェで見て想像以上の大きさに圧倒されたダビデ像を思い出しながらネットで詳細をチェックすると、シルエットもさることながら構造で勝負している感じ。1着作ったら話のネタに良いなと考えて、オーダーしてみました。
■いざオーダー作業 なるべく混雑している店舗は避けようと考えて、休日午前中に神田中央通り店に行ってみました。
神田といえばビジネス街=休日に人はいない、という安直な考えから選んだんですが、予想通りお客さんは私以外に一人だけ。 手が空いていた女性スタッフさんに、ミケランジェロに興味がある旨を伝えると、モデルの詳細を丁寧に説明してくれました。 ただ、まだ若いスタッフさんで、こちらがネット上で入手している以上の情報は余り持っていない・・・。採寸するわけでは無いので大丈夫かと考えて、「以前購入したことがあるので、そのデータを使ってください」と伝えると、「ミケランジェロは少し複雑なので、通常では測らない場所も必要なんです。なので、再度測らせていただきたいんですが・・・」と困り顔。 思わず「あなた測れるの!?」と聞き返しそうになりましたが、グッとこらえて笑顔で「じゃあお願いします!」と営業スマイルを返していました。 すったもんだしながら計測が終了して、生地選び。 いろいろオプションを付けて、ベストまで作ることにしたので、結構なお値段になっているだろうなぁと考えながらバンチブックで生地を選んでいると、どうしても高価なものに目が行ってしまいます。廉価なものはダサい柄のものばかり(Global Styleの欠点の1つです)。 知り合いから聞いた話ですが、格安にオーダースーツを販売している会社の多くは、生地メーカーが大手の百貨店などに卸した後の売れ残りの生地を安く仕入れているケースが多いので、どうしても安っぽい柄のものが多くなるようです(念のため書いておきますが、全ての生地メーカーのものがそうではありません。一部の生地メーカーのものは時期によって価格が大きく変動するので、価格が下がるシーズン後半に買い付けると、自然と選択肢の幅が少なくなる、というだけです)。 いくつか候補を選んでいると、ANGELICO(アンジェリコ)の良い感じのストライプものを発見したので、それに決めました。 ANGELICOは比較的若いメーカーで、紡績から染色まで全て自社工場でこなせるスーパーミルメーカーです。青の発色が美しい生地をたくさん生み出していて、光沢はそれほどありませんがSuper表示に関係なく手触りが良く使い勝手が良いイメージです。
ちなみに選んだ生地のsuper表示は100'sでした。












































約1ヶ月待って仕上がってきたのがこちらのスーツです。



デザイン的に結構大きなポイントがベストの肩から腋にかけてのカッティングです。
この状態で見ると、「ランニングシャツか!」と突っ込みたくなるのですが、立体的なデザインが施されているので、実際に着用すると、丸く抉られているラインがなぜかほぼ真っ直ぐに見えます。
パンツについても、極端なテーパード感はありませんが、履いてみると不思議と美脚なシルエットになります。
ちなみに裾は、18cmまで絞って貰いました。
■縫製には問題なし 国内の職人さんが一部機械を使って一部は手縫いで縫われているとのことで、縫製は非常に丁寧に仕上げられています。 見えない部分であるポケットの中やラペルの裏側、パンツ裾の折り返し部分などを中心に確認しましたが、粗雑な仕上がりは見受けられませんでした。
まずは裾周り、まあまあな感じの仕上がりです。少なくとも解れてしまうことはなさそう。
次にラペルスティッチですが、こちらも比較的キレイに仕上がっています。
そこまで彫りが深く見えないのは生地の問題ですね。ちなみにラペルに関しては手縫いで仕上げているそうです。


ジャケットのポケット周りもキレイに仕上がっています。

D管留め等は、オプションではありません。


切羽のボタンホールはキレイに仕上がっているのですが、裏地の縫い付けが若干雑な感じ。


襟裏の縫製も糸の飛び出しが数カ所あって若干雑に感じました。


■デザイナーさん渾身のスタイル はっきり言って絶妙なスタイルです。 全体のイメージについては、バランス的に上部に重心が置かれているため、本人の体型に関わらず美しい逆三角形が完成します(実際に痩せっぽちの私でも綺麗に肩幅を作れています)。 ジャケットは身幅に吸い付くように立体的な構造が完成しており、ベストについても、意図的に取られた脇下の余裕スペースによって腕周りの可動性を担保しつつスタイルを崩していません。 パンツの股上が浅すぎでは?とちょっと気になりましたが、下半身全体的に逆三角形の一部に取り込むためのデザインだと考えると、納得感があります(履きやすさを重視する方は1cm程度深めにしても良いかも)。

いつもパンツ裾を17.5〜18cm程度に絞るんですが、それも功を奏して程よいテーパード感が生まれています。 デザインもさることながら、構造的にも完成されていて、毛芯によってラペルの立ち上がりが良く、ラペル裾の立体的な広がり方も上品に仕上がっています。


トップループ方式のベルトループもオシャレです。

細身のスーツの場合、腰回りの可動域を確保するために必要な仕掛けです。


唯一の不満点としては、(私のオーダーミスなんですが)ブリティッシュなイメージを残すために、ベストの最上段ボタンの位置が若干低めに設定されている点です。

※特別に低いわけではなく、私の希望よりは低いという意味です。
あと1cmくらい高くても良かった。

ボタンの間隔が多少広くなっても、5cmくらい高い位置までベストが見えていた方が、ジャケットの前ボタンを閉めた際に、よりスタイリッシュに締まって見えたかも知れません。 ちなみにどこのオーダーショップでも、私のこの(ベストの最上段ボタンの位置を高くすると言う)オーダーには否定的です。
単純にボタンの数が決まっているので、前たてを長くする分だけボタンの感覚が空いてしまうことが否定的な理由なんですが、ボタンを1個足してでもなるべく前立てを長くした方が他の人との差別化が出来て良いんですけどね。

ブランドタグもグローバル・スタイルの他の商品とは違う特別なものが縫い付けられています。
■課題は価格か グローバルスタイルのHPでチェックする限り、5万円以下で作れると書いてありますが、ベスト(30%UP)を追加したり最低限のオプション(本切羽+台場+水牛ボタンなど)をつけると、結果として相当な価格になってしまいます。 ANEGELICO(ミドルクラスのイタリアンメーカー)でも総額で8万円(税込)を超えました。 もし、ゼニアやロロピアーナであれば12万くらいになってしまうと思われます。 フルオーダーであれば選択した生地に関わらず15万は超えるので、それに比べれば安価ですし、デザイン料や身体へのフィット感を考えると決して法外な価格ではありませんが、ちょっと勇気が必要な価格ですね。
パターンオーダー流行りなので、各社共に他社との差別化を図ろうと躍起になっています。
そんな中でこう言った形で自社特有のパターンと付随サービスを打ち出してセールスポイントにするのは、正攻法として十分成立しているなぁと感心します。
最終的な満足度は80点くらいです。

2018年11月20日火曜日

New BalanceのM1300濃色系は何にでも合わせやすいので重宝します

人生において長らくスニーカーを履いていない時期がありました、特に大学時代。 理由はいろいろありますが、レッドウイングにはまっていたのでスニーカーよりもブーツを履いていた、というのが最もしっくりくる理由です。
今は長距離を歩くときとかを中心にスニーカーの着用頻度も上がっているんですが、過去の経緯から、スニーカーを履くときには変に緊張します。 ボトムスとのコーディネートもなかなか上手く行かずに、出かける直前に履こうとしたスニーカーを履き替えたりします。 そんな中で最も重宝しているのは、New BalanceのM1300 CAG(Green)です。

































New Balanceのスニーカーにはいくつかの系譜があります。 1000番台以降の型番は、フラッグシップ的な位置付けで、時期毎に最新技術を盛り込んだ商品を投入しています。 1300はその一番手として登場し、以降1500→1400と続いていきます。 1300と1400を比較すると、1400の方がスリムでソールも薄く履きやすいと人気があります。 両方試着して見ましたが、私も安定感とクッション性では1400の方が上だなと感じました。 ただ、1300の方が爪先に丸みがあって見た目に何となく愛嬌があったので1300を選択しました(この辺は完全に個人の主観です)。

■スタイルはスリム&ぽってり
上から見ると分かるのですが、全体的にスリムに絞られています。

































爪先部分だけはぽってり。要は足先に余裕がある、ということです。
捨て寸部分に結構広めのスペースがあるので、長時間履いても足にまとわり付いてくるような「ホールド疲れ」はありません。「とにかく見た目が勝負」という人にとっては、やや不満なポイントかもしれません。
■なんでも合わせやすい万能スニーカー スェード地のダークグリーンは、様々なボトムスやソックスと相性が良いです。何を着ても合わせやすい。 薄めの色のチノパンや色落ちしていないデニムなど、守備範囲は非常に広いです。 正式な色名は「エバーグリーン」というらしいですが、濃いめの色調でしかもスェードなので、素材的に幅広く合わせられます。
ただ、濃色系なので以下のように泥汚れは目立ちます(特に乾いた後の泥)。



勿論、雨に濡れれば水が沁みてくるので、雨天時の着用はいろいろな意味で勇気が必要です。 ■履き心地はまさに「雲の上」。しかし・・・ 1300の履き心地を表す言葉として「雲の上を歩いているよう」と評したのは、かのラルフ・ローレン氏(真偽のほどは分りません)。 私も全く同感です。ただし、この「雲の上」と言う表現には表裏があります。 良く言えば「柔らかいクッション」ですが、悪く言えば「安定感が無い」となります。 実際に履いて少し歩くと分かるのですが、結構激しく横揺れします。非常に悪く言うと、グニャグニャした感じです。 長距離を歩いて足裏が疲れることはありませんが、そこそこに膝に負担がかかっているのを感じます。
特に膝に爆弾を抱えているとかそういうわけではありませんが、膝が悪い人は要注意です。 その点では1400の方が、クッション性に加えて安定性も担保されており、完成度は高いです。 1300は相当に分厚いENCAPソールを備えていますので、「とにかく着地時の柔らかさを追求したい」という方にオススメです。



好みの問題で1400や1500が好きな人も多いと思いますが、もし現在New Balanceの1300シリーズをお持ちでなければ、オススメの逸品ですので試着だけでもしてみてください。



2018年11月18日日曜日

Garrettのスェードレザージャケットは衝撃の手触り

イタリアのフィレンツェに本拠を置くGarrett(ギャレット)は、元々は様々なブランド(主にPRADAやD&G)にレザー製品(特にジャケット)をOEM供給していた老舗メーカーです。
元々はMARCELLO PAMPALONIという社名だったのですが、自社ブランドを世に出すようになってからGarrettに変更しました。

最近では日本のセレクトショップでもチラホラ目にする機会が増えてきたGarrettですが、今回は
スェードレザーのジャケットをご紹介したいと思います。




昔、フィレンツェを旅行した際の感動を思い出して、「あんな素敵な街並みにある会社だったら、さぞかし古式ゆかしい店構え何だろうなぁ」と考えて、住所を調べてストリートビューで社屋を確認すると、何とこんな感じ。

フィレンツェと言っても完全に郊外で、中心地から約30kmくらい離れています。しかもコンシューマー向け店舗のいくつかと雑居した平屋ビルの一区画を借りているようです。イメージしていた社屋とは全く違っていて驚きました。

■防寒性とスタイルを見事に両立
レザージャケットはタイトな身頃をセールスポイントにしている商品が多いので、中綿入りのものが少ないです。そしてその分だけ防寒性が低いのが欠点です。
ただ、このジャケットは適量の中綿をキルティングで縫いこむことによって、防寒性を高めています。

もちろん、最近の高級ブランドのダウンジャケットは、フィルパワー800以上の高品質なダウンを惜しげも無く仕込んだものが多いので、本当に防寒性/保温性を追求しようと考えたら完敗です。
ただ、11月から12月初旬や3月(の10℃前後の気温)であれば、全く問題ありません。
しかも中綿の量の調整が絶妙で、スリムなスタイルを全く崩していません!
この辺はイタリア人ぽいこだわりだなぁと感心させられます。

■スタイル
Garrettのジャケットは比較的細身な作りです。と言うか、イタリアの最先端ファッション(PITTI UOMOとかに出展するブランドのもの)は細身のものがほとんどです。
私の中ではSchottなどに比べるとVANSONも細身の部類に入るのですが、VANSONに比べると全ての部位が細身になっているので、体型によっては他のブランドに比べると若干窮屈に感じる部分もあるかもしれません。
米国産のものは良くも悪くも二の腕部分が太めに作ってあるケースが多いです(おそらくアメリカ人の体型の影響)。
Garrettのこのジャケットの場合は、二の腕も肘から先も全て細いので、シャツを着てニットを着ると二の腕の動きが制限されるくらいに窮屈に感じます。なので、インナーは相当制限を受けます。
私も通常は、シャツかカットソーくらいしか中には着ないようにしています。
腕の途中に縫い目を入れて立体的な動きに対応しているところは芸が細かいですね。

■触ったことない革質
スェードの生命線は触感(手触り、肌触り)と考えています。その点では、Garrettスェードは最高級です。柔らかく滑らかで、(ちょっと昔のCMのようですが)シルクのような手触りです。
今まで私が触ったことがあるスェードは、全て毛羽立った表面が特徴的で決して手触りの良いものではありませんでした。しかし、Garrettのものは全く違います。
最初は「革が薄いのか?」と思ったんですが、確認すると革の厚みは十分あります。と言うより、廉価な某隣国製品と比べれば、逆に厚いくらいで、VANSONと比べても全く見劣りしません。
世界中のスェードを触ったことがあるわけではないのですが、間違いなく最高級品のレベルです!

品質を高めている理由の1つは間違いなく鞣し工程にあります。
ご覧の通り、イタリア植物タンニンなめし革協会のお墨付きである『VERA PELLE』の称号を獲得しています。

同協会はイタリアのトスカーナ州にあるタンナー23社で構成された由緒正しき団体で、常に工法の開発と品質認証を行なっています。
鞣しや染色など一貫して自社で行なっているGarrettも当然加盟しています。
ベジタブルタンニン鞣しにもいろいろ違いがあるとは思いますが、レザー加工の本場であるイタリアの業界団体が認めた品質だからこそ、この柔らかさや温もり、手触りが実現できているのかもしれません、

ただ、若干難点もあります。余りにも柔らかすぎて、変な形で形状記憶してしまうことが多々あります。
特に以下の写真のように襟部分が反り返ってしまい、元に戻すのに大きめのクリップで数日抑える必要があったりします。
なので、保管時にはちょっと気を遣ってあげる必要がありますね。

■機能的にも手を抜かないイタリア人のレザーアイテムに対する半端ないこだわり
ポケットは両胸に1つづつ、あとは腰位置の両サイドにハンドウォーマーがあり、内ポケットは形状違いで両サイドにあります。
胸ポケットは若干小さめなので、小銭入れくらいしか入りませんが、ホックで入口が止められるのは割と安心です。


内ポケットは形状を変えて2つ備えてあるので、収納力は相当高めです。



しかも左の内ポケットはジッパー付きですから、財布とか重要なアイテムの収納には最適です。

また、袖はジッパー方式で絞れるようになっていて、前立てと同じような中型スライドフック付きです。

結構豪華なフックなので、揺れた際の音がしっかりしていて存在感を示しています。
前立てのジッパーはダブルなので、閉めたまま座る際などは非常に便利です。


両サイドのハンドウォーマーの端にリベットを打ってるところは、堅牢性を高めるという機能美よりもGジャン感を出したかったのかもしれませんね。



天神ワークスのJS02とかVANSONはどうしても重厚感がありすぎて困る時があります。
ウールやコットンのパンツに合わせづらいと言うか、デニム優先になる傾向があります。
その点、同じレザージャケットでもGarrettのスウェードジャケットは、スウェードの温かいイメージとレザー特有のハードなイメージを共存させているので、コーデの幅が広いです。
しかも手触り最高で柔らかい仕上がりになっているので、カジュアルウェアとしては気温が許す限り、着用頻度を上げたい逸品になっています。

2018年11月17日土曜日

G-SHOCKの電波ソーラー(GW-M5610BC-1JF)は使い勝手が良すぎて手放せない

几帳面な性格だからかも知れませんが、普段の生活で秒単位で正確な時刻を知ることができるのは非常に便利です。
機械式時計をしているときは、スマホで確認すれば良いんですが、電波時計があればこれ以上に便利なものはありません。 比較的旧型のG-SCHOCKとEDIFICEは持っているのですが、そろそろ新しい電波時計が欲しいなぁと考えて、G-SHOCKのマルチバンド6(世界6箇所の電波を受信可能)機能付きの中から候補を選びました。 調べていて驚いたんですが、G-SHOCK(特にMR-G)の価格設定はここ数年上がっています。 技術の進歩に伴って時計の機能もかなり向上していて、ハイエンド機については20万円以上のラインナップです(しかもスマートウォッチ化しているので、定期的な充電が必要)。 メーカー差別するつもりはありませんが、さすがにG-SHOCKに20万は出せない・・・。 そこで、 ・電波時計(マルチバンド6) →時刻合わせの必要なし! ・ソーラー充電 →電池交換の必要なし! ・バンドは中折れ式(ラバーバンド尾錠式はNG)→着脱が楽ちん! ・シンプルなデザイン →使わないゴテゴテしたボタンや表示は不要! ・できればアナログ針付き →デジタルからアナログに脳内変換する必要なし! という条件で安価(5万円以内)なG-SHOCKを探しました。 いくつか候補を絞って実際にお店に行って確認したところ、最もしっくりいったのはこちらのGW-M5610BC-1JFです。
ほとんどの機種がラバーバンドで尾錠を留める必要があったんですが、尾錠は留めるのに手間がかかるのであまり好きではありません。これは樹脂製のコマで中折れ式ベルトですので、心配は無用ですね。
本当はアナログ針が付いているモデルが欲しかったんですが、希望の価格帯では探しても探してもそんな機種はありませんでした。 GW-M5610BC-1JFは、G-SHOCK珠玉の1stモデルの復刻デザインで、シンプルでカッコイイです。ただ、ブラックフェイスでデジタル文字盤が通常と逆転色調になっています。

■とにかくシンプルを追求したモデル
箱からして至ってシンプルです。

本体を傷つけないようにしながら、最低限の物しか入っておらず、箱サイズ自体も非常にコンパクトにまとめています。
時計自体にも日常の生活で使用する可能性がある機能しか付属していません。
G-SHOCKなので耐衝撃性能はもちろんですが、ストップウォッチとアラームくらいで、それ以外は普段絶対使わない別の国の時刻表示とかですね。
電池は機能をいろいろ使って10ヶ月くらいは持つようなんですが、暗闇で10ヶ月間も過ごす生活はしていないので、電池が切れてしまう心配は無用ですね。
■超絶に簡単なバンド調整(素人でもできます) 簡単にバンド調整の方法を解説します。 普通は、ベルトサイドの穴から内側にテンションをかけている突っ張り棒を押し込んでベルトの駒を外す方法が一般的です。そして、調整が済んだら逆に突っ張り棒を押し込んではめる作業が発生します。 ただ、このM5610BCの駒は内側に突っ張り棒が収まっているので、調節後に棒をはめる作業が至って簡単です。
通常はこの状態・・・

外すときは他の時計同様に外側の穴から爪楊枝などの細い棒でバネ棒を押す必要があります。
外すとこんな状態です。

駒を落とした状態でバネ棒だけはめてみると分かるのですが、内側の穴が半分以上見えているので、はめるのが超絶簡単です。
力も技術も道具も不要で、誰でも2−3分でサイズ調節ができるっていうのはCASIOさんのこだわりを感じます。 また、このバンド自体もスグレモノです。

私自身ラバーベルトも嫌いでは無いのですが、横着な性格なので、尾錠で毎日ストラップを着脱するのが面倒くさい・・・。 だったらブレスレットでホールドしてしまえば良いんですが、金属製は結構重いので、悩むところです。 このM5610BCのブレスレットは、何と樹脂製で非常に軽く仕上がっています。

正確には「コンポジットバンド」というらしいのですが、軽量で堅牢性に優れており、自分史上最高の実用性と感心しています。 ■徐々に慣れる逆転色調 ブラックフェイスの文字盤にグレーの時刻表示という変わった色調になっています。
最初はこれになかなか慣れなかった・・・。 ただ、明るい場所ではクッキリ見えるし、暗い場所ではELライトを点灯すれば良いので困りません。
最近徐々に流行り始めたこの表示方法は結構オススメです。
但し、1点だけ問題点を挙げると、CASIOが公式に訴求している「オートライト」(暗い場所で腕を傾けると勝手にライトオン)という機能は、あまりあてにしないほうが良いです。実際には、見ていないのに勝手に点灯したり、見たいときに腕を傾けても点灯しない、なんてことは日常茶飯事です。
ちなみに右上ボタンを押すと1−2秒はライトが点灯してくれるので、暗闇でも特に困りはしませんが・・・。
ライトの色はいつものグリーンです。

■機能としてあれば最高と思える点 欠点ではありませんが、あれば良いなと思う機能が1つだけあります。それが時刻電波の「自動受信機能」です。 電波時計なので、自分で時刻合わせをする必要は無いのですが、唯一の例外が海外渡航時です。 それほど大変な作業ではありませんが、到着後に自分で6つの発信基地のいずれかから電波を受信する必要があります。 ハイグレードな機種は「自動受信機能」が付いているようですが、これくらいの価格帯だとさすがに付いていません。 1年に1回行くか行かないかの海外旅行や海外出張なので、それほど困りませんが、どうせだったら付けて欲しかった、というのが率直な感想です。

お店の人に「丈夫だし、電池交換の必要は無いし、これさえ有ればもう一生時計を買う必要はありませんね」と話したら、「ソーラー電池に寿命があって・・・」と申し訳なさそうな顔をされました。
そうです、ソーラー電池も一応電池なので、徐々にへたるのです。
つまり充電方法は照明なんですが、電池自体は一般的なもの(リチウムイオン電池)と変わらないので、使っていくうちに徐々に充電しなくなる!
使用頻度にもよりますが、もっても10年くらいとのことです。
時刻合わせや数年おきの電池交換が必要ない分だけ使い勝手は非常に良いのですが、一生使える訳ではない・・・そう考えると、10年後にはきっと新しい時計を買っているだろうなぁと意味のない想像をしてしまいます。