2019年5月14日火曜日

Big Vision(ビッグヴィジョン)でシャツをオーダーしてみた感想(その1)

ビッグヴィジョンでは、よくスーツをオーダーするんですが、今回はシャツをパターンオーダーしてみました。

結論だけ先に書いてしまうと、十分合格点を出せる満足のいく仕上がりでした。


今回使用した生地はTHOMAS MASON(トーマス・メイソン)で、タグに記載がある通り18世紀創業の超老舗メーカーです。英国王室御用達のブランドでもあります。
AlbiniやCANCLINIも好きですが、一流の生地メーカーの中で個人的には最も好みの柄が多い会社です。



色はパールホワイトで若干光沢があり、柄はご覧の通り杉綾織です。
THOMAS MASONの良いところは、ただの杉綾ではなく模様に凹凸をしっかりつけているところです。
近付いて見ないと分かりませんが、非常に芸が細かいですね。




























ボタンについても最高の仕上がりで底光りする光沢(白蝶ではなく高瀬貝)に、3mm以上の十分な高さもあり高級感があります。
ボタンの縫い付けも手が込んでいて、通常十字に縫い付けるところを、鷹の爪のように1ヶ所から三方に延ばして縫い付ける(『千鳥』と言います)ことにより、強度を高めて傾斜を欠けることにより着脱が容易にできるようにしているところが凄いです。




























袖口の縫製も雑な感じは一切ありません。
スタッフさん曰く国内機械縫製とのことですが、良い機械を使っているのと、技術者のテクニックが相当熟練されたものであることが伺えます。

ガジェット部分に裏から五角形の別布が当てられ、強度アップの為にどうやら二重に縫ってあるようです(写真では分かりづらくてすいません)。
この辺も品質に対するこだわりを感じます。





























秀逸だったのが襟周りです。
個人的なこだわりで、襟に立体感が無いとシャツをオーダーしている意味が無いと考えてしまうくらい襟まわりのデザインを重視していますが、ビッグヴィジョンのシャツは完璧にスタンドしています。
しかも立っているのは第一ボタンの周辺のみで身頃はキレイに身体に貼りつくような計算がされています。
手で縫っているのでなければ、余程最初のデザインが良くなければ出せる立体感ではありません。
感服です。





















肩周りの縫製も完璧です。
あえて欠点を探すとしたら、身頃と腕の接合部分に杉綾の柄がキレイにのっていないと言う部分でしょうか。
勿論、そんな細かいところを気にする必要はありませんが、他の部分は完璧すぎて怖いので、執拗なまでに細かくチェックした結果としてお考えください。


































ヨーク(背中上部の縫い合わせ部分)についても、キレイに仕上がっています。
凄いなぁと感心したのがヨークのセンターラインの接合部分です。
ヨークにセンターラインをとること自体が縫製の手間がかかるのでなかなかお目にかからないんですが、背中の立体感(=着心地アップ)を追求すると必要な作業になるんですよね。


これが非常に美しく仕上がっていて、涙が出そうでした(笑)。どうやら『スプリットヨーク』と言う技法で、超高級テーラーでしか採用されないようです。

気になる価格ですが、Thomas Masonをはじめとする海外の高級生地メーカーのものは普通に作ると1枚で1,8000円ですが、年間6回くらいのペースで定期的にやっているセール期間中であれば2枚で21,000円で作れます。ちなみに、今回のオーダーは『カスタム仕上げ』と言う特別なもので、1枚あたり+2,000円でやってもらえます。もし、ビッグヴィジョンでオーダーするのであれば、外せないオプションです!

2019年5月7日火曜日

Air Jordan 11 の72−10モデルには、屋外使用がはばかられる高級感がある

以前ご紹介したNIKE Air Jordan 11 Retro(Low)ですが、今回ご紹介するのは『72−10モデル』です。

この数字にどんな意味があるのかと言うと、マイケル・ジョーダンが活躍していた頃のNBA95/96年シーズンで72勝10敗と言うシーズン記録でチャンピオンシップを手にした際の記念モデルと言う意味合いです。
実は以前からこう言う高級なレザーモデルを出せば良いのに、と考えていた私は即買いしてしまいました。

ご覧の通りのレザーアッパーで高級感を醸し出しつつも、ソール周りのパテントレザーは従来通りの輝きを放っており、11ファンの心をガッチリ掴んで即完売となったモデルです。

アウトソールも通常のAir Jordan 11 Retro同様にシースルーでJUMPMANが見える仕様になっており、写真ではわかりづらいですが、JUMPAMNの色はネイビーです。

さすが記念モデルだけあって、箱やスリーブにも手は抜いていません。
通常のモデルのように単体箱ではなく、二重構造になっていて、中にはプラの透明カバーが掛かった状態で商品が収まっています。

アッパーはフロントからサイドにかけて天然皮革が用いられており、パッと見は判別できませんが、通常モデルとの違いは明らかで、詳しい人(と言うかスニーカー愛好者)からしたら垂涎の的でしょう。
ちなみに、このレザーは非常に柔らかく鞣されており、天然皮革ならではの履きにくさは全くありません。靴ズレの心配も皆無です。
若干シボが強めに入っていますが、湾曲部分ですのでこれくらいシボが入っている方が、変なシワが目立たなくて良いと思いますし、実はそれほど目立ちません。


サイドの見た目は通常モデル同様に鋭利な刃物を思わせるエッジが効いた感じに仕上がっています。
内側:えぐられた土踏まず部分が最高ですね。
外側:天然皮革/パテントレザー/セメントパターンとバランスが取れたデザインが映えます。


ヒール部分には天然皮革は使われていません。赤いJUMPMAN刺繍が入っているのみです。
「どうせならヒールまで天然皮革でも良かったのでは?」と最初は思いましたが、よくよく考えてみると通常モデルでも切り返しになっている部分ですので、同素材で縫い合わせよりも別素材で切り返した方がカッコ良いと言うNIKEのデザイナー陣に賛成です。

ちなみに通常は紙が丸めて入っているだけの型崩れ防止ツールですが、今回はプラ製のシューツリーが入っていました。アッパーにレザーが使われているからと言うのもあると思いますが、この辺も記念モデルならではの心配りですね。

シューレースの先端部分の仕上がりも高級感があります。


アウトソールや内部構造に特に通常モデルとの違いは無いので、履いた感じはごく一般的なJordan11と同様ですが、見た目の破壊力は凄まじいですね。さすがレザーモデルです。

実はこのスニーカーは、まだ試着しかしておらず屋外では着用していません。
ちょっと高級感がありすぎて二の足を踏んでいるのと、若干供給過多気味で着用を待っている靴たちがたくさん居るのが主な理由ですが、放っておくと加水分解でソールが剥がれしまう恐れもあります。
そろそろ実用に回そうと考えて居るのですが、そのスニーカーにあるまじき高級感から着用しづらい逸品ではあります(涙)。

2019年5月2日木曜日

Global Styleでシャツをオーダーしてみた感想

既成のスーツが身体にフィットしないのと同様に、既成のシャツもフィットしません。
なので、スーツ同様にシャツも結構な頻度でパターンオーダーします。

今回は、Global  Styleでシャツをオーダーしてみたので、その体験記を残しておきます。

Global Styleのオーダーシャツは、一般的なシャツのパターンオーダー同様に、襟型やカフス(袖)、前立てなどいくつかの部位について、数パターンから好みの形状を選択して、注文する形式をとっています。

ちなみにブランドとしては、Phoenix/MEGURO/芦屋シャツと3種類ありますが、最初にどれにするか聞かれるかというとそうではなくて、「襟はどうしますか?」「ポケット有無&形状は?」と聞かれていって、最終的に適合するブランドで決まる感じです(最初にブランドは聞かれません)。

今回は芦屋シャツになりましたが、スタッフさんに聞いたら、「最もバリエーションの幅が広い高級ライン」とのことです。



生地は高級ラインの中でも一般的なAlbiniにしました。
Albiniの生地は、イタリアの生地では珍しく見た目だけでなく肌触りにも気を遣ったラインナップが多く、今回選択した生地も非常にサラッとした肌理の細かいものです。

カフスは、オーソドックスですが角切りでボタン仕様にしました。
ダブルカフスにしても良かったのですが、Global Styleでシャツをオーダーするのが初めてだったので、縫製の仕上がりが不安で一般的なもので様子を見ることにしました(縫製が雑だと洗濯を数回繰り返すうちにカフス穴がずれてくることがあります)。

見た所、特に縫製に問題はありませんでした。
後から聞いたんですが、芦屋シャツは国内の機械縫製で今まで仕上がりに付いてクレームが付いたことは一度もないと言うことです(まあ、これから購入する人に「クレームが多い」とは普通言いませんよね)。

ちょっと不満だったのが、襟元に立体感がないことです。
既製品に比べると襟のラインが地面と平行に近いのはオーダーシャツならではの長所ですが、襟自体の立体感(第一ボタンの位置が高いかどうか)は、あまり感じませんでした。
襟が全体的に寝ている感じ。


ボタンについても、色艶の良い白蝶貝ではありますが、それほど厚みも無くて若干高級感に欠ける感じです。
ただ、ボタン付けの縫製はしっかりしていました。

縫製をチェックする際には必ず見る部分である、裾(特に前身頃と後身頃の接続部分=ガジェットと呼ばれています)をチェックするとまあまあな仕上がりです。
高級な既製品では、よくガジェットに別布を使用したりしていますが、今回は特に使用されていません。
見えない部分ですし、縫製がしっかりしていれば別布である必要は全く無いと個人的には考えています。

生地自体の模様はさすがAlbiniと言う気品を感じます。
これはお店の努力ではありませんが、遠目では普通のホワイトシャツなのに近づくと薄っすらと蜂の巣状の模様が認識できる感じです。何度も書きますが、さすがAlbiniです。

肩周りについては、機械縫製の割には比較的立体感がある仕上がりになっていました。
単に丸みを帯びているという既製品に比べて奥行きもしっかりとられていて、サイズ感も特に違和感を感じませんでした。
もしかしたら肩周りだけは職人さんの手縫い?と勘違いするくらいの仕上がりです。




























Global Styleのパターンオーダーシャツは、割と価格が高めで普通に1着だけオーダーすると1万円以上かかってしまいます。
勿論、生地自体も双糸のものが多くて特に不満はないんですが、最近では安価にオーダーできるお店が増えているのでオーダーシャツ初心者のかたには若干敷居が高いかも。
そして、メーカーズシャツ鎌倉なんかはサイズラインナップが相当に豊富で、200番手や300番手のシャツが比較的安価に購入できるのでオススメです(昔書いたメーカーズシャツ鎌倉の記事はこちらで)。