2018年11月16日金曜日

Big Vision(ビッグヴィジョン)でパターンオーダーしてみた感想

1年に1−2着のスーツを新調するんですが、最近ビッグヴィジョンさんのパターンオーダーにはまっています。
廉価で高品質なスーツを提供してくれる店には足が向いてしまいます。 ここから少し悪口です。
親会社のヨ◯ムラでも2回ほど作ったことがあるんですが、不思議とヨ◯ムラで作って、うまくいった試しがありません。 自分なりにその原因を分析すると、 ①パターン(スタイル)を選ぶ権利が無い(少なくとも聞かれない)。 ②熟練のスタッフさんが自信満々に自分の価値観を押し付ける。 ③客層が高年齢化しているため、流行のデザインに対する受容性が無い。 といったところです。つまり生地ではなく、全てスタイルに関する問題。 特に①については、一瞥して「このお客は、体型的に◯◯(スタイル名称)があってるな」と決めたら、客には相談しません。私の場合、肩幅はそこそこあるけれど。痩せ型なので、ブリティッシュスタイルは似合いません。なのに、肩幅と身長だけで勝手にブリティッシュスタイルを指定したりします。
最初に作った時は、仕上がった段階で相当パンツ裾が相当短く仕上がってしまい(通常、股下は88−90cmなんですが、この時は79cmでした)、直しを依頼しにお店に行ったら「今はこのくらいで穿く人が多いです」と言われて怒り心頭でした。 店員さんと話していても何となく「長年の経験を積んだ俺様が言うことが全て正しい」みたいな感じがします。 なので、ヨ◯ムラでスーツを作ることはオススメしません。 ※如何なる高圧的なアドバイスもはねのけて、自我を押し通すことができる方は、是非チャレンジしてください。 話をビッグヴィジョンに戻します。 もともとネット上ではあまり良い評判を聞かないビッグヴィジョンですが、イタリアの高級生地でも、そこそこの安さでパターンオーダーができる点や、シルエットのバリエーションが多彩な点に惹かれて興味がありました。 一度試して見ようと考えて作ってみたところ、縫製や採寸の正確性、スタイリングなど、他社と遜色ないレベルの仕上がりだったので、非常に満足しています。 最初に作ったスーツを元に簡単にレポートしたいと思います。 ちなみにこちらが完成品です。






■キャンペーン利用で安価に高級生地のスーツを作る 私が最初に作ったのは、Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)の生地を抽選で安く販売していたのがきっかけでした。価格は、シングルスーツ縫製込みで何と¥49,800。他にもいくつか生地の候補はあったんですが、生地代が安いので価格差があまりついておらず、どうせ作るのであれば良い生地で作ろうと考えてゼニアを選択しました。
抽選して2回目で当選しました。
この抽選方式がなかなかドキドキするんですが1回目で落選した時には「やはり安いから沢山応募があるんだろうな」と感じました。
※実際にお店のスタッフさんに聞いたんですが、1回目は応募数が多いけど2回目からは減るので当選確率が上がる、とのことです。「もしお目当の生地が抽選販売で出てきたら、諦めず何度も応募して欲しい」と言われました(但し、1回の抽選で応募できるのは1回だけ)。
生地の種類は、ELECTA(エレクタ)の濃紺です。Electaは耐久性が高くてシワになりにくく、微妙に光沢をあるので、高級感を醸し出すには最適です。

ELECTAについて不満はないんですが、ご注意いただきたいのが色調です。
間違いなく濃紺(ダークネイビー)なんですが、相当ブラックに近いです。
ブラックと並べると違いは歴然ですが、単品で見ると(もしくは他のメーカーのダークネイビーと比較すると)明らかにブラックに見えます。
写真で見るとチャコールグレイにも見えますが、ディープダークネイビーとお考えください。

■スタイルは選ぶのに困るほど豊富 店頭で悩むのが嫌いなので、ビッグヴィジョンのHPで選べてシルエットをチェックしておきました。 余り選ばれないであろうトリッキーなものを含めて、数種類あります。もちろん、仮縫い付きフルオーダーも可能ですが、おそらくヨ◯ムラに回されるでしょうし、バリエーションが豊富なのでそこからも十分選べます。モダンブリティッシュ系が人気とのことですが、私は少しオシャレに見えるようにV5モデル(コンケーブド・ショルダータイトモデル)を選択しました。
身頃はタイトに絞りながら肩口を盛り上がらせてボリュームを出すというフレンチスタイルです。
■オプションはセットが絶対的にオススメ 一般的なパターンオーダーのお店同様にオプションは豊富です。 ただ、ビッグヴィジョンの良いのところは、いくつかのオプションをセットにすると安価に追加できる点です。
正確に記載すると、カスタムAとカスタムBの2種類のオプションセットが存在します。
今回はカスタムAを追加しました。
セット内容は、丸台場(本台場)、本水牛釦、キュプラ裏地、ピックスティッチで、11,000円→6,000円というものです。台場は絶対入れたいと考えていました。

カスタムBだと、バルカポケットなど多くのオプションが含まれていて、17,000円→10,000円になるんですが、不要なものも含まれているので、カスタムAを選びました。ちなみに、キュプラの裏地については選択肢が相当豊富ですが、本水牛のボタンは光沢有無と柄で数種類しか選択肢がありませんのでご注意ください。
カスタムAには含まれていないんですが、本切羽も追加しました。
仮縫い付きのフルオーダーまでは行かなくても、自分なりにこだわったスーツを作りたい人はカスタムBがおすすめです。台場がついてくるだけでなく、ボタンホールの糸の色まで変えられるので、究極のカスタマイズを楽しめます。


またビッグヴィジョンの良いところは、ベストの追加料金が安価である点です。

他店では「生地代の30%」という設定が多いんですが、10,000円or12,000円という安価で、ベストかスペアパンツを追加できます。
今回のELECTAだと他店で15,000円くらいのものが10,000円で出来るので、お得度は高いです。 ■生地は高級なものに限る 今回は決まった生地の抽選なので、最初からELECTAに決まっていますが、生地の在庫はそこそこ多くて選択肢は豊富です。 最低価格は¥23,000なんですが、それでも7−8種類ありました。
しかも、Global Styleとは違い、安価なラインナップでも紺/ブラック/グレーの他に一般的なストライプと普段使い出来る生地が多いです REDAから始まる海外製生地(いわゆる舶来もの)に限ってみても、一般的な価格帯の中で選んだとして数十種類はあるので、予算内で好みの生地が見つからないということは無いでしょう。 私の場合は、キャンペーンで生地が決まっていましたが、バンチブックを見せてくれと頼んだら、大量の生地メーカーのものを見せてくれました。 ただ、10万円以上する高級な生地については余り動きが無いらしく、「キャンペーンで価格を下げた時に出るくらい」とスタッフさんは言っていました。 また、一般的な生地メーカーと高級メーカーで余り価格差が無いので、少し高価くても高級なものを選んだ方が、コストパフォーマンスは高いです。
バンチブックで確認した感じでは、ゼニア、ロロ・ピアーナ、ダンヒルあたりが高級ラインでは種類が豊富にありましたので、特別な仕入れルートを持っているのかもしれません。
■採寸の正確性 採寸してくれた若いスタッフさんは、若干慣れない手つきで採寸してくれました。正確に測ってくれているかどうかちょっと怖いなぁと考えていると、その気持ちを察したのか「万が一、採寸間違いで出来上がりが合わなかった場合、半年以内で3cm程度であれば無料で修正します」と言ってくれました。結果として採寸に問題はなかったんですが、縫製の段階で失敗するケースもあると思うので、「無料で修正」というのはありがたいポイントです。
結果としては気になる点は特に無くて、どの部位についてもほぼ完璧な採寸でした。
■縫製も評判よりはるかに上出来 最も気になったのが縫製だったので、細かくチェックしてみました。 1箇所だけ余り糸が飛び出している部分がありましたが、それ以外はほぼ完璧に仕上がっています。工場の場所を聞いたら、時期や生地によって海外(中国)と国内を併用しているとのことです。 運針間隔も比較的に正確ですし、オプションに含まれているラペルのスティッチも綺麗に仕上がっていました。
ネット上では相当に悪い書き込みが多かったですが、この辺は百聞は一見に如かずと言ったところです。 裾仕上げが若干雑かなぁと感じた以外はほぼ完璧でした。

靴擦れ防止の補強布がELECTAではない!
見えない部分なので全く問題ありませんが、コスト削減の一貫なのか、感心させられます。 作った後に採寸したデータをコピーしてくれ、とお願いしたら、笑顔で「良いですよ」と渡してくれました。 ビッグビジョンの他の店舗でも作ったことがあるんですが、作ったお店さえ覚えておけば、他の店舗でも電話1本で採寸データを取り寄せてくれるので便利です。 もし、スーツをオーダーしたいけど、価格で悩んでいる人がいたら、ビッグヴィジョンは間違いなくオススメのお店です。2−3カ月に1回くらいのペースでキャンペーンをやっているので、ビッグヴィジョンのHPをこまめにチェックしてみてください。

もしよろしければ、「Big Vision(ビッグヴィジョン)でパターンオーダーしてみた感想(その2)」もお読みください。


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