2018年10月9日火曜日

天神ワークスのJS02は、シングルレザージャケットの王道を往く


天神ワークスの名前を知ったのは、友人と「どのブランドのレザージャケットが最強か」と言う話題で話していたのがきっかけでした。
個人的にはVANSONのものが体型にもあっていて好みなんですが、友人は「国産でも良いものはある」派で、具体的なブランドの名称として挙がったのが天神ワークスでした。気になって調べてみると、ネット上でも比較的高評価。
なので、百聞は一見に如かず!と実際に購入して見ました。

■JS01とJS02の違い 価格的には海外の高級ブランドとまでは行かなくても、税込みで15万円以上しますのでそこそこの価格です。
襟付きシングルジャケットにはJS01JS02があり、違いは以下の通り。
JS01JS02
着丈短丈JS01よりも長め
サイドポケットジッパー有りジッパー無し
腰アジャスタ(ブラス)無し有り

両モデルともにカラバリは豊富ですが、在庫状況は時期によって違うようです(色によっては数ヶ月欠品も)


私が購入したのはJS02のブラックです。

両方試着してみて、スタッフさんからは、「JS02のほうが細い」と言われたんですが、はっきり分かるような違いはありませんでした(両方とも比較的細め)。
実際に着用してみると、意外にも「教科書通りに基本に忠実だな」と言うのが率直な感想です。
短めの着丈に長めの袖、腕丈と着丈のバランスでスタイリッシュに見せることに成功しています。


サイドポケットは、ファスナー有無を変更できるそうです。

また自分の体型に合わせてオーダーもできるそうですが、納期とかコストを考えるとあまりオススメできません。

腰のアジャスタはブラス製で購入当初からいわゆる「ヤレ感」(使い古された感じ)が出ています。
これも無しに変更できるそうですが、だったら最初からJS01買いますよね。


■天神ワークスの考えるライダースとは
天神ワークスの特徴として、袖口を思いっきり絞っています。
ボタンを外せば多少は広くなりますが、可動部分が狭いのでホックを外しても細さにはほとんど変化はありません。

他のブランドに比べても、肘から袖口までのテーパード具合は相当なものです。腕時計を頻繁に見る人にとっては結構厳しいポイントで、私はデカ厚時計をすることが多いので、引っかかり具合は気になりました。また、厚めのインナーは着用すると腕が曲がらなくなる可能性もあります。

ただ、ジッパーではなくホックボタンにしてライト感を出している点はデザイン的にポイントが高いです。武骨なバイカー革ジャンも良いんですが、バイクに乗っていなくても革ジャンを着ていて良いのだ、と感じさせてくれます。
この辺は天神ワークスのイズムを感じるポイントです。

■革質は良いが、?な部分も
革の手触りはブルハイドではないか?と感じるほど丈夫な感じはします。ベジタブルタンニンなので経年変化は楽しめると思います。まだスレが出るほどは着ていないので耐用度合いは分からないのですが、適度な柔らかさを残したまま厚みは十分に取っていますので長年にわたって着用可能かと思います。
ブラックなのでそこまで激しい変化はすぐに得られませんが、今後エージングを楽しみたいと思います。
エージングを楽しみたい人にはタン(生成り)がオススメで、少し検索すると大量にJS01や02のタンの経年変化具合を見ることができます。

革質について非常に気になったのが、部位によって革質に違いがある点です。
例①腕部分と身頃の革質

例②背中上部と背中下部



鞣し時期による違いが目で見て分かるレベルになるには数年レベルで違わないと分からないので、おそらく使用している部位が違うと思われます。
勿論、よく見ないと分からないレベルではありますが、写真でも分かる通り明らかに違いがあるのは如何なものかと思います(少なくとも他のブランドでは見たことがありません)。

■スタイル全般的に洗練されています 背中は比較的広めに1枚革を使っています。この辺はさすが値段だけのことはあるなと感心しています。

よく縦に縫い目が入っている安価な革ジャンがありますが、コスト削減のために狭い革を複数枚つなぎ合わせている分だけ裂けやすく、耐用年数は短くなってしまいます。天神ワークスの革ジャンに関しては肩甲骨あたりに横一線の縫い目がありますが、1枚革の面積が広いのと動きがある場所ではないので、裂けてしまうとかそういったことにはならないと思います。
縫製に付いても見た感じではホツレなども無く、おそらく国内の職人さんによるもので、比較的丁寧且つ均一に縫われています。


襟は折り返しもしっかりしていて、サイズもちょうど良いです。

VANSONのENFとかは折り返しの個体差が激しく、ハズレを引くと結構カッコ悪い襟だったりします(少し見れば分かるんですが、高額商品を購入する緊張で細かくチェックできないケースがほとんです)。
天神ワークスでも多少の個体差はあると思いますが、国内生産であることからそれほどヒドイものはQCで弾かれると思われます。サイズだけでなく開き具合も良い感じです。

裏地については若干起毛性があって肌触りが良く、強度もそこそこありますが、中綿が入っている訳ではないので防寒性は通常の革ジャンレベルとお考えください。また、左胸位置に内ポケットが備えてありますが、収納力はごく一般的で財布くらいしか入りません。


致し方ない部分ではありますが、牛革なので伸縮性に乏しく腕の曲げ伸ばしで尺骨が見えたり隠れたりします。
他の革ジャンに比べると、天神ワークスの場合はその差が激しいのは、おそらく腕部分が細いから引っかかりやすいためだと思われます。
①腕を伸ばした状態

②腕を曲げた状態
②の方は尺骨がしっかり露出しているのが分かりますよね。
気にしなければ大丈夫なのですが、他社製には無い特徴です。



着用して見た感想をそのまま言葉にすると、「1960-70年代にロンドンのカフェに集っていた都会派バイク乗りが着ていた革ジャンを、天神ワークス流に解釈して日本人用に再現して見ました」と言うところでしょうか。
VANSONやルイスのように外国人体型の人のみ着用可と言うことはなく、あくまでも万人受けするように最大公約数を形にした感じがします。

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