2017年10月9日月曜日

「ものづくり」の意地が光る国産サイドゴアブーツ:Slow Wear Lion 8208G

made in USAの人気が高いブーツ業界にあって、国産で頑張っているメーカーがいくつかあります。その中でもデザインや機能性において、特徴あるラインナップをそろえているのが Slow Wear Lion です。
サイドジップで着脱しやすさを意図したモデルが目立つSWLですが、別の意味で着脱容易なサイドゴアブーツをご紹介します。

購入
今回は上野(というか御徒町駅の方が近い:つまりアメ横の外れに位置する)のFoot Mon○eyさんで購入。但し、店頭で試着して楽天で購入というパターン。丁寧に対応してくれた実店舗の皆さんには申し訳有りませんが、7%分のポイントは結構大きいです。
丁寧に梱包されて翌日には到着しました。ネット上で購入ボタンを押したのが、お昼前後で、翌日の午前中に届くという神業。
一般的な段ボール箱ですが、中身は不敷布でキレイに整理されており、日本人の緻密な作業に関心します。



外装
①デザイン
特別な感じはしませんが、着脱しやすさを担保しながら、ギリギリまでシャープさを追究した努力の跡を感じます。特にフロントからのルックスの精悍さにはホレボレします。
コバの張り出しが広めにとってあり、ボリューム感たっぷりです。シングルで縫われていることに若干不安を感じますが、恐らくダブルにした瞬間に仰々しさが鼻をつくデザインになってしまうでしょう。

②upper leather
牛革でしょうが、そこまで肌理の細かさはありません。堅さからいって、おそらくキップ。だいぶ油分を含んでいるっぽい手触りですので、しばらくオイルアップは不要かと思います。

③outsole
Vibram ♯2021です。他の靴で実証済みですが、非常にクッション性が高いです。
厚底感は否めませんが、存在感があってVibramの中でも好きなoutsoleの1つです。
軽くてクッション性もありますが、摩耗も激しくて、割とすぐに凹凸は低くなります。
元々厚底なので、そんなにすぐにソール交換する必要はありませんが、SWLのHPにあるエージングレポートに記載のあるような「燃費が良い」ということはありません。

④縫製
米国製に比べてもっとも品質の差が現れやすいのが、縫製です。
言うまでもありませんが、国内有名メーカー特有の丁寧さが縫製の随所に垣間見られます。
グッドイヤーウェルトというのもポイントが高いですし、長期間にわたって愛用してほしいというSWLのこだわりを感じます。

内装
①カップインソール
インソールには着脱可能なカップインソールが設置されています。
程よいホールド感があり、クッション性を増す効果もあって非常に良いです。
はっきりと「MADE IN JAPAN」と記載されており、国産品としての自信があらわれています。

②ゴア
ほぼ奇麗な平行四辺形で、肌理の細かさも合格レベルです。
サイドゴアユーザーの間では、消耗品として扱われるゴアですが、SWLでも修理交換の対象となっています。よれてきたら交換できるのはブーツを長生きさせる手段として有効ですね。

履き心地
①ホールド感
甲の部分がちょうど良くホールドされる形になっていて、ホールド感は非常に高いです。
勿論、足の形にもよりますが、基本的なサイズ感が合っていれば問題ないレベルかと思います。
ただ、履き口が広めにとってあるので、アンクル周りが若干もたつくのと、見た目的に余り良くありません。短丈のパンツにはあまり合わないかもしれません。

②踵の抜け
つま先立ちの姿勢になったときの踵の抜けですが、これが結構気になるレベル。
脱げてしまうということはありませんが、サイズ感次第ではかなりのストレスのはずです。

③軽さ
Vibram♯2021のおかげで大分軽いです。最早スニーカーレベルと言っていいレベルです。重さゆえに重厚なブーツを敬遠しがちな人にも推奨可能な軽さです。

総評
Rolling Dub Trioと双肩を並べる国内屈指のブーツメーカーであるSlow Wear Lion。
残念なのは、HPでの紹介文章がやたらとセールスに寄っている点です。もう少し純粋に製品のバックボーンを訴求してくれると、ユーザーとしては好感がもてるんですが・・・。
いずれにしても良いブーツです。
ソールから広がるボリューミーな存在感を気に入って購入したSWL 8208Gですが、丁寧な構成で至る所にSWLの想いが込められており、非常にバランスの良いブーツです。
気になった方は在庫があるうちにお早めに!

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