2025年7月31日木曜日

Nike Air Jordan 5 Orange BlazeはShattered Backboardとも呼ばれる銘品

 Nike Air Jordan 5 Orange Blazeは、通称名が”Orange Blaze”ですが、巷では”Shattered Backboard”(所謂『シャタバ』)とも呼ばれています。カラーにオレンジが使われていることから来ていると思われますが、本家のAir Jordan 1 Shattered Backboardと混同されやすく紛らわしいですね。



1. リリース概要

  • 正式モデル名:Air Jordan 5 Retro “Orange Blaze”

  • 発売日:米国では2021年10月2日、日本国内では2021年9月25日

  • 価格:米国では190ドル、日本国内では税込23,100円(当時はこんな低価格だった...)


2. デザインと特徴

カラーブロッキング

  • メインカラーはSail(オフホワイト)のアッパー。これにヴィヴィッドなOrange Blaze(鮮やかなオレンジ)をミッドソールやインナーに配し、アクセントを効かせている。

  • 「Shattered Backboard(シャッタード・バックボード)」と呼ばれる人気配色を彷彿とさせるカラー構成(オレンジ/白/黒/シルバー)になっていることから、非公式ながらそのニックネームで親しまれている。





素材・構造

  • アッパーはラムレザーとテキスタイルメッシュのコンビ。特にアンクル周りまでメッシュ素材を覆う設計が特徴的で、Air Jordan 5としては新機軸。

  • シュータンは再帰反射(リフレクティブ)素材を使用。フラッシュ撮影や夜間で光を反射し、視認性とデザイン性を兼備。

ミッドソール・アウトソール

  • オレンジブレイズのミッドソールには、シルバーの斑点模様付き「サメの歯(シャークティース)」を配し、戦闘機を思わせるノーズアート風の意匠に仕上げている。

  • アウトソールは半透明のラバー仕様で、ジャンプマンロゴや黒のアクセントカラーが際立つ構成。

その他ディテール

  • アイレット(シューレースホール)はブラック、レースロックは透明素材。

  • ヒールやシュータン、アウトソールにジャンプマンロゴを配置し、ブランド・アイデンティティを強調している。


3. 履き心地とユーザー評価

サイズ感・フィット

  • スニーカー系投稿では「小さめに感じる」という声が散見されますが、私も同意見です。圧迫感はありませんが狭く感じるのも事実です。

  • 素材構成はしっかりしているが、ホールド感はAJ5シリーズの中では比較的柔らかめ。


4. 歴史的背景・エピソード

Air Jordan 5の起源

  • 初登場は1990年デザイナーはNBAヒストリーに残るティンカー・ハットフィールド。第二次世界大戦時の戦闘機(P-51 Mustang)をインスピレーションに、ジャンプマンロゴのアウトソール配置など斬新なアイデアを盛り込んだ名作モデルとなった。

  • リリース当時、アメリカではAJ5人気で争奪戦や暴動も起こった伝説的モデルとして知られている。

シャッタード・バックボードとの関連

  • 初登場のAJ1 “Shattered Backboard”は、ジョーダンがイタリアで試合中にバックボードを粉砕したエピソードから発想された配色で、後にシリーズ化されるほどの人気。今回のAJ5 Orange Blazeはその配色イメージを受け継ぎつつ、AJ5の30周年記念イヤー(2021年)に合わせたアレンジモデルとされている。


5. 試着・コーデ提案

スタイルアドバイス

  • 白系ボトムス(デニム/チノ)との相性が抜群。アッパーのセイルカラーと馴染みやすく、オレンジアクセントが際立つため、秋冬に映えるスタイルになります。

  • シューレースは純正の白でクリーンにまとめてもよし、黒で引き締めるもしくはオレンジでアクセントを加えるもよし。ネット投稿でも多くのスニーカー愛好者が色替えを楽しんでいるようですが、個人的にはデフォルトの白のままが最適解かと思っています。

メッシュ素材の印象

  • 通常よりも足首まわりに広くメッシュ素材が使用されており、通気性と軽量感がある反面、賛否の分かれるポイントに。構造的にはAJ5をよりスポーティーにアップデートした印象。


6. 総評

Orange Blazeは、「AJ5らしい戦闘機モチーフと、シャッタード・バックボードのカラー感をモダンに融合させた一足」。

  • 視覚的なインパクトは非常に強く、夜間でのリフレクティブ効果、鮮やかなオレンジミッドソールがファンからも高評価。

  • 戦闘機風ノーズアート・メッシュ仕様・鮮烈なカラーリングといった要素が、AJ5ファンやスニーカーヘッズのコレクションにおいて強い存在感を放つモデルと言えるでしょう。






2025年7月30日水曜日

【Nike Air Jordan 5 Retro Pre-Grape 】やはり2015年製は若干加水分解が進んでいた

 2015年に発売されたNike Air Jordan 5 Retro "Pre-Grape"(型番136027-405)は、ジョーダンブランドの30周年記念として、1989-1990年シーズンにデザインされたオリジナルの空気感を現代によみがえらせた復刻モデルです。発売日は2015年5月2日で、日本国内はもちろん世界中で注目を集めました。発売時の定価は約20,520円(税込)でした。


この2015年モデルの最大の特徴は、元々は発売されなかった「
ネイビー×グレープ」カラーのサンプルをレザーアッパーに変更し、製品化した点です。オリジナルのAir Jordan 5の開発過程でティンカー・ハットフィールドによって制作された当時の試作品(サンプル)は、アッパーに「デュラバック」という合成素材が使われていましたが、今回の復刻ではより高級感・耐久性を狙い、レザー素材に変更されています。この素材の変更によって見た目がワンランク上がり、耐久性も向上しました





カラーリングはミッドナイトネイビー(濃紺)を基調とし、ターコイズブルーとグレープ(紫系)をアクセントカラーとして配しています。シュータンは3Mのリフレクティブ素材が用いられ、強い光に反射して視認性とデザイン性を両立。側面とシュータンには半透明のメッシュ素材が使われており、通気性と軽量感を演出しています。ヒールにはホワイトのジャンプマンロゴがさりげなく配置され、オリジナルの雰囲気を引き継ぎつつもクリーンな印象を持ちます

デザインのモチーフはマイケル・ジョーダンのプレースタイルと第二次世界大戦中の戦闘機「P-51 マスタング」のノーズアート(機首に描かれたサメの歯の模様)で、ミッドソールのギザギザ模様にそのデザインエッセンスが落とし込まれています。ミッドソールはミッドナイトネイビーで統一され、ターコイズブルーでサメの歯模様が際立つ仕様。アウトソールは透き通った「アイシーブルー」(半透明の青みがかったクリア仕様)で、グリップ力と足の動きをサポートする深めの切れ込みも備えていま

構造的には、当時画期的だったマックスエアユニットをかかと部分に搭載し、高いクッション性と衝撃吸収性を実現。さらにレースロック(シューレースストッパー)によるフィット調整が可能で、実際のバスケットボールプレーでも十分に機能する設計です。これがストリートファッションでも人気の理由となりました

ユニークな特徴として、このモデルのシュータンは裏返して履くことを想定したデザインで、タンの裏側には「AIR JORDAN」の文字が逆さまにプリントされています。これはオリジナルの仕様を忠実に踏襲した遊び心あるディテールで



注意点としては、素材の性質上、経年変化によりアウトソールに黄ばみのような変色が起こりやすいことがある点です。これは日焼けや展示によるものではなく、製造からの時間経過によるものです。使用状況によってはソールの破損リスクもあります。さすがに2015年製なので、加水分解が進んでいるであろうと懸念していましたが、案の定、変色とベタつきはそれなりにあります。実際の着用には問題なさそうですが、ベタつきが取れるまで少し時間がかかりそうです。




デザイン性、機能性、歴史的背景のすべてが絶妙に融合されたモデルであり、オリジナルの革新性を伝えつつも現代のスニーカーヘッズやバスケファン、ファッション愛好家に愛される一足として評価が高いです。