2025年7月30日水曜日

【Nike Air Jordan 5 Retro Pre-Grape 】やはり2015年製は若干加水分解が進んでいた

 2015年に発売されたNike Air Jordan 5 Retro "Pre-Grape"(型番136027-405)は、ジョーダンブランドの30周年記念として、1989-1990年シーズンにデザインされたオリジナルの空気感を現代によみがえらせた復刻モデルです。発売日は2015年5月2日で、日本国内はもちろん世界中で注目を集めました。発売時の定価は約20,520円(税込)でした。


この2015年モデルの最大の特徴は、元々は発売されなかった「
ネイビー×グレープ」カラーのサンプルをレザーアッパーに変更し、製品化した点です。オリジナルのAir Jordan 5の開発過程でティンカー・ハットフィールドによって制作された当時の試作品(サンプル)は、アッパーに「デュラバック」という合成素材が使われていましたが、今回の復刻ではより高級感・耐久性を狙い、レザー素材に変更されています。この素材の変更によって見た目がワンランク上がり、耐久性も向上しました





カラーリングはミッドナイトネイビー(濃紺)を基調とし、ターコイズブルーとグレープ(紫系)をアクセントカラーとして配しています。シュータンは3Mのリフレクティブ素材が用いられ、強い光に反射して視認性とデザイン性を両立。側面とシュータンには半透明のメッシュ素材が使われており、通気性と軽量感を演出しています。ヒールにはホワイトのジャンプマンロゴがさりげなく配置され、オリジナルの雰囲気を引き継ぎつつもクリーンな印象を持ちます

デザインのモチーフはマイケル・ジョーダンのプレースタイルと第二次世界大戦中の戦闘機「P-51 マスタング」のノーズアート(機首に描かれたサメの歯の模様)で、ミッドソールのギザギザ模様にそのデザインエッセンスが落とし込まれています。ミッドソールはミッドナイトネイビーで統一され、ターコイズブルーでサメの歯模様が際立つ仕様。アウトソールは透き通った「アイシーブルー」(半透明の青みがかったクリア仕様)で、グリップ力と足の動きをサポートする深めの切れ込みも備えていま

構造的には、当時画期的だったマックスエアユニットをかかと部分に搭載し、高いクッション性と衝撃吸収性を実現。さらにレースロック(シューレースストッパー)によるフィット調整が可能で、実際のバスケットボールプレーでも十分に機能する設計です。これがストリートファッションでも人気の理由となりました

ユニークな特徴として、このモデルのシュータンは裏返して履くことを想定したデザインで、タンの裏側には「AIR JORDAN」の文字が逆さまにプリントされています。これはオリジナルの仕様を忠実に踏襲した遊び心あるディテールで



注意点としては、素材の性質上、経年変化によりアウトソールに黄ばみのような変色が起こりやすいことがある点です。これは日焼けや展示によるものではなく、製造からの時間経過によるものです。使用状況によってはソールの破損リスクもあります。さすがに2015年製なので、加水分解が進んでいるであろうと懸念していましたが、案の定、変色とベタつきはそれなりにあります。実際の着用には問題なさそうですが、ベタつきが取れるまで少し時間がかかりそうです。




デザイン性、機能性、歴史的背景のすべてが絶妙に融合されたモデルであり、オリジナルの革新性を伝えつつも現代のスニーカーヘッズやバスケファン、ファッション愛好家に愛される一足として評価が高いです。


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