2018年11月13日火曜日

Tricker'sのカントリーブーツMalton

日本では何かにつけて経年変化(aging:エージング)がありがたがられる傾向にあります。 革製品やデニムなどを購入すると、老いも若いもこぞってエージングに勤しみます(まあ普通に使っていくだけですが)。 そんなエージング流行りに同調して、英国製紳士靴の中でTricker'sの人気、特にカントリーブーツの人気が急上昇しています。 元々英国王室御用達(いわゆるRoyal Warrant)をセールスポイントにしていたブランドなので、その完成度は非常に高いです。一人の職人さんがベンチに座って全ての工程をこなすベンチメイドと言う製法で作られており、創業以来、高品質を保っている点は尊敬に値します。 カントリーブーツは、英国紳士が郊外を散歩したり狩り(ハンティング)を楽しむ際に履きこなしたブーツで、種別としてはフルブローグに属します。ソールにはダイナイトが採用されているケースが多いのも、英国の田舎道(悪路)を歩くことを意識してのことでしょう。他の紳士靴にはない傾向ですが、Trcker’sのカントリーブーツだけはダイナイトの方が人気があります。
田舎歩きに際してもお洒落に気を使うのは、英国紳士の嗜みの一つでもあります。

■フルブローグブーツで一括りにされていますが Tricker'sのカントリーブーツには、MaltonとStowの2種類のモデルがあります。見た目は全く同じなのですが、色や革質に違いがあります。 ①Malton
gorse calf leatherという革を使用しており、色はC shade(シーシェイド)のみの展開です。
それがこちら。
②Stow
一般的なcalf leatherを使用しており、色はお馴染みのAcorn(エイコーン)を始めとして、マロンやブラック、エスプレッソなどです。

ちなみに、どちらも木型は4497Sで全く一緒です。つまり革質と色が違うだけ。 もちろん、職人さんが手作りしているがゆえの多少の個体差や、別注モデルならではの特別なカラー展開は存在します。ただ、定番のラインナップとしては上記の通りです。

■人気があるソールはダイナイト カントリーブーツはとにかく荒地を歩いても大丈夫なようにラバーのアウトソールが人気があります。
英国内ではわかりませんが、日本でこのブーツを履いて荒地を歩く機会がどれだけあるのか?と考えると、そんな機会はそうそうありません。
そう考えて、私はあえてレザーソールを選択しました。

すり減ってきてオールソールなんてことになったら、ダイナイトかVibramのコマンドソールに変えても面白いかもしれませんね。
ちなみに、ダイナイトという名称の由来は「day and night」とのことです。「昼でも夜でも足下のグリップは万全」という意味ですかね。

■履きやすさを考えた巨大ストラップ
地味なポイントですが、この巨大ストラップが結構嬉しいです。

履きやすいというのもありますが、微妙な丈のパンツを履いているときに、裾内にブーツを収めてくれるのに役立ちます。
また「地味に嬉しい」という意味では、Maltonに限らずTricker'sの製品を購入すると、靴袋と一緒にお手入れ方法が記載された説明書が入っているのもポイントです。

情報が溢れている現代社会では情報の取捨選択が重要になります。そういう意味でメーカーが「公式見解」を示してくれるのは非常に助かります。

他の英国高級靴メーカーの中にあって、常に存在感を示し続けるTricker'sですが、カントリーブーツのおかげで他社との差別化に成功している感があるのは否めません。
今後も伝統を守りつつ、様々なショップとコラボして別注品を世に送り出し続けて欲しいです。

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