2018年11月18日日曜日

Garrettのスェードレザージャケットは衝撃の手触り

イタリアのフィレンツェに本拠を置くGarrett(ギャレット)は、元々は様々なブランド(主にPRADAやD&G)にレザー製品(特にジャケット)をOEM供給していた老舗メーカーです。
元々はMARCELLO PAMPALONIという社名だったのですが、自社ブランドを世に出すようになってからGarrettに変更しました。

最近では日本のセレクトショップでもチラホラ目にする機会が増えてきたGarrettですが、今回は
スェードレザーのジャケットをご紹介したいと思います。




昔、フィレンツェを旅行した際の感動を思い出して、「あんな素敵な街並みにある会社だったら、さぞかし古式ゆかしい店構え何だろうなぁ」と考えて、住所を調べてストリートビューで社屋を確認すると、何とこんな感じ。

フィレンツェと言っても完全に郊外で、中心地から約30kmくらい離れています。しかもコンシューマー向け店舗のいくつかと雑居した平屋ビルの一区画を借りているようです。イメージしていた社屋とは全く違っていて驚きました。

■防寒性とスタイルを見事に両立
レザージャケットはタイトな身頃をセールスポイントにしている商品が多いので、中綿入りのものが少ないです。そしてその分だけ防寒性が低いのが欠点です。
ただ、このジャケットは適量の中綿をキルティングで縫いこむことによって、防寒性を高めています。

もちろん、最近の高級ブランドのダウンジャケットは、フィルパワー800以上の高品質なダウンを惜しげも無く仕込んだものが多いので、本当に防寒性/保温性を追求しようと考えたら完敗です。
ただ、11月から12月初旬や3月(の10℃前後の気温)であれば、全く問題ありません。
しかも中綿の量の調整が絶妙で、スリムなスタイルを全く崩していません!
この辺はイタリア人ぽいこだわりだなぁと感心させられます。

■スタイル
Garrettのジャケットは比較的細身な作りです。と言うか、イタリアの最先端ファッション(PITTI UOMOとかに出展するブランドのもの)は細身のものがほとんどです。
私の中ではSchottなどに比べるとVANSONも細身の部類に入るのですが、VANSONに比べると全ての部位が細身になっているので、体型によっては他のブランドに比べると若干窮屈に感じる部分もあるかもしれません。
米国産のものは良くも悪くも二の腕部分が太めに作ってあるケースが多いです(おそらくアメリカ人の体型の影響)。
Garrettのこのジャケットの場合は、二の腕も肘から先も全て細いので、シャツを着てニットを着ると二の腕の動きが制限されるくらいに窮屈に感じます。なので、インナーは相当制限を受けます。
私も通常は、シャツかカットソーくらいしか中には着ないようにしています。
腕の途中に縫い目を入れて立体的な動きに対応しているところは芸が細かいですね。

■触ったことない革質
スェードの生命線は触感(手触り、肌触り)と考えています。その点では、Garrettスェードは最高級です。柔らかく滑らかで、(ちょっと昔のCMのようですが)シルクのような手触りです。
今まで私が触ったことがあるスェードは、全て毛羽立った表面が特徴的で決して手触りの良いものではありませんでした。しかし、Garrettのものは全く違います。
最初は「革が薄いのか?」と思ったんですが、確認すると革の厚みは十分あります。と言うより、廉価な某隣国製品と比べれば、逆に厚いくらいで、VANSONと比べても全く見劣りしません。
世界中のスェードを触ったことがあるわけではないのですが、間違いなく最高級品のレベルです!

品質を高めている理由の1つは間違いなく鞣し工程にあります。
ご覧の通り、イタリア植物タンニンなめし革協会のお墨付きである『VERA PELLE』の称号を獲得しています。

同協会はイタリアのトスカーナ州にあるタンナー23社で構成された由緒正しき団体で、常に工法の開発と品質認証を行なっています。
鞣しや染色など一貫して自社で行なっているGarrettも当然加盟しています。
ベジタブルタンニン鞣しにもいろいろ違いがあるとは思いますが、レザー加工の本場であるイタリアの業界団体が認めた品質だからこそ、この柔らかさや温もり、手触りが実現できているのかもしれません、

ただ、若干難点もあります。余りにも柔らかすぎて、変な形で形状記憶してしまうことが多々あります。
特に以下の写真のように襟部分が反り返ってしまい、元に戻すのに大きめのクリップで数日抑える必要があったりします。
なので、保管時にはちょっと気を遣ってあげる必要がありますね。

■機能的にも手を抜かないイタリア人のレザーアイテムに対する半端ないこだわり
ポケットは両胸に1つづつ、あとは腰位置の両サイドにハンドウォーマーがあり、内ポケットは形状違いで両サイドにあります。
胸ポケットは若干小さめなので、小銭入れくらいしか入りませんが、ホックで入口が止められるのは割と安心です。


内ポケットは形状を変えて2つ備えてあるので、収納力は相当高めです。



しかも左の内ポケットはジッパー付きですから、財布とか重要なアイテムの収納には最適です。

また、袖はジッパー方式で絞れるようになっていて、前立てと同じような中型スライドフック付きです。

結構豪華なフックなので、揺れた際の音がしっかりしていて存在感を示しています。
前立てのジッパーはダブルなので、閉めたまま座る際などは非常に便利です。


両サイドのハンドウォーマーの端にリベットを打ってるところは、堅牢性を高めるという機能美よりもGジャン感を出したかったのかもしれませんね。



天神ワークスのJS02とかVANSONはどうしても重厚感がありすぎて困る時があります。
ウールやコットンのパンツに合わせづらいと言うか、デニム優先になる傾向があります。
その点、同じレザージャケットでもGarrettのスウェードジャケットは、スウェードの温かいイメージとレザー特有のハードなイメージを共存させているので、コーデの幅が広いです。
しかも手触り最高で柔らかい仕上がりになっているので、カジュアルウェアとしては気温が許す限り、着用頻度を上げたい逸品になっています。

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