2018年12月20日木曜日

MoorerのMorrisは気品溢れる存在

イタリアのVeronaで生まれたMoorerは、ダウンアウター業界に旋風を巻き起こし、欧米や日本で瞬く間にプレゼンスを向上させました。
個人的には、10年くらい前からイタリアを初めヨーロッパを旅行した際には必ず現物をチェックしてチョコチョコ集めていましたが、今年になって銀座に直営店がオープンしたり急に日本でも注目され始めました。 Moorerの中でも、なぜか日本ではあまり注目されないMorrisをご紹介します。



Moorerの商品名には、モデル名の後に外側の素材を表した文字が入ります。 KM:ポリエステル LL:ウール&カシミア みたいな感じです。 こちらのMorrisは、「L」と一文字ですが、ウール&カシミアです。 ご存知の方も多いと思いますが、このウール%カシミアは、かのLoro Piana社謹製の生地で風雨に強い高密度なものに仕上がっています(いわゆるStorm Systemですね)。
色はBlu(ダークネイビー)で、Nero(ブラック)とどちらにするか相当迷ったのですが、結局Bluにして良かったと感じています。 日本ではSIROが人気のようですが、SIROの丈を長くしたのがこちらのMorrisです。 前述の通りSIROに比べれば注目度が低いMorrisですが、ヨーロッパ(特にイタリアとロシア)では断然Morrisの方が人気が高いそうです。 価格差は(若干Morrisの方が高いですが)それほどありません。 Webに掲載されていたMoorerのexecutiveの話では、気温差と気品に対する考え方の違いの2点を日本とヨーロッパの売れ筋の違いの理由と分析していました。 つまり、(北海道を除く)日本より気温が低いヨーロッパでは丈が長い方が好まれ、丈が短いSIROはコートというよりジャケットなので、防寒用として着用するにはフォーマル意識の高い欧州人にはフィットしない、という話でした。 一理ある気もしますが、私はもっと簡単に、Morrisの存在があまり知られていない、ということでは?と考えています。 デザインや機能的には完成された感のあるアイテムですが、いくつか特徴をあげてみたいと思います。
■縦長のキルティングで細身アレンジ シルエットは全体的に細身に仕上がっています。他にもいくつかMoorer製品を持っていますが、どれも基本的に細身です。 ただ、ダウンの移動を防ぐためのキルティングが縦長に施されているため、余計にスリムな出来映えになっています。


■首回りのラビットファーは貴族の出で立ちを演出 首回りのファーはスナップベルトを締めると防寒性を著しく高めてくれます。

ラビットなので、そこまで高級感がある訳ではなありませんが、色が濃いめなので、そこはかとない気品を感じます(欧州人にはきっと受けるポイントだと思います)。 前立ての胸位置には折り返す見えるようにMoorerのロゴが配置れており、ブランドの主張も忘れてはいません。
■収納力には隙が全くありません 私がMoorerのアウターを好きな理由の一つがどのアイテムにも共有して言える収納力の高さです。 Morrisに限って言えば、前面にジッパー付きハンドウォーマーとフラップ付きポケットが合計4つ。内ポケットは向きを変える形で両サイドに1つづつと右裾にはボタン付きポケットの計3室。また左腕にもジッパー付きポケット(実用性は乏しいですが)があり、収納について困ることはありません。
裏地の素材はナイロンとポリアミドですが、ゴールドの色合いが非常に綺麗です。

胸のハンドウォーマーにジッパーがついているのですが、これが個人的にはお気に入りです。

前立てのジッパーとボタンを締めると内ポケットから物は出せないので、ここに財布とかを入れておくと誤落もないですし、非常に便利です。
インナーにジャケットを着るとそこにも収納が生まれますので、全て使用する訳ではないのですが、これだけ豊富に収納スペースがあると利便性は格段に上がります。
■防寒性能は日本では十分な高さ 左裾内側にMoorerお約束のダウンの品質保証表示と気温対応表が配されています。

いつもこれを見て思うのですが、数多くあるアウターブランドの中で、防寒性能に関するMoorerのポジションはそこまで高くありません。
これは、防寒性能を上げるためにダウンの量を増やしてスタイルを崩すことを嫌った結果だと思いますが、少なくとも日本国内(特に東京)では何の問題もありません。
北海道の極寒エリアではさすがに辛いかもしれませんが、国内在住の多くのMoorerファンは防寒性能について特に不満を持ってはいないでしょう。

対応している気温は、対応表を信じるのであればおそらく−20℃ですが、さすがにその気温であればこの量のダウンでは心もとない感じだと思います。
ちなみに中綿は、ギリギリまでダウンを増やしたダウン95%+フェザー5%という構成ですので、総量に対する保温性は相当に高いです。


付属品として、説明小冊子とスペアボタンが付いています。


この小冊子は英語やイタリア語以外に日本語での記載もあります。
Moorerとして、日本のマーケットを重視してくれているのはちょっと嬉しいですね(直営店があるくらいなので、当たり前と言えば当たり前ですが)。

東京でも最低気温が氷点下に落ちることがありますので、12月から2月まで大活躍してくれるアウターの4番打者間違いなしのアイテムです。

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