2018年10月17日水曜日

Berlutiのパティーヌには気品があって良し(Espace yenの紹介)

私は、割と定期的に財布を変えるタイプの人間です。 「定期的」と言っても、4−5年に一度なのでそこまで頻繁ではありませんが、それまで使っていた財布が使えなくなるまで使うと言うレベルでもありません(まだ使えるのに使っていない財布が増えてしまうのですが)。 ずっとGUCCIの二つ折り財布を使っていたのですが、少し飽きてきたのと、札入れ型の長財布をしばらく使っていなかったので、新しい長財布を購入しようとネットや雑誌で物色を開始しました。 自分なりの条件としては、 ・長財布 ・そこまで大きくないもの ・小銭入れ無し ・外周ファスナー無し
・カード入れ8枚以上 ・お札スペース2室 と言ったところです。
ブランドにこだわっているわけでは無いのですが、これから5年くらいは使うものなので、一応長持ちしそうなものを探しました。 Louis Vuitton、GUCCI、Ferragamoと有名どころを探していき、ちょっと目を引いたのがLouis VuittonとBerlutiでした(何れにしてもLVMHグループの呪縛からは解放されない)。 Vuittonの財布は以前にも2−3個使ったことがあったので、品質は保証済み。ただ、人気ブランドですし店舗も多いので周囲との被り率も気になります。余り人が使っていない(被り率が低い)と言う意味では、Berlutiは最有力候補です。そもそも、日本人は「周囲と被るのはイヤだ、でも周囲にはいい物を使っていると気づいて欲しい」と言うワガママな気質なので、比較的知名度が低いBerlutiのアイテムは使っている人が余りいません。

■Berlutiの紹介
ちょっと意外だったのは、Berlutiがフレンチブランドだったことです(名前的にイタリアンブランドかなと思いました)。19世紀にフランスで起業されたブランドで、ベネツィアンレザーという柔軟性が高いことが特徴の革を用いて商品を展開しています。 特に有名なのはパティーヌと言う技法で、革の上から何度も重ね塗りして独特なグラデーションとコントラストを生み出すことにより、他には無い鮮やかな色調を生み出します。当然製品の個体差は激しく、同じ製品でも全く見た目が違うものに仕上がります。 また、カリグラフィ(エッジング)と言われる革の上からデザインを彫り込む方式での装飾(文字や『スタンプ』と呼ばれる線画が描かれます)も、個体差が生まれる要因になっています。描かれる文字や線画の種類は決まっているので、比べて見ないと分からないレベルですが、それでも一つ一つ違いがあると言う意味では私にとって大きなポイントでした。
もしかしたら靴のほうが有名かもしれませんが、皮革小物も靴同様に高品質です。

■検討から購入まで Berlutiの財布は比較的豊富なラインナップを揃えているんですが、それでも前述の条件をクリアするものは多くはありません。適合していたものはEspace Yenくらいです。EBENEもSANTALも小銭入れがついており、その分カード入れの数が少なかったり厚みが増していて、どうもしっくり来ない感じがしました。 ちょっと話がそれますが、財布を買う際にいつも困るのは、実際に自分が使用するカードやお札を入れてみないと本当の財布容姿が分からない点です。店頭で入れてみるわけにもいかず、偶然ショップスタッフの方がその財布を使っていれば見せて貰うこともできるんですが、そんなレアケースに遭遇しなければあとは想像するしか無いです。 今回の購入に際しても、店頭で在庫していた別の財布を一応見せてもらったんですが、あくまでも使っていない状態での比較しかできないので、余り検討せずに事前に調べて有力候補に挙がっていたEspace Yenにすぐに決定しました。 スタッフさんに詳しく話を聞いていると、どうやらキャンペーン中でゴールドかシルバーのパティーヌを無料で施してくれると言うことです。但し、所要期間は3−4週間くらい。 「今日から新しい財布!」と考えていたので大分迷ったんですが、1ヶ月待てば更に美しいパティーヌが見られるんであれば、少し我慢しようと考えて、シルバーのパティーヌをお願いしました。 ゴールドも一瞬検討したんですが、スタッフさんから「ネイビーだったらシルバーが鉄板ですよ!」と勧められて結局シルバーにしました。
ただ、同色系のパティーヌではないため、ネイビーとシルバーでパティーヌ独特な「ムラ」が出るわけではなく、カリグラフィの文字やスタンプ部分にシルバーの色が載ってくるだけとのことです。 そもそもベースとなるEspace Yenのネイビー自体が「ムラ」感満載なので、これ以上別の色が入ったら気持ち悪くなります。 依頼してからキッチリ3週間後にお店から完成した旨の電話が入り、会社帰りに寄りました。そのEspace Yenがこちらです。


同色Espace Yenの在庫が無かったので、パティーヌを施していない他の財布をお借りして、店頭で撮影させて貰いました。
パティーヌがはっきり分かる!
シルバーパティーヌは、カリグラフィ部分を際立たせる効果はありますが、ベースとなっているネイビーの色合いを変えることは無いですね。 スッタフさんに聞いたところでは、実際には微妙にシルバーが載っているようなんですが、ネイビーの方がシルバーよりもはるかに濃いので肉眼ではほとんど分からないレベルとのことです。

■Berluti Espace Yen 徹底分析 自宅に持ち帰って細かくチェックして見ました。 こちらが購入時の一式です。


保存袋以外に「こちらもサービスで差し上げてますんで!」と言われた皮革磨き用のシルクっぽい布も貰いました。Beiutiのトレードマークであるスタンプが入っています。


ご覧の通りカード収納は、左右あわせて10枚分あります。
向かって左側はマチ付きの紙幣収納(2室あるので高額と小額の紙幣を分けられます)。右側は領収書とか入れるのにちょうど良い感じです。


購入時には各室に厚紙が入っていて、革同士がこすれて劣化するのを防いでいます。


裏面にはカリグラフィがそれほど及んでいません。


何も入れていない状態だと厚みは10mm程度です。




実際にカードやお札を入れてみると、やはり厚みが出てきます(使っているうちに徐々に潰れてはくると思いますが)。



入れているのは、カード7枚、紙幣は8枚です。



カードは横から見ると構造上斜めに浮き上がる形になるため、カードを複数枚入れると厚みが生まれますね。


少し驚いたのは思った以上に革が柔らかい点です。ベネツィアレザーは、やはり質感が最高です。
別にグニャグニャ曲がるというわけではなく、表面の「ぬめり」が柔らかい。ただ、傷が付きやすい・・・。 何度かカードの出し入れをしてみると、擦過傷が生まれます。浅いものであれば、少し触ってあげると消えるようですが、深めの擦過傷はどうしても残ってしまいます。これはこれで「味」なのかもしれません(勿論、革が柔らかいのは良いことなんですが・・・)。「傷を気にしていると使わずにお蔵入りになる・・・」と意を決して普段使いするつもりです。 予想していたんですが、カード入れに隙間なくカードを入れるのは少しきついです。私はクレジットカードやキャッシュカード等、6-7枚くらいはカードを使うので、1室づつ間隔を空けて使うことにします。そちらの方が圧倒的に使いやすいです。 以前使っていたBOTTEGA BENETAの長財布と比べて見ました。
※比較用にBOTTEGAにも同量のカードや紙幣を入れています。 比べてみると分かるんですが、全体的にBOTTEGAよりも小振りで薄いです。 革をイントレチャートにしている分だけBOTTEGAの方が厚みが出てくるのは当然なんですが、底面積自体もBOTTEGAに比べて小さくまとまっているのは高評価です。 お店のスタッフさんから「パティーヌは徐々に薄れてくるので、1回だけ染め直し修理を無料で承ります。気になるようでしたら、お持ちください」と言われました。 1年くらい使ったら状況をご報告しますが、シルバーパティーヌがどのように変化するのか非常に楽しみな逸品です。

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